1,800円以上の注文で送料無料

檸檬先生 の商品レビュー

2.4

5件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少し長くなりそうですが… 共感覚、一つの感覚刺激から複数の感覚が呼び起こされること。 たとえば、文字や数字に色がついて見えたり、音楽を聴いた時に色彩が思い浮かんだりするらしい。 実は前者は私もあり、文字を見ると頭に色が浮かんできます。 この物語のように生活に支障があるほどではないですが。 そんな共感覚の話だとケンゴが紹介していて、とても興味を惹かれた作品です。 前半は少年へのいじめの加減がリアルで読むのがしんどかったですね。 そんな中でも檸檬先生と出会い、逞しく居場所を見つけて成長していく少年は幸せになってほしかったなぁ。 冒頭から先生が死んでいるので、そうなるんだろうなと思って読みながらも、やっぱりね… 随所にある、檸檬先生の艶やかな描写がこの本の魅力とラストの凄惨さをグッと跳ね上げていて、先生の間際の一言が深みを増します。 多くの色が出てきてそれらが効果的に使われていて良いスパイスになっているところもあるけど、私の感性では追いつけないところもありました。 今までには読んだ事のないタイプの一冊でした。 でも、最後に言うならここの学校の先生たちは何やってんだ笑

Posted byブクログ

2023/08/14

本作『檸檬先生』のあらすじと感想になります。 共感覚という音や文字、物や人の一つ一つが色に見える感覚を持った小学生の少年は、とある日の音楽室で檸檬色の中学生の女の子と出逢う。自分と似た共感覚を持った女の子のことを少年は檸檬先生と慕うのだが…。 珠川こおりさん初読み作品になりま...

本作『檸檬先生』のあらすじと感想になります。 共感覚という音や文字、物や人の一つ一つが色に見える感覚を持った小学生の少年は、とある日の音楽室で檸檬色の中学生の女の子と出逢う。自分と似た共感覚を持った女の子のことを少年は檸檬先生と慕うのだが…。 珠川こおりさん初読み作品になりますが、ちょっと幾つか思う所があるので、ファンの方に不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません。 まず本作の構成ですが、プロローグに相当する1ページ半の部分は不要だと私は感じました。この1ページ半の存在が頭に残ったまま少年と先生の日常を回想されると、冒頭の展開はいつ来るのか?と春夏秋冬のエピソードが頭に入って来ず、惰性で読み進めてしまい、メッセージ性を読者は受け取りにくい結果に見えます。 むしろ277ページをプロローグにした方が純粋な少年と先生の気持ちを読み解こうと読者のモチベは上がり、春夏秋冬の良さが引き立つ気がします。その上での最後の展開は、きっと少年と読者に深い意味を持たせてくれるのでは?と感じますね。 と、久し振りの上から目線なコメントで失礼いたしました。

Posted byブクログ

2023/08/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

音や数字、人に色がついて見える「共感覚」。そういう世界があるというのを初めて知った。 少年は檸檬先生に救われたが、「先生」は苦しい人生の中で少年だけが救いだったのだろうと思う。檸檬先生は「共感覚」だけではなく、様々な環境ががんじ絡めになり、最後の選択をしたのだろう。もっと少年に救いを求めてもらいたかった…。

Posted byブクログ

2023/07/26

共感覚をテーマにしていると聴いて、手に取ったのですが、想像していた透明感のある雰囲気とは少し違っていて。所々に登場する官能的な表現に戸惑いつつ、何とか最後まで読めました。共感覚、持っている人にしか分からない感情があるのでしょうね。

Posted byブクログ

2023/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読む前、共感覚について私が持っていたイメージは、音や文字に色がついて見えるなんてスゴイ、どんな世界なんだろう、という憧れにも似た興味。 けれど、この本を読み始めてすぐ、それは違うのではと思わされる。そうか、文字や音に色がつくとは、そういうことなのか、と。 冒頭から、あらすじ読んで想像してたのとはちょっと違うのかも…?と衝撃を受ける。 途中、なんだかもわっとした気分に襲われつつ、主人公である“私(少年)”の変わっていく様にホッとしたりもするが、後半にかけて“檸檬先生”の心の機微との対比がちょっと苦しい。 共感覚という言葉は聞いたことがあって、でも詳しくは知らないから、それに惹かれて手にした一冊。 “普通とか普通じゃないとか”、多様性をフラットに受け入れるということは、自分自身まだまだだなぁと思わされる。そのあたりが、読了後のなんともいえない虚しさにつながっているのか。 小3の“私”の一人称視点でありつつ大人びている表現とか、“檸檬先生”に起こる結末のなぜとか、点と点が線に繋がりきらないようなところも、この作品の特徴なのか。 とにかくいろいろ考えさせられる本だった。

Posted byブクログ