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水を縫う 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2023/05/19 |
JAN | 9784087445213 |
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商品レビュー
4.2
176件のお客様レビュー
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「自分と違うやりかたを選ぶ人を否定するような生きかたを、僕はしない。したくない。」 『夜明けのはざま』を思い出す。家族それぞれが世間一般の「らしさ」に縛られ息苦しく生活している中で、ふとしたきっかけで、すこし前向きに明日へと向かう。 「らしさ」の押しつけは愛情ゆえの場合もある。逆に押し付けられないことに愛情の欠落を感じたりもする。家族であっても、家族だからこそ、言葉にしないと伝わらないことがたくさんある。きっかけになるのは、やはり対話。 「自分に合った服は、着ている人間の背筋を伸ばす。服はただ、体を覆うための布ではない。世界と互角に立ち向かうための力だ」 「自分にあった服」は「自分らしさ」でもある。これは水青のウエディングドレス姿であり、そのドレスを作り上げた全の姿でもあったと思う。
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家庭の中の、様々な交錯する想いがリアルに息づいていた。穏やかに読み進める中で「失敗する権利」というフレーズに、その権利を人から奪わないためには、自分の不安と向き合わなければいけないと思い改めるものだった。
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刺繍をすることが好きな男子高校生、清澄(きよか)は迷った末始業式の自己紹介でもそれを話した。中学ではそれが仇となったが、高校ではちゃんと友達ができた。 別に女々しいわけでもない、ただ「刺繍」が好きなだけなのに、母は自分に男の子らしいスポーツをやらせたかったらしい。 姉の水青(みお)は高卒で塾の事務をしている。紺野さんという優しい婚約者がいて、結婚式はしないつもりだったのに、姑に「結婚式は絶対。ウエディングドレスでお披露目を」と言われているが、「かわいい」に嫌悪感を持っている。 かわいいもふわふわもキラキラもいらない。どのドレスも気に入らない。 実は、昔いつも親が迎えに来ていた夜道を一人で帰った時変質者にスカートを切られた「かわいいね」と言って。触られたりはしていないことから警察もうごいてくれず「かわいい恰好してるから」と言われた。 そこから彼女のなかの「かわいい」は嫌悪の対象でしかない。 ドレス選びに困っていると、清澄が 「ドレス、俺が作っていい?」と言い出した。 もちろん、なんの知識も技術もない清澄がドレスを作るなんて大変すぎる。 祖母は裁縫に長けていたがそこまでではない。 母は公務員で一人で一家を養っていている。手芸なんてやったことはない。 父とは離婚。養育費を父の雇い主の黒田さんが月に1回もってきてくれるのを清澄が受け取っている。 物語は、 1章が清澄、2章が水青、3章が母、4章が祖母、5章が父・・と思いきや黒田さん。そして最後の6章が清澄の目線で進む。 ここに、黒田さんが入るのがポイントだと思っている。 父、全(ぜん)はふわっとしていて、おそらく一般的な思考回路にはなさそうな人。実は全も服作りがものすごく好きすぎる人生だった。だが、彼はデザイナーになれず、アパレルの営業となり、そのころ結婚する。 なのに、頭の中は服のデザインしかない。子供をあずけていてもそれしかなくてあわや清澄が死にかけたときに、離婚を決断した。 そして黒田さんが新しい会社を作る時、そこにデザイナーとして就職した。 が実際、全の作る服で黒田さんの会社が潤うことはない。その部門をやめた方がいいともいわれている。が、黒田さんはやめない。 黒田さんは結婚していない。子どももいない。 月に1回会う清澄の成長がうれしい。本当の子どもではないし、そういった交流はないけど、全に見せるために撮る写真は黒田さんのスマホのカメラロールにたまっていて見ていると泣けてくるほど。 祖母も好きなものはあった。でも時代が好きなことをさせてもらえなかった。夫は厳格だった。 家族でプールに行って、さぁ自分も!と思ったら夫に「みっともないからお前は水着にならずプールサイドにいろ」と言われた。本当は入りたかった。 今、 お友達とプールにいくようになった。もう、好きなもの、やりたいこと全部やれるようになった。 ブックカバーの後に「家族小説」と書いてあったけど、そうじゃないと思う。 これは、 好きなものを、好きだと言おうぜ! って話だと思った。
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