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資本主義の次に来る世界
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資本主義の次に来る世界

ジェイソン・ヒッケル(著者), 野中香方子(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東洋経済新報社
発売年月日 2023/05/04
JAN 9784492315491

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2024/06/22

「成長」は自然な現象で、生物は成長する。 しかし、生物はある所まで成長・成熟すると、成長のグラフは水平になり健全な均衡状態を維持する。 資本主義経済は、増えた資本でさらに資本を増やす「成長」自体を目的としている。 経済学では「国がどれほど豊かになってもGDPは年々増え続けるべき...

「成長」は自然な現象で、生物は成長する。 しかし、生物はある所まで成長・成熟すると、成長のグラフは水平になり健全な均衡状態を維持する。 資本主義経済は、増えた資本でさらに資本を増やす「成長」自体を目的としている。 経済学では「国がどれほど豊かになってもGDPは年々増え続けるべきだ」という考え方が主流だ。 投資家は「成長」(私有財産を増やすこと)を追い求めている。 だから、資本主義での成長グラフは右肩上がりしか許さない。 だが、地球の資源には限界があるので、資本主義は社会を滅ぼす。 成長には限界がないとする経済理論が問題なので、成長限界のある経済に再編成する必要がある。 しかし、今だに成長主義への信頼が揺らぐ兆しはない。 世界の半分以上の人が「資本主義はいい事より悪いことの方が多い」と答えている。 主要な資本主義国の3/4が、「企業は腐敗している」と述べている。 大多数の人は現在可能な取り分を放棄してでも、将来の世代に資源を残そうとしている。 問題は残りの少数の人が、目先の利益のために共有すべき資源を存分に使うという選択をすることだ。 資本主義の中心的ロジックは、「与えるより多くを奪うこと」で、これが「成長」のメカニズムの土台になっている。 その結果が貧富の格差拡大と地球環境の破壊をもたらした。 資本主義の「成長」のためには、人間のニーズを満たさないようにすることが必要だ。 豊かに暮らすために必要な物にアクセスできるようになると、人々は新たな成長は欲しなくなる。 基本的な要求が満たされないようにするには、賃金を抑えて働き続けさせる仕組みが必要だ。 経済学者や政治家や投資家は常に経済成長を選び、奇妙な会計処理や社会システムを作り上げてきた。 経済成長を正当化するために、コスト削減・生産性向上・公的規制・法整備など並外れた努力を重ねて来た。 だが「全体の成長」が必要だと言う考えは、もはや意味をなさない。 誰にとっての、何のための成長かをはっきりさせる必要がある。 総収益の4分の1が億万長者の懐に入るような経済を受け入れ続けるのが良いのか。 GDPは資本主義が順調に進んでいるかを調べるために作られた指標だ。 この中に生態系の破壊というコストは含まれていない。 成長を必要としない経済への移行が必要。 本書では、どうすべきかのビジョンも具体的に示している。 1.計画的陳腐化を終わらせる(壊れやすく修理しにくい→買い替え) 2.広告を減らす(不安をあおり不安を解消→不用品の購入) 3.所有権から使用権へ移行 4.食料廃棄を終わらせる(厳しい賞味期限、見栄え重視、まとめ買いに誘導→大量廃棄) 5.生態系を破壊する産業の縮小 資本家は成長(私有財産)を生むために、コモンズ(公共の富)を搾取してきた。 脱成長の経済を創出するには、これを逆転させコモンズを復活させればよい。 コモンズ(公共の富)が豊かであれば、人々は成長を求めない。 図書館や公園のような公共施設の充実は豊かな時間を過ごすのに重要だ。 我々は長年資本主義を疑問視することは許されない社会で生きてきた。 だが、生態系崩壊の時代にあっては、この障壁を打ち破らなければならない。 資本主義に代わる新しい経済理論の確立が必要だと思う。 本書はそのための具体策を提示しているので議論を進める上で参考になるだろう。 私の読了後の感想は次のとおり。 ・「成長」追求主義の未来には絶望が見える。 ・「脱成長」の未来には希望が見える。

Posted by ブクログ

2024/06/18

食料危機に備え昆虫食が研究されているが、その昆虫の数も減少している。 昆虫は植物の受粉と繁殖に欠かせない。有機廃棄物を分解して土に変えている。他の数千種の食料にもなっている。 昆虫の減少は鳥の激減をもたらした。ある種の絶滅が別の種の絶滅を導く「連鎖的絶滅」が懸念される。陸だけ...

