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風をとおすレッスン 人と人のあいだ あいだで考える
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 創元社 |
発売年月日 | 2023/08/10 |
JAN | 9784422931166 |
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風をとおすレッスン
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商品レビュー
4.3
10件のお客様レビュー
レヴィナス、フロイト、エリクソン、仏教、等々、様々な思想を下敷きにしながら、それらのエッセンスを著者独自の経験と言葉で、より広くより多くの人に届くような形に語り直している印象。著者の経験談はどれも面白くて、不思議な説得力がある。
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レッスンとあるが、具体的なノウハウを教えるものではなかった。 時間や心に余裕がない時は、ノウハウ本を手に取りがちだが、根っこの部分をじっくりと考えさせる本書のようなものの方が、落ち着いた気分を長続きさせてくれるように感じる。
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「風をとおすレッスン」とあり、サブタイトルには「人と人のあいだ」と付けられているが、特に印象に残ったのは、「自分の中にあるあいだ」ともいえる話だった。 人間関係に関する話に見えて、実際、人と人との距離感の話もしながら、この本は、「「私」の中の小さな私たち」から話が始まる。つまり、...
「風をとおすレッスン」とあり、サブタイトルには「人と人のあいだ」と付けられているが、特に印象に残ったのは、「自分の中にあるあいだ」ともいえる話だった。 人間関係に関する話に見えて、実際、人と人との距離感の話もしながら、この本は、「「私」の中の小さな私たち」から話が始まる。つまり、いかに自分自身が一人の人間でなくて、様々な「自分」でできているか。まずは、自分の中にある矛盾した自分たちの間に風をとおすところからレッスンは始まる。 本の中で紹介されるのは、コミュニケーションをより上手にするためのノウハウといったものではない。よく意味がわからなくても、一つのコミュニケーションが成り立っている居心地のいい様々な空間である。 それは、どこかの村の寄り合いであったり、何を考えているのかよくわからないカメと過ごした毎日であったり、旅の途中、焚き火の周りで座って語り合った時間であったりする。また、とある国のシャーマンによる「占い」であり「治療」であり、エジプトの人々同士の著者から見ると少し過剰に見えた日常会話であり、ザールと呼ばれる悪霊祓いの儀式であった。 それらは一見して素敵に見える場所であったりもするが、傍から見ればよく意味のよくわからないもある。その場に暮らしている人たちにとって、そうした空間、時間があることの意味を、時に、フィクションの物語なんかも引き合いに出しながら、筆者なりの感性で語っていく。 しかし、傷つかないために対話をするのではない。むしろ逆である。互いが安全に傷つくためにこそ対話がある。(p70) 「期待しないコミュニケーション」という言葉が印象に残った。言葉をコミュニケーションの道具だとして見ているうちは、自分の発した言葉に誰かが何かを返してくれることを期待する。その期待が達せられなかったときに、人は人との関係の中で傷ついていく。 本の中で紹介される事例は、どれも特別なものに見える。ただ、こうした風とおしのいい空間の話を聞いたところから、自分の身の周りに、ああ居心地がいいなと思える瞬間を見つけていくこと、そういった瞬間を一つずつ増やしていくことで、友人や職場、家族との関係のあいだに風がとおるようになっていくのだなと思う一冊だった。
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