- 中古
- 店舗受取可
- 書籍
- 書籍
- 1221-07-04
わたしたちに翼はいらない
定価 ¥1,815
550円 定価より1,265円(69%)おトク
獲得ポイント5P
在庫あり
発送時期 1~5日以内に発送
店舗受取サービス対応商品【送料無料】
店舗到着予定:3/3(火)~3/8(日)
店舗受取サービス対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
店舗到着予定
3/3(火)~3/8(日)
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2023/08/18 |
| JAN | 9784103531920 |
- 書籍
- 書籍
わたしたちに翼はいらない
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
わたしたちに翼はいらない
¥550
在庫あり
商品レビュー
3.7
157件のお客様レビュー
狭い教室で、毎日同じメンバーで顔を合わせることで築かれる学生時代の序列(今の言葉でいう「スクールカースト」)みたいなものを、大人になってもまだ引きずるのは、その時代から変わらないコミュニティ・世界の中でずっと生きているからなのかなと思う。 昨年のドラマ「良い子・悪い子」を思い出し...
狭い教室で、毎日同じメンバーで顔を合わせることで築かれる学生時代の序列(今の言葉でいう「スクールカースト」)みたいなものを、大人になってもまだ引きずるのは、その時代から変わらないコミュニティ・世界の中でずっと生きているからなのかなと思う。 昨年のドラマ「良い子・悪い子」を思い出したりもしたけれど、まだ学生時代の「栄光」や「屈辱」や、親からの影響など、子供時代の残像から抜け出せきれていない感じだった登場人物たちが、自分を認め、一歩を踏み出したのが清々しかった。
Posted by 
誰かを憎み、自分を蔑み生きていく。そんな人生は間違いなくしんどい。過去は輝いていて、現状と比べてこんなはずではなかったという生き方もせつない。忘れたいと願い忘れたつもりの過去や、いつの間にか自分の中で育っていた思い込み。どうすれば解き放たれることができるのか。3人の主人公たちの鬱...
誰かを憎み、自分を蔑み生きていく。そんな人生は間違いなくしんどい。過去は輝いていて、現状と比べてこんなはずではなかったという生き方もせつない。忘れたいと願い忘れたつもりの過去や、いつの間にか自分の中で育っていた思い込み。どうすれば解き放たれることができるのか。3人の主人公たちの鬱々としたそれぞれの思いが苦しくなるくらい、これでもかこれでもかと描かれる。作中明白な答えは出ない。思いを噛み締めて、自問して、前に進んでいくしかないのだろう。読み終えた今、この物語をどう受け止めたらいいのか。正直まだ答えがでない。
Posted by 
寺地はるなさんの『わたしたちに翼はいらない』を読了した。 ページを閉じた瞬間、胸に込み上げてきたのは、静かな感動と、何かを乗り越えたような安堵感だった。 この作品は、「虐め」という重いテーマを扱いながらも、単純な善悪の二項対立には収まらない、人間の複雑さを丁寧に描き出している...
寺地はるなさんの『わたしたちに翼はいらない』を読了した。 ページを閉じた瞬間、胸に込み上げてきたのは、静かな感動と、何かを乗り越えたような安堵感だった。 この作品は、「虐め」という重いテーマを扱いながらも、単純な善悪の二項対立には収まらない、人間の複雑さを丁寧に描き出している。 虐める側と虐められる側。その対立構造の中で浮かび上がるのは、人間の弱さであり、同時に、その弱さを抱えたまま前に進もうとする強さでもある。 翼を持たない選択 タイトルにある「翼」は、高く飛翔すること、つまり幸せになることの比喩として描かれている。多くの物語では、主人公が翼を手に入れ、過去を乗り越えて幸せになるハッピーエンドが用意されている。 しかし、この作品の登場人物たちは違う選択をする。「わたしに翼はいらない」ときっぱりと切り捨てる。その決断の裏にあるのは、空を飛ぶことではなく、地べたをしっかりと歩いていこうとする覚悟だ。 その強さに、私は深く救われた気持ちになった。 そしてこの物語がさらに深く胸を刺すのは、“記憶の違い”が鮮明に描かれている点だ。 二つの人生、二つの記憶 物語の中心にいるのは、学生時代にいじめられていた青年・園田律(そのだ りつ)。 彼は自殺を決意するが、その前に自分を虐めていた中心人物・中原大樹を殺してから死のうと思い直す。復讐という最後の行為に、彼の絶望の深さが表れている。 一方で、中原大樹の妻・莉子と、その親友・美南は、学生時代にクラスのヒエラルキーの頂点に君臨していた人間たちだ。 他人を馬鹿にし、支配することで自分たちの地位を確立してきた。彼女たちにとって、学生時代は「一番良かった時」「最強だった時」として記憶されている。 対する園田や、佐々木朱音(ささき あかね)は虐げられてきた側の人間だ。 友だちと呼べる人間はおらず、孤独な少年少女時代を過ごした。彼らにとって、学生時代は「孤独で最悪だった時」でしかない。 同じ時間を過ごしながら、これほどまでに異なる記憶を持つ二種類の人間。この対比が、物語に深い陰影を与えている。 人間の弱さと強さ 作品は、舐められたくない、馬鹿にされたくない、失敗したくないという人間の弱さを容赦なく描き出す。誰もが抱えるこの感情は、時に他者を傷つける暴力となり、時に自分自身を追い詰める呪縛となる。 しかし同時に、この作品が描くのは人間の強さでもある。ひとりで、他の人に寄り掛かることなくしっかりと立ちたい。醜くても愚かでも地べたを歩いて行こう。そう決めた人間の強さだ。 特に印象的なのは、朱音が辿り着く気づきだ。 被害者が虐めを乗り越えたからといって、加害者が罪を償わなくて良い理由にはならない。虐めを乗り越え幸せになるハッピーエンドの物語は、誰にも責任を取らせない。それは結局、加害者を救うためにあるものではないか。 このことに気づいた朱音は、「わたしに翼はいらない」と思う。空高く飛んで幸せになることよりも、地べたを選ぶ。強く生きていくことを選ぶ。その決断の強さに、読者である私たちは深く勇気づけられる。 もうここは教室ではない はじめは殺したいほど中原を憎んでいた園田が、その気持ちに区切りをつけ、前を向いて歩いていく姿も印象的だ。憎しみに囚われ続けることは、結局は自分自身を縛り続けることでもある。それを断ち切る勇気。 物語が問いかけるのは、「もうここは教室ではない。私たちは大人だ」ということだ。 友達でなくても、相手のために行動したり、大切に思うことはできる。相手の全てが好きではなくても付き合っていくことはできる。虐めとは何か。友達とは何か。学生時代をいつまでも引きずることの意味とは。 これらの問いを通して、作品は私たちに大人になることの意味を問いかけている。 前に進む強さ 虐められた過去を断ち切って、前に進もうとする強さを持っている園田や朱音のような人物に、私たちは勇気づけられる。 彼らは「翼を持って高く飛ぶこと」を選ばなかった。それでも、いや、それだからこそ、彼らの選択は力強い。 地べたを這いつくばってでも、自分の足で歩いていく。その姿勢こそが、真の強さなのだと、この作品は教えてくれる。 寺地はるなさんの筆致は優しくも厳しく、人間の複雑さを丁寧に掬い取っている。 読後感は決して軽くはないが、それでも心に残るのは、前に進もうとする人間の強さへの信頼だ。 『わたしたちに翼はいらない』。 このタイトルに込められた意味を、ぜひ多くの人に味わって欲しいと思う。
Posted by 
