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無限角形 1001の砂漠の断章
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無限角形 1001の砂漠の断章

コラム・マッキャン(著者), 栩木玲子(訳者)

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無限角形 1001の砂漠の断章

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2023/05/01
JAN 9784152102300

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無限角形 1001の砂漠の断章

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商品レビュー

4.9

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2026/02/20

イスラエル・パレスチナ問題を題材にした作品。推察と記憶、事実と想像、現実と幻想を織り交ぜたハイブリッド・フィクション。「占領に反対する」イスラエル人ラミと「ホロコーストを学ぶ」パレスチナ人バッサム。彼らに共通するのはともに子を失ったこと。ふたりの物語を柱として神話や史実、文学、音...

イスラエル・パレスチナ問題を題材にした作品。推察と記憶、事実と想像、現実と幻想を織り交ぜたハイブリッド・フィクション。「占領に反対する」イスラエル人ラミと「ホロコーストを学ぶ」パレスチナ人バッサム。彼らに共通するのはともに子を失ったこと。ふたりの物語を柱として神話や史実、文学、音楽、政治と多岐に渡る何の脈絡もないような1001のナラティブを繋ぎ合わせて物語は紡がれる。語ることを止めた先に死が待つ『千夜一夜物語』のように。紡がれた物語は遠くから眺めれば限りなく円でありながらも近くに寄れば多数の鋭利な角がある。 説教めいたものもなければ教訓めいたものもない。あるのは日々の人々の営みとナラティブ。断続する「偏見をやめろ」が耳に残る。良作。

Posted by ブクログ

2025/05/16

ノンフィクションでありながら、フィクションでもあるというハイブリッドフィクションという試みで語られる本作。 1000以上の細かな断章によってパレスチナ人であるバッサム・アラミンとイスラエル人のラミ・エルハナンの人生が語られていく。 2人の共通点は子どもを失ったということ。 199...

ノンフィクションでありながら、フィクションでもあるというハイブリッドフィクションという試みで語られる本作。 1000以上の細かな断章によってパレスチナ人であるバッサム・アラミンとイスラエル人のラミ・エルハナンの人生が語られていく。 2人の共通点は子どもを失ったということ。 1997年、イスラエル人のラミ・エルハナンの13歳の娘スマダーはパレスチナ人による自爆テロで娘が巻き込まれ亡くなってしまう。 それから10年後、パレスチナ人のバッサムも10歳の娘アビールを失ってしまう。イスラエル人兵士がお菓子を買いに来たアビールの手に武器が握られていると勘違いして頭部をゴム弾で撃ったのだった。 2人は共に怒りを抱きもするのだがイスラエル人、パレスチナ人関係なく子を失った『親の会』なるものに参加し、共に自らの体験を語っていく。2人はその後、様々な場所に呼ばれるようになる。 作者はアイルランド人作家のコラム・マッキャン。 本書は批判もされており、特にパレスチナの苦難を美談化しているという批判は多かったという。 しかし、それでも本書は一面的ではない。そこで暮らす人々の現実を複雑さをもって語っている。力強く、かつ美しい作品であった。 特に中盤に差し込まれるラミ・エルハナンとバッサム・アラミンそれぞれが実際に語った講演の内容は特に素晴らしかった。 本書が出版されたのは2020年2月で、イスラエルによるパレスチナへの攻撃が激化する前だ。 バッサム・アラミンとラミ・エルナハンのその後はどうなったのか気になり調べると、2人は現在もさまざまなイベントで話しているようだ。 対立が激しくなったあの出来事以降、より精力的に発言の場に登壇しているとのこと。

Posted by ブクログ

2024/11/20

図書館で予約したので取りに行ったらあまりのぶ厚さに返却したくなった。 1001の断章からなる本書は今までに読んだことのない風変わりなプロット。バッサムとラミの本題の他に、歴史上の事実や、著名人の話、渡り鳥の話、綱渡りのパフォーマーや劇作家の話など、一見関係なさそうな話がちょこち...

図書館で予約したので取りに行ったらあまりのぶ厚さに返却したくなった。 1001の断章からなる本書は今までに読んだことのない風変わりなプロット。バッサムとラミの本題の他に、歴史上の事実や、著名人の話、渡り鳥の話、綱渡りのパフォーマーや劇作家の話など、一見関係なさそうな話がちょこちょこ挟まれ、その間に過去の同じ場面が何度も回想される。 脈略なんてなくて、章ごとに1人称と時代がコロコロかわっていく。 訳者あとがきに、「我慢して(?)ページを繰るうちに、ちょうど映画のカメラが後退して少しずつ視野が広がるように、いつしか全体像が見えてくるのが本書の醍醐味。」と書いてあって、まさに我慢して読んでいたので笑ってしまった。 読者は与えられたパーツを使って自身の無限角形を作っていけばいいらしい。 とは言え、読み終えてやっぱり無駄な章は多く感じたけど、とにかく入念に調べた結果を余すところなく組み込んだんだろうなという印象。 バッサムとラミの悲劇を、パレスチナとイスラエルの問題だけでなく、色んな角度から俯瞰してみることができる。 感動したのは、ラミはもちろん、他にも占領政策に反対するイスラエル人がチラホラ存在していたこと。そして、パレスチナ人のバッサムがナチスのホロコーストを学んだことによりイスラエル人もまた犠牲者なのだと悟り、法廷で娘を殺したY・Aに「犠牲者は君だ。私ではない。」と言った場面は特に胸が熱くなった。 大半の人が復讐が正義だと思っていて聞いてくれないかもしれない。でもバッサムとラミのように平等を訴え続ける人が彼らの心を動かして、暴力では永遠に解決にならないということを理解してもらえることを願う。

Posted by ブクログ