シェニール織とか黄肉のメロンとか

江國香織(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川春樹事務所
• 発売年月日: 2023/09/15
• JAN: 9784758414494

商品レビュー

2025/12/16

ただただ、学生時代の仲良し3人娘が50歳半ばを超えてからも、仲良く日常を過ごしてるだけの話なんだけど、なんだかとっても良い。自分も友人も、長い年月で変化はあるはずなのに、会うと学生時代に戻ってしまうんですよね。
私も学生時代の友人に会いたくなってきた。、

2025/12/14

いつものこの感じ…と思いつつも、この雰囲気と浮世離れした作風に魅力を感じて読まずにはいられないのは、なんなんだろう。
江國さんは新しいものは書かないのかな。もうずっとこの感じでやっていくのかな。それが求められているから？この頃はどの作品がどんな内容だったかわからなくなってごちゃ混ぜになってしまっているけど、でも新刊が出ると読みたくなってしまうんだなぁ。

2025/12/11

かつての江國香織作品と同様、何が起きるわけでもないが、ゆるやかにそれぞれの登場人物が生活を営んでいる様が見えて穏やかな気持ちになれる。
特に今回は80代、50代、20代、10代の女性陣が描かれており、そのグラデーションが良い。
個人的には早紀が一番勇敢に思える。1人の男と添い遂げる決断をし、子供を2人と犬を延べ2匹育て、認知症の義母の面倒を見……！保守的な人間として描かれているがとんでもないエネルギーだ。
里枝のように風来坊でいることは多少心細いが、良いことも悪いことも全部自分に帰ってくるので安心していられる。早紀のようにこれだけの人間の責任を取るというのは、日本の大多数の女がやっていることだとしてもその立派さ、勇敢さに慄いてしまう。

「心なんて、そんなにしょっちゅうひらかなくてもいいんじゃない？」　「あら、そんなのだめよ。絶対にだめ。そんなの淋しいじゃないの」
↑ここかなり好き。芯から人生に立ち向かっていくタイプの人間を目の当たりにすると心打たれる。