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肥料争奪戦の時代 希少資源リンの枯渇に脅える世界
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2023/07/19 |
JAN | 9784562072965 |
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肥料争奪戦の時代
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
タイトルだけを見た時は、てっきり「大気を変える錬金術」で読んだように肥料の主成分である窒素化合物のことかと思ったが、本書の主役はリン。肥料の主成分である窒素、カリウムと同じく、リンも植物の生長に不可欠な元素で、前者がほぼ無限に産出できるのに対し、リンは産地が限られているのと将来的...
タイトルだけを見た時は、てっきり「大気を変える錬金術」で読んだように肥料の主成分である窒素化合物のことかと思ったが、本書の主役はリン。肥料の主成分である窒素、カリウムと同じく、リンも植物の生長に不可欠な元素で、前者がほぼ無限に産出できるのに対し、リンは産地が限られているのと将来的には枯渇するかもと言われている。 古くは洗濯洗剤に含まれ、今は農業で使われる肥料として大量に消費されているリンは、北米の湖沼やメキシコ湾で有毒の藍藻や赤潮の発生の原因になっているという。 本書によると、ドイツでは2029年以降、大規模な下水処理場は基本的に汚泥に含まれるリンをすべて除去することが義務づけられるという。 原題である「THE DEVIL'S ELEMENT(悪魔の元素)」の方が本書内容からするとしっくりくる。
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リンという物質の来歴、その応用例、それによって引き起こされた公害について語られている。 原題は"THE DEVIL'S ELEMENT Phosphorus and a World Out of Balance"。 どういう経緯でつけられたか不明だが、実に不誠実な邦題である。”肥料争奪戦”にふさわしい記述があるとすれば、スペインが放棄した植民地をモロッコが軍事的支配下においたことに触れた箇所のみで、同地にリンの鉱脈が存在することが理由である。 本書の大半はアメリカにおいてリンが引き起こした公害と、明記されてはいないが言外に利権に基づいてそれを看過している自治体や政府について述べられている。 結論である「屎尿の再利用」に至る前段に、「サイエンティフィックな西洋から伺うオーガニックな東洋への憧憬」がやや見えもするが、害のない記述にとどまっていて助かる。西洋はまた合理的という代名詞でも語られるけど、意外とおキモチ重視だよな、と。 二箇所ほど文章に訳文由来の違和感を覚えたが、まあよいか。
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リン元素は、自然界に決して多くなく、でも生命には必須の元素として存在している。 有用性は特に肥料として。 (人口増加と肥料の歴史は面白く読める) また、服が白くなるという理由で、かつて洗濯洗剤にも入っていた。 洗剤として使われたものが河川に入り、毒素を出す藻類を大量発生させたため...
リン元素は、自然界に決して多くなく、でも生命には必須の元素として存在している。 有用性は特に肥料として。 (人口増加と肥料の歴史は面白く読める) また、服が白くなるという理由で、かつて洗濯洗剤にも入っていた。 洗剤として使われたものが河川に入り、毒素を出す藻類を大量発生させたため、洗剤はリンが使われなくなる。 しかし、肥料としてのリンが規制されず、家畜の糞に含まれるリンとともに垂れ流され、アメリカでは藻類の大発生が起き、人間の健康すら脅かしている。 一方で、リン元素は埋蔵量のほとんどがモロッコ一国にあり、いずれは戦争の原因にもなりかねないほどの占有状態である。 環境対策と、埋蔵量をめぐる争いを避けるために、人間や家畜の糞尿を肥料として利用する伝統的な対策が1番効果的とわかって、そのための取り組みが行われ始めているあたりは期待が持てる。 私たちが未来世代に残す世界は、地下水汲み上げ過ぎによる水資源枯渇、地球温暖化による砂漠拡大や異常気象、リン不足による食糧不足、プラスチックゴミ汚染…申し訳ない気持ちでいっぱいになる。食品を有機に変えるとか、洗剤を見直すとか、ささやかだとしても、やれることはやろうと思う。
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