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遠い声、遠い部屋
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2023/08/02 |
| JAN | 9784105014094 |
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遠い声、遠い部屋
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商品レビュー
3.6
13件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初は「ゲイ文学」として読み始めて、男性同士の恋愛なのかなと思ってた 物語は、少年ジョエルが父を探しに来る。奇妙な屋敷とそこに住む人々に出会う、そして自分とは違う世界を知る、という成長と認識の物語になっている。クイアな要素はあるが、恋愛小説としてではなく、世界観や人物のあり方として存在している。この小説には、ジェンダーの境界を揺るがす人物が複数登場する。象徴的なのがランドルフ(男性を愛した過去を持つ、女性の服装や振る舞いをする、社会から外れた存在として生きている)クイアな人物として描かれる。それからアイダベル(男の子の格好をする、女の子としての役割を拒む、男の子になりたいと語る)現代的に読むと、ジェンダートランス的な要素を感じさせる。 つまりジョエルの周囲には「男/女」の境界から外れた人々の世界が存在している。 とくにランドルフの人物像は魅惑的。ランドルフは、孤独で、過去の恋に囚われ、社会から隔離された存在として描かれ、痛々しい人物に見える。しかし同時に美意識、物語を語る力、耽美的な感受性を持つ、魅力的な人物でもある。そのため彼は単なる悲劇的存在ではなく惹きつける力を持つ異端者として描かれている。 物語の終盤で、ジョエルは遠い窓に立つランドルフを見る。この場面はジョエルがランドルフの世界に「惹かれる」 というよりその世界を承認し、受け入れる瞬間として読める。 ジョエルは拒絶もしない逃げもしないただ見つめて受け止める。つまり彼は自分とは違う世界の存在を認める立場に立つ。この小説は恋愛物語というより、社会から外れた人たちの世界、ジェンダーや規範の境界、異なる生き方に触れた少年が、それを拒まず受け入れるまでの物語として読むことができる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
高校の時読んだ『ティファニーで朝食を』以来のカポーティ。春樹訳に惹かれて読んだ。 普段ミステリを読むことが多いから起承転結やキャラクターの面白さとかに注目して読んじゃうけど、久しぶりに読んで文章表現の美しさに驚いた。 両親の喪失から、ランドルフが父に成り代わり、そしてそのランドルフも……ここで終わっちゃうの?!とも思ったけれど、主人公の夢なのか、空想なのか分からない部分もあって、どこまでが本当か分からないからこそ、そのラストでも納得だなと思った。 次は『草の竪琴』を読みます。
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