虐殺のスイッチ の商品レビュー
ハンガンの「少年がくる」からの派生本として読んでみた。 この本を読んでの気づきだが、少年がくるは意図的にかわからないが、加害者側、自国の本来なら守るべき市民を虐殺した軍人側の視点が無かったことに気づいた。 この時の韓国軍の軍人もおそらく徴兵された一般市民だったんだよなと…。本来な...
ハンガンの「少年がくる」からの派生本として読んでみた。 この本を読んでの気づきだが、少年がくるは意図的にかわからないが、加害者側、自国の本来なら守るべき市民を虐殺した軍人側の視点が無かったことに気づいた。 この時の韓国軍の軍人もおそらく徴兵された一般市民だったんだよなと…。本来なら1人を殺すことにも躊躇する、良き市民のはずの人々が、集団になると途端に加害性に鈍感になって、残虐な殺戮者になってしまう、人間の生まれ持った本性が悪い方向に加速することが歴史上何度もあった。 そして、とりわけ日本人は自分たちの過失に目を背けがちだ。虐殺があったことも認められない、自分たちの本性から目を背け続けた先には、また新たな虐殺が生みだしてしまうのではという恐れがある。 集団になると、個々はとても優秀な人々が途端に馬鹿げた判断を下すという事例は本当にあるある。というか、身の回り(特に仕事まわり)でも良く感じる。集団的浅慮についても今学ぶべきトピックスかもしれない。
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虐殺のスイッチを壊すのはKY力っていう話。 空気が読めないという特性がポジティブに働く機会が人生において少なそうというのが問題だけど。 p. 204 イワシやムクドリの群れの動きを統率するのは、全体の意思だ。でも実際には意思などない。疑似的意思 だ。 これは人にも当てはまる。危機や不安を感じて集団化が加速するとき、個(自分)の感覚ではなく全体の意思に即して動こうとする。だが、そんな意思など本来は存在しない。
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森達也の本は、自分の「立ち位置」や「考え方」を振り返るときの助けになる、と感じます。 森がオウム真理教の信者に取材したドキュメント「A」シリーズを手がけたことで、オウム真理教を擁護するのか、という批判を浴びた(あるいは今もなお浴びている)ことは事実ですし、当時の「オウム=悪/カル...
森達也の本は、自分の「立ち位置」や「考え方」を振り返るときの助けになる、と感じます。 森がオウム真理教の信者に取材したドキュメント「A」シリーズを手がけたことで、オウム真理教を擁護するのか、という批判を浴びた(あるいは今もなお浴びている)ことは事実ですし、当時の「オウム=悪/カルト/殺人集団=その存在を許すことができない」という世論に冷や水を浴びせる作品であったことから、作品だけでなく森自身が拒絶されることはある意味で想定できる展開だっただろうと思います。 本書でも根底にあるには、「地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の信者は本当に残酷な悪人なのか」という問いや、他に世界各地で度々繰り返されてきた虐殺に関与した加害者は人間としての倫理観を持たない「私たちとは根本から異なる存在なのかどうか」という問いです。 とても想像できないような残酷な所業をしてきた加害者たちを、「自分たちとは全く別の、異常な存在」と割り切ってしまえば、私たちは安心することができます。ただ、これは単なる思考停止で、アイヒマン裁判やその他の心理実験でも明らかになっている通り、虐殺の加害者たちは決して「異常者」ではなく、私たちと変わらない「ふつうの」人間なのです。 では、なぜ「ふつうの」人間が多くの人を殺すことができたのか。そのメカニズムを考え、悩み、煩悶し続けることこそが、再び歴史上の惨禍を起こさないために必要な「歴史から学ぶ」ということなのではないかと思います。 世界各国の事例が紹介されていますが、国立資料館でホロコーストやクメールルージュのような加害の歴史を隠さずに展示公開している国と、「加害」の歴史を正視しようとしない日本のこれまでの姿を比べると、日本のあり様こそが異質であるように思います。 違和感を覚え、モヤモヤし続けることこそが大切なのだと改めて気づかされました。 (p.14 まえがき より) 何度でも書く。凶悪で残虐な人たちが善良な人たちを殺すのではない。普通の人が普通の人を殺すのだ。世界はそんな歴史に溢れている。……でも僕たちが暮らすこの国は、記憶する力が絶望的なほどに弱い。むしろ忌避している。殺す側は邪悪で冷酷。その思いが強いからこそ、過去に自分たちがアジアに対して加害した歴史を躍起になって否定しようとする。被害の側に過剰に感情移入するからこそ、加害の側をより強く叩こうとする。加害と被害は反転しながら連鎖することに実感を持たない。僕が面会と手紙のやり取りをつづけた六人のオウム信者はもういない。みな処刑された。人を殺したから殺される。なぜなら悪人だから。生きる価値がないから。それでよいのか。そんな社会で本当によいのか。だから終わらせてはいけない。忘れないために。善良な人が善良な人を殺す。その理由とメカニズムについて考えねばならない。忘れたらまた同じことをくりかえす。過去に起きた戦争や虐殺よりも恐ろしいことがひとつだけある。過去に起きた戦争や虐殺を忘却することだ。
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本書を(ノンフィクション大賞にノミネートされているから間違いないんだろうなあ)という理由で手に取ったことを集団思考の兆候だと責められている気分になった。笑 そもそも新書には扇動する思惑が丸見えなものが多く、それを避けるためにノンフィクション大賞を頼ったというわけなので許してほしい...
