最新研究 医学博士が解きあかす！アンチエイジングの仕組み

日置正人(著者)

• 販売会社／発売会社: オールズバーグ/扶桑社
• 発売年月日: 2023/04/25
• JAN: 9784594094539

商品レビュー

2025/06/16

この書籍は、美容皮膚科医である医学博士・日置正人氏が提唱する革新的な老化理論「**エイジングスパイラル理論**」を中心とした、科学的根拠に基づくアンチエイジング指南書です。著者は従来の「活性酸素によるミトコンドリアDNA損傷蓄積説」とは異なり、**ミトコンドリアの減少とそれに伴うエネルギー不足こそが老化の根本原因**であるという新たな視点を提示しています。老化と病気の関係を「モグラたたき」に例え、病気（モグラ）を叩くだけでなく、老化という「台」そのものの上昇を止めることの重要性を強調しています。

ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場として、解糖系（2ATP）の約18倍効率的な呼吸系（36ATP）でエネルギーを生産します。著者は、ミトコンドリアが**TCA回路で意図的に炭酸ガスを生成し、これが赤血球による酸素供給の「目印」として機能する**という独自の仮説を展開しています。損傷したミトコンドリアは自然淘汰により消滅し、残存するミトコンドリアの数的減少がエネルギー生産能力の低下を招き、細胞レベルでの「省エネモード」移行を引き起こすと説明しています。

**エイジングスパイラル理論**の核心は、ミトコンドリア減少→エネルギー不足→生産調整（省エネモード）→活動機能低下→炭酸ガス生産減少→酸素供給低下→さらなるミトコンドリア減少という負の連鎖構造にあります。このスパイラルには複数の加速要因が存在し、**低酸素状態**（循環不全、動脈硬化、呼吸器疾患等）、**糖質過剰摂取**（特に高ブドウ糖+低酸素の組み合わせ）、**栄養不足**（ホルモン、酵素、コラーゲン生成に必要な材料不足）が主要な促進因子として働きます。これらの要因は相互に関連し合い、経済のデフレスパイラルと類似した複雑な悪循環を形成します。

エイジングスパイラルからの脱出には、**低ブドウ糖と高酸素の条件**下でミトコンドリアの新生を促すことが不可欠です。酵母菌実験で実証されたように、ミトコンドリアは環境に応じて増減する能力を持っており、これを活用したアプローチが有効とされています。著者はアベノミクスの3本の矢になぞらえ、①**金融緩和**（カロリー制限・有酸素運動によるミトコンドリア強化）、②**財政出動**（全身血流改善・インナーマッスル強化）、③**成長戦略**（ファイトケミカル摂取による細胞機能向上）の同時並行実施を提唱しています。

**食事面**では、低糖質・低脂肪・高栄養素かつ低カロリーを基本とし、GI値の低い食品選択、16時間の空腹時間確保（朝食抜き）、野菜中心の食事パターンを推奨しています。デザイナーズフードピラミッドに基づく**ファイトケミカル豊富な食材**（ニンニク、タマネギ、ブロッコリー等）の積極摂取により、カロリーをほぼ増やすことなく細胞機能の向上が期待できるとしています。サプリメントは病気治療ではなく「老化の台の上昇速度を緩める」ツールとして位置づけられています。

**運動面**では、息切れしない程度の**有酸素運動**が最重要とされ、特にヨガや太極拳などの**インナーマッスル強化運動**が推奨されています。心臓筋のように疲労しにくいミトコンドリア系運動の特性を活かし、収縮と弛緩を繰り返す動作による全身の酸素濃度向上を目指します。鳥の羽ばたき運動（肩甲骨間筋肉強化）やマグロの遊泳法（腹式呼吸）からヒントを得た独創的な運動法も提案されており、内臓を含む全身のミトコンドリア強化を包括的にアプローチする革新的な老化対策理論として構築されています。

2024/09/03

ミトコンドリアが良い理由が1-4章まで記載、5-6章はそこからわかるやった方が良いことなどが列挙されている。

最終的に落ち着く理論はかなりシンプルで他でも見たことあるような内容。ミトコンドリアまでのレベルにまで行くと、関係のない行動や活動というのはないのではないだろうか。

一般人には、細胞レベルでの知識はあまり必要ないのかもしれない。

2023/04/25

健康であろうとすると、細胞の中の発電所であるミトコンドリアを意識することになる。断片的な知識は得ているが、深掘り情報がまとめられた本書で理解をより深めたい

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#日置正人
23/4/25出版

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