食料危機に備え昆虫食が研究されているが、その昆虫の数も減少している。 昆虫は植物の受粉と繁殖に欠かせない。有機廃棄物を分解して土に変えている。他の数千種の食料にもなっている。 昆虫の減少は鳥の激減をもたらした。ある種の絶滅が別の種の絶滅を導く「連鎖的絶滅」が懸念される。陸だけの話ではない、世界中で漁獲高も減少している。 生態系の危機は、気候変動がその一因となるが、気候変動は成長を止めない資本主義社会の自然開発という名の自然破壊がもたらしたもの。科学者は既に「プラネタリー・バウンダリー」を大幅に超え、生物界に破壊的な影響を及ぼしていると指摘。そしてそれは人間に戻ってくる。 進むべき道は「脱成長」。生物はあるところまで成長すると、健全な均衡状態を維持する。同様に成長が不要な社会を模索する必要がある。 そのためには自然と人間を切り離す二元論の思考から、人間は他の生物や自然とつながっているというアニミズム(精神信仰)に回帰する必要がある。アニミズムは時代遅れどころか、物理学、精神医学、生態学、量子物理学など科学がやっと追いつきつつある概念なのだ。 自然は人間と切り離された「外」とし、人間に対峙するものとする二元論的存在論には未来はないであろう。豊かな生というものを想像すればいい。人間は、絶妙なバランスの中の一つの生き物でしかないのだから。

Posted by ブクログ

2024/06/02

地球を破壊し続けている人間の傲慢さと愚かさを思い知るとともに、未来の子どもたちの為に何ができるだろうか、と考えるきっかけをもらった。自分の頭の中を整理したく、内容を簡単にまとめる。 今、地球は破滅へと向かっている。 さまざまな生物が絶滅している。また、気温上昇により、自然災害が...

地球を破壊し続けている人間の傲慢さと愚かさを思い知るとともに、未来の子どもたちの為に何ができるだろうか、と考えるきっかけをもらった。自分の頭の中を整理したく、内容を簡単にまとめる。 今、地球は破滅へと向かっている。 さまざまな生物が絶滅している。また、気温上昇により、自然災害が起き、多くの犠牲者が出ている。同時に、海面上昇により、海岸地域の多くが海面下に沈み、頻繁な洪水や高潮をもたらすようになることが予想される。さらに、食料にも影響を及ぼし、氷河が補充されるより速く溶けていくため、水が足りなくなる。また、主要作物の生産量も減少する。食料不足に陥った地域では大量の難民が発生する。 原因は「資本主義」という経済システムである。 資本主義は、経済の成長に依済している。テクノロジーは、生態系の崩壊を防ぐには欠かせないが、問題解決にはならない。結局、テクノロジーにより効率が向上した後も、ますます成長を追い求めるサイクルに陥ってしまうから。つまり、成長が問題なのだ。 「脱成長」にこそ地球の未来がある。 脱成長とは、経済の物質・エネルギー消費を削減して生物界とのバランスを取り戻す一方で、所得と資源をより公平に分配し、人々を不必要な労働から解放して繁栄させるために必要な公共財への投資を行うこと。 現代では、計画的陳腐化と激しい広告で、人々の購買を過剰に促される。家電が長持ちしないのは、わざと早く壊れるように設計して、買い替えを促すため。なんということだ。 資源の大量消費を止めるためには、計画的陳腐化を止めて、広告を減らす必要がある。また、購入でなくリースや共用にしたり、食品廃棄を防ぐために、廃棄を禁止や廃棄料の徴収するなども効果がある。 そして、人間がアミニズムの思想を失い、人間以外のものを資源と捉えるようになったことも、大きく関係している。 人間は特別な生き物だと勘違いし、目先の利潤だけを追って、地球を破壊し続けた結果は、いつか自分たちに返ってくる。 以上。 前半で絶望的な気持ちになったが、後半で希望も与えてくれた。やっぱり諦めちゃダメだよね。しかし、小さな取り組みではもう間に合わない、根本的な改革が求められている。現代に生きる人間としての責任だと重く受け取った。

Posted by ブクログ

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