本書を(ノンフィクション大賞にノミネートされているから間違いないんだろうなあ)という理由で手に取ったことを集団思考の兆候だと責められている気分になった。笑 そもそも新書には扇動する思惑が丸見えなものが多く、それを避けるためにノンフィクション大賞を頼ったというわけなので許してほしい。イデオロギーの対極にいてかつこんな面白い本を紹介してくれる全国の書店員さんに感謝。 冗長さを感じるのと、ネトウヨに対して敵意を剥き出しすぎなことに引いてしまったが、帰結については全くその通りだと思う。虐殺を無くすため知ることを怠ってはならないし、知識を広げていかねばならない。でも、分が悪そう。
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歴史を直視し、考え続けなければならない。なぜなら私も同じ人間だから。今まさに起きていることを見つめるための本だ。
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人を殺すのは善でも悪でもなく、条件が揃った環境がそうさせる。では善と悪とは一体、何のために存在するのか。
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個々では善良な人々が集団化するとなぜ虐殺者になれるのか・・ 危機にさらされた人々の間で過剰な忖度が働くとシステムの暴走が始まる。 難しい問題ですね。民主主義が機能するためには参加者がそれぞれ良質な共同体に支えられていることが重要ですが、それが虐殺に至る集団に変化するとすれば何を頼...
個々では善良な人々が集団化するとなぜ虐殺者になれるのか・・ 危機にさらされた人々の間で過剰な忖度が働くとシステムの暴走が始まる。 難しい問題ですね。民主主義が機能するためには参加者がそれぞれ良質な共同体に支えられていることが重要ですが、それが虐殺に至る集団に変化するとすれば何を頼ればいいのでしょう。考えさせられるテーマです。
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超おもしろい本わず。 本屋で目に入り、クメールルージュについて読みたくて買ったんだけどパレスチナ問題の大まかな概要を初めて知れた。名前は聞くけど分かってないことばかりだ。 「私たちはもっともっと考えて、もだえ苦しんだ方がいい。」 共感できるしスッと読めるけど一読して理解しきれ...
超おもしろい本わず。 本屋で目に入り、クメールルージュについて読みたくて買ったんだけどパレスチナ問題の大まかな概要を初めて知れた。名前は聞くけど分かってないことばかりだ。 「私たちはもっともっと考えて、もだえ苦しんだ方がいい。」 共感できるしスッと読めるけど一読して理解しきれるものではないなぁ。難しい。読んで良かった。読みたい本と映画が増えた。
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ロングラン上映中の映画『福田村事件』の森達也監督。私が彼の名前を知ったのは20年以上前のこと、映画監督としてではなく、『放送禁止歌』の著者としてでした。小学校時代は何も知らずに過ごしていましたが、中学校に入って初めて同和地区の存在を知り、驚いたものです。そして大人になって『放送禁...
ロングラン上映中の映画『福田村事件』の森達也監督。私が彼の名前を知ったのは20年以上前のこと、映画監督としてではなく、『放送禁止歌』の著者としてでした。小学校時代は何も知らずに過ごしていましたが、中学校に入って初めて同和地区の存在を知り、驚いたものです。そして大人になって『放送禁止歌』を読み、また衝撃を受けました。本作もその衝撃再び。 映画『シティ・オブ・ゴッド』のことも思い出す。平然と殺戮を繰り返す少年たちには、自分が生きるためなら良い悪いもない。誰かの指示がなくても虐殺は起きる。ひとりひとりは優しいはずなのに。 映画『福田村事件』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/3187d9b6728d739fe4c1b7d72d7071c4 映画『シティ・オブ・ゴッド』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/eafdc78c8511a29e28d267849c87793d
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決して森の独創というわけではない 多くの知識人が考えてきたことを紹介し日本にわかりやすく当てはめてくれている本という気がする グレゴリースタントンの良識ある人々が虐殺に手を染めるまでの過程を書いた8項目 我々と彼らを分け、彼らを人間ではない存在に位置づけ、交わりを断ち、「攻撃に...
決して森の独創というわけではない 多くの知識人が考えてきたことを紹介し日本にわかりやすく当てはめてくれている本という気がする グレゴリースタントンの良識ある人々が虐殺に手を染めるまでの過程を書いた8項目 我々と彼らを分け、彼らを人間ではない存在に位置づけ、交わりを断ち、「攻撃に備え」、絶滅させる 中枢が空虚であるほど群れの暴走は激しくなる 現代は人類史上、最も暴力が少ない時代だとするスティーブン・ピンカーの『暴力の人類史』も読んでみたい ときどき再読し、日々のニュースを振り返ってみたい一冊
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