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未完の天才 南方熊楠 講談社現代新書2710
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2023/06/22 |
| JAN | 9784065326367 |

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未完の天才 南方熊楠
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商品レビュー
4
7件のお客様レビュー
読みやすかったです。水木しげる著の猫楠に次いで、南方熊楠に関する本を読みましたが、熊楠を何をしてきて、何を成し遂げなかったのか、分かった気がします。 彼のスタンスは、知を追求する人間として、幸せだと思います。 コンプリートすることや、立場、権力を持つこと、そこに知的な幸福はない...
読みやすかったです。水木しげる著の猫楠に次いで、南方熊楠に関する本を読みましたが、熊楠を何をしてきて、何を成し遂げなかったのか、分かった気がします。 彼のスタンスは、知を追求する人間として、幸せだと思います。 コンプリートすることや、立場、権力を持つこと、そこに知的な幸福はないでしょう。 その時、その場で、学び続ける事を選択し続けたのだと思います。おそらく、死の間際まで。 1人の人間として、職業としてではなく、権威やお金のためではなく、彼のように学び続ける先に、知的な幸福があることと思います。それは、誰にでもできるし、アマチュアでもできるんだと思います。
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とかくブッ飛んだエピソードで語られがちな天才・南方熊楠の人物像とその人生に関する伝記。表題にある「未完」の文字は、本書の終盤でちょろっと触れられるが――多少「取ってつけた感」が否めない――、この不世出の博物学者による学問的企図のなかには志半ばで終わったままになっているものも少なく...
とかくブッ飛んだエピソードで語られがちな天才・南方熊楠の人物像とその人生に関する伝記。表題にある「未完」の文字は、本書の終盤でちょろっと触れられるが――多少「取ってつけた感」が否めない――、この不世出の博物学者による学問的企図のなかには志半ばで終わったままになっているものも少なくないことに由来する(作者としては、熊楠は敢えてそうしたのだ、という見解)。とはいえ、本作で詳しく論じられている熊楠の業績や個性は、やはり傑出したものであり、決して「中途半端」なものではないことを一言添えておきたい。 個人的に面白かったのは以下の2点。一つ目は、南方熊楠自身は、なんと実はシティ・ボーイであり、尚且つ「南方家」の人間ではないという事実。熊楠といえば、勝手なイメージで「大自然の中で生まれ育った」と思われがちだが、実際は徳川御三家・紀州藩の城下町で彼は育った。そして更に、紀州藩の侍医の家系であった「南方」家には後継ぎがおらず、仕方なく頭脳明晰で有望な熊楠の実父が「養子」の形で当家に婿入りしたものの、本来の南方家の人間である妻がすぐに死去し、後妻として迎えられたのが熊楠の実母だった。つまり、父母ふたりとも、正式には「南方家」の人間ではなく、当然その二人から産まれた熊楠も同様。 もう一つ興味深かった記述は、熊楠がイギリス滞在中それから日本に帰国してからも、せっせと寄稿していた学術誌やジャーナルの内容が仔細に紹介されている箇所。今や世界的に有名な科学誌『ネイチャー』の寄稿論文はもとより、読者参加型であった学術誌(実際はそこまでアカデミックでもない)『ノーツ・アンド・クエリーズ』での質疑応答のやり取りまでもが、本書では解説・紹介されており、この部分が読んでて非常に楽しかった。後者のジャーナルは、当時の好事家・アマチュア達同士での意見交換の場というか、みんなで情報を交換し合う――そこには、多少の虚栄心が入り混じった衒学趣味もあったろうが――談論風発の場としても機能していた様子が窺われて、シンプルにその知的環境や雰囲気が羨ましく感じられた。学問分野が、今日のように極めて専門的かつ「タコツボ型(by丸山眞男)」になってしまう以前の、未だ総合的かつ間口の広い形を成していた頃を偲ばせるエピソードである。 新書としては、一部、かなり丹念に調査された内容になっている(前述した「投稿論文」のくだり)が、全般的には、「南方熊楠」の入門書として非常にキレイにまとめられている。語り口も難しすぎず、程良く学術的な言葉遣いになっていて、好印象。
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「キノコも夢も理想的で、もしかしたら、終わらないからこそ、熊楠はこれらを研究対象として選んだのかもしれない。そして未完であることによって、最後まで熊楠は充実した日々を送れたのであった。そこには、研究の完成はない。しかし、引退もなかった。それは研究者、いや人間なら誰もが夢見るような...
「キノコも夢も理想的で、もしかしたら、終わらないからこそ、熊楠はこれらを研究対象として選んだのかもしれない。そして未完であることによって、最後まで熊楠は充実した日々を送れたのであった。そこには、研究の完成はない。しかし、引退もなかった。それは研究者、いや人間なら誰もが夢見るような、幸せな人生ではないだろうか。」という結びがとても印象的。熊楠は、自分の知りたいをどこまでも追求した方なのだなー。
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