1,800円以上の注文で送料無料

檸檬先生 講談社文庫
  • 中古
  • 書籍
  • 文庫

檸檬先生 講談社文庫

珠川こおり(著者)

追加する に追加する

檸檬先生 講談社文庫

定価 ¥770

330 定価より440円(57%)おトク

獲得ポイント3P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2023/06/15
JAN 9784065317136

檸檬先生

¥330

商品レビュー

2.7

7件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/08/02

ー「少年、共感覚が全て正しい訳じゃないよ」ー 共感覚がテーマの一つとなる。それもあり作中様々な色と音が存在する。中には聞いた事のないような、しかし想像しやすいようになってる。共感覚としての感じ方を少しだけ共有できるような気がする。 主要人物の名前が最後まで明かされない。この世...

ー「少年、共感覚が全て正しい訳じゃないよ」ー 共感覚がテーマの一つとなる。それもあり作中様々な色と音が存在する。中には聞いた事のないような、しかし想像しやすいようになってる。共感覚としての感じ方を少しだけ共有できるような気がする。 主要人物の名前が最後まで明かされない。この世に何かを残したかった檸檬先生が名前さえ読者に残せないという残酷さ。世界と自分の感覚を無理やり二分させることが出来たからこそいつまでも世界に違和感があったかもしれない。 取扱いを凄く気をつけなければいけないなと思った。檸檬先生の終わり方の描写に美しささえ感じてしまった。凄く鋭利で瞬間的だからこそ読んでいる人の何かを刺激させるり

Posted by ブクログ

2024/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ふらっと立ち寄った書店に‘中高生ビブリオバトルで紹介された本’というコーナーがあり、中学生部門のうちの一冊にあった本作。特に内容紹介のPOPは無かったけど表紙に惹かれて購入。あとから気づきましたが『ブルーピリオド』の山口つばさ先生による装画。 かなりはっきりと賛否分かれそうな結末。 まず本作に登場するキーワードに「共感覚」という知覚現象がある。文字や音に色彩を感じたり、はたまた数字に味を感じたりする感覚の事で、色々なパターンが実際に確認されているらしい。一説によると23人に1人はこの感覚を持つともされている(出典不明)、本作主人公の〈私〉と〈檸檬先生〉も共感覚の保有者で、音に色彩を感じたり色に音が聞こえたり他者のもつ雰囲気に色が見えるという特性を持った人たち。 やはりというか、この共感覚を持っていることで周囲とズレが生じ、それぞれ対人関係に悩む描写が見られる。 もう一つのキーに「私たちの世界」(p239、304)について長い時間をかけて探索するという物語の縦軸がある。〈私〉も〈檸檬先生〉も、秘めた強さや衝動はちゃんと持っているけれど、ともすればパンッと消え入ってしまいそうな危うさ・儚さを抱えたキャラクターであり、足元がぐらついているという共通点はある。だからこそ自然に2人支え合って歩き始めるのだ、と言えるが、フラフラした2人が手を繋いだら余計に揺れが大きくなるというか、片っぽが寄りかかりすぎるともう片っぽに揺らぎを押し付けてしまいかねない危なっかしさはあると思う。 〈檸檬先生〉は気風の良い口調も相まって辛いこともハッハァ!と笑い飛ばせる磊落な人物に見える一方で、‘本当の自分’を全く他者に認識してもらえず自分が進む道すら自分で選べなかった事、自身の性的自認や性嗜好(そもそも檸檬先生に性別を当て嵌めるのが違うような気がする。p146〜の私との入浴場面や、私のクラスメイトの松尾さん=典型的な女子像との対照などより)の不安定さに失望・困憊し、「私は結局やっぱり透明だった」(p292)、すなわち「私たちの世界」に身の置き所を25年かけても見出す事が出来なかった為に最期、強硬な手段で‘そこへいた人達に’あまりに鮮烈で凄絶なシーンを焼き付けてその生涯に幕を下ろす。 本作は春夏秋冬四つの章から成るが、秋まではすごくのめり込んで読む事が出来た。やっぱり冬の章、あれだけカリスマの気風を漂わせていた檸檬先生が死を選択してしまうという終わり方はどうしても個人的には苦手だし、死なれてしまったらそれは反則というか、今まで何だったんだ感が拭えない。が、一方で‘他人に対して男とか女とか先生とか強いとか可愛いとか勝手にカテゴライズした気になるなよ’という、重い一撃のような主張を読者へ投げかけているのかもしれないと思いました。 元々の中学生のプレゼンを聞きたいなあ。 1刷 2024.7.2

Posted by ブクログ

2024/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少し長くなりそうですが… 共感覚、一つの感覚刺激から複数の感覚が呼び起こされること。 たとえば、文字や数字に色がついて見えたり、音楽を聴いた時に色彩が思い浮かんだりするらしい。 実は前者は私もあり、文字を見ると頭に色が浮かんできます。 この物語のように生活に支障があるほどではないですが。 そんな共感覚の話だとケンゴが紹介していて、とても興味を惹かれた作品です。 前半は少年へのいじめの加減がリアルで読むのがしんどかったですね。 そんな中でも檸檬先生と出会い、逞しく居場所を見つけて成長していく少年は幸せになってほしかったなぁ。 冒頭から先生が死んでいるので、そうなるんだろうなと思って読みながらも、やっぱりね… 随所にある、檸檬先生の艶やかな描写がこの本の魅力とラストの凄惨さをグッと跳ね上げていて、先生の間際の一言が深みを増します。 多くの色が出てきてそれらが効果的に使われていて良いスパイスになっているところもあるけど、私の感性では追いつけないところもありました。 今までには読んだ事のないタイプの一冊でした。 でも、最後に言うならここの学校の先生たちは何やってんだ笑

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品