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虐殺のスイッチ 一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか? ちくま文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2023/07/10 |
| JAN | 9784480438812 |

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虐殺のスイッチ
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商品レビュー
4.3
19件のお客様レビュー
ハンガンの「少年がくる」からの派生本として読んでみた。 この本を読んでの気づきだが、少年がくるは意図的にかわからないが、加害者側、自国の本来なら守るべき市民を虐殺した軍人側の視点が無かったことに気づいた。 この時の韓国軍の軍人もおそらく徴兵された一般市民だったんだよなと…。本来な...
ハンガンの「少年がくる」からの派生本として読んでみた。 この本を読んでの気づきだが、少年がくるは意図的にかわからないが、加害者側、自国の本来なら守るべき市民を虐殺した軍人側の視点が無かったことに気づいた。 この時の韓国軍の軍人もおそらく徴兵された一般市民だったんだよなと…。本来なら1人を殺すことにも躊躇する、良き市民のはずの人々が、集団になると途端に加害性に鈍感になって、残虐な殺戮者になってしまう、人間の生まれ持った本性が悪い方向に加速することが歴史上何度もあった。 そして、とりわけ日本人は自分たちの過失に目を背けがちだ。虐殺があったことも認められない、自分たちの本性から目を背け続けた先には、また新たな虐殺が生みだしてしまうのではという恐れがある。 集団になると、個々はとても優秀な人々が途端に馬鹿げた判断を下すという事例は本当にあるある。というか、身の回り(特に仕事まわり)でも良く感じる。集団的浅慮についても今学ぶべきトピックスかもしれない。
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虐殺のスイッチを壊すのはKY力っていう話。 空気が読めないという特性がポジティブに働く機会が人生において少なそうというのが問題だけど。 p. 204 イワシやムクドリの群れの動きを統率するのは、全体の意思だ。でも実際には意思などない。疑似的意思 だ。 これは人にも当てはまる。危機や不安を感じて集団化が加速するとき、個(自分)の感覚ではなく全体の意思に即して動こうとする。だが、そんな意思など本来は存在しない。
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森達也の本は、自分の「立ち位置」や「考え方」を振り返るときの助けになる、と感じます。 森がオウム真理教の信者に取材したドキュメント「A」シリーズを手がけたことで、オウム真理教を擁護するのか、という批判を浴びた(あるいは今もなお浴びている)ことは事実ですし、当時の「オウム=悪/カル...
森達也の本は、自分の「立ち位置」や「考え方」を振り返るときの助けになる、と感じます。 森がオウム真理教の信者に取材したドキュメント「A」シリーズを手がけたことで、オウム真理教を擁護するのか、という批判を浴びた(あるいは今もなお浴びている)ことは事実ですし、当時の「オウム=悪/カルト/殺人集団=その存在を許すことができない」という世論に冷や水を浴びせる作品であったことから、作品だけでなく森自身が拒絶されることはある意味で想定できる展開だっただろうと思います。 本書でも根底にあるには、「地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の信者は本当に残酷な悪人なのか」という問いや、他に世界各地で度々繰り返されてきた虐殺に関与した加害者は人間としての倫理観を持たない「私たちとは根本から異なる存在なのかどうか」という問いです。 とても想像できないような残酷な所業をしてきた加害者たちを、「自分たちとは全く別の、異常な存在」と割り切ってしまえば、私たちは安心することができます。ただ、これは単なる思考停止で、アイヒマン裁判やその他の心理実験でも明らかになっている通り、虐殺の加害者たちは決して「異常者」ではなく、私たちと変わらない「ふつうの」人間なのです。 では、なぜ「ふつうの」人間が多くの人を殺すことができたのか。そのメカニズムを考え、悩み、煩悶し続けることこそが、再び歴史上の惨禍を起こさないために必要な「歴史から学ぶ」ということなのではないかと思います。 世界各国の事例が紹介されていますが、国立資料館でホロコーストやクメールルージュのような加害の歴史を隠さずに展示公開している国と、「加害」の歴史を正視しようとしない日本のこれまでの姿を比べると、日本のあり様こそが異質であるように思います。 違和感を覚え、モヤモヤし続けることこそが大切なのだと改めて気づかされました。 (p.14 まえがき より) 何度でも書く。凶悪で残虐な人たちが善良な人たちを殺すのではない。普通の人が普通の人を殺すのだ。世界はそんな歴史に溢れている。……でも僕たちが暮らすこの国は、記憶する力が絶望的なほどに弱い。むしろ忌避している。殺す側は邪悪で冷酷。その思いが強いからこそ、過去に自分たちがアジアに対して加害した歴史を躍起になって否定しようとする。被害の側に過剰に感情移入するからこそ、加害の側をより強く叩こうとする。加害と被害は反転しながら連鎖することに実感を持たない。僕が面会と手紙のやり取りをつづけた六人のオウム信者はもういない。みな処刑された。人を殺したから殺される。なぜなら悪人だから。生きる価値がないから。それでよいのか。そんな社会で本当によいのか。だから終わらせてはいけない。忘れないために。善良な人が善良な人を殺す。その理由とメカニズムについて考えねばならない。忘れたらまた同じことをくりかえす。過去に起きた戦争や虐殺よりも恐ろしいことがひとつだけある。過去に起きた戦争や虐殺を忘却することだ。
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