夜空にひらく

いとうみく(著者)

• 販売会社／発売会社: アリス館
• 発売年月日: 2023/08/04
• JAN: 9784752010722

商品レビュー

2024/10/24

めちゃめちゃ良かった。

ハメられて罪を犯した少年が、裏切りたくないと思う人との出会いにより、過去を当たり前に抱えて生きていこうと歩み始める物語。

あたりまえのことをあたりまえに行うことの大切さは、年を重ねるごとに身に染みるようになる。オンオフの切り替え、些細なことで笑い合うこと、ただいまとおかえりのあいさつ、そして何より一緒にご飯を食べること。そんな日々が、主人公の心を整えていく様子が、沁み入る。じわっと涙が浮かんでしまった。こんな硬くなった心の私でさえも。

2024/09/29

バイト先のコンビニでバイト仲間の大学生を殴り、逮捕され、家庭裁判所へ送られた円人。試験観察という処分を受け、補導委託という形で煙火店を営む深見静一に引き取られる。
そこでの生活は今までの円人の環境とは大きく違っていた。
戸惑いながらも深見のもとで少しずつ心を開いていく円人。
幼い頃に母と見た花火、その花火に関わっていくことになる円人。
深見にも心の闇があり、そのことが補導委託を引き受けることになるきっかけでもある。
少年事件のありようにも少し触れていて考えさせられる。
たった6秒の華やかさに掛ける花火への情熱や技術も凄いもんだ。
円人の成長が楽しみだ。
いとうみくさんの作品にはいつも感動させられる。

2024/09/19

こういう制度があること初めて知った。
あたたかい人たちに触れて更生していく少年のものがたり。
祖母、子育てに向かない人だったかもしれないけど、あえて冷たく突き放すように育てたんじゃないかな。自立、強くなるように。優しさだけじゃ生きていけないし。色んな考えがあるけど。
良い話だった。