指名なし討論入門

三好真史(著者)

• 販売会社／発売会社: フォーラム・A企画
• 発売年月日: 2023/03/20
• JAN: 9784867081075

商品レビュー

2025/05/03

指名なし討論を学び直したい時に。
漫画もあって読みやすい。

１指名なし討論の流れ
①教材について知る
②教師が発問する
③立場を明らかにする
④自分の考えを書く
⑤ペアやグループで話し合う
⑥人数の少ない立場の人が発表する
⑦人数の多い立場が発表する
⑧自由に討論する
⑨討論をまとめる
10感想を書く
ペアやグループで話し合うと、自分の意見に自信を持てるし、もうすでに発表しているわけだから、全体発表の時にもハードルが下がる。自由に討論する時間も必要。質問、反論がある人は自由にどうぞ、のように言うのかな。ギリギリまで言わせたいと思ったとしても、５分前には終えて、教師の考えを述べたり、感想を書かせたりする時間をとる。

２譲り合いができない時、どうするか
ゲーム性を持たせて、その中でテンポよく発表するリズム感を身につける。
①班で順番数え
班の中で１から１０まで数えます。順番を決めずに、自由に立ち上がって数をいいます。他の人と重なってしまったら、もう一度１から始めます。うまくできるようになったら、１０以上でどこまで出来るかに挑戦します。
②班で指名なし音読
班の中で詩を一行ずる読み上げていきます。他の人と重なってしまったら、もう一度初めから読みます。
③班で指名なし発表
班の中で指名なし発表をします。順番は決めずに、自由に立ち上がって発表します。１分間で何回発表できるかを数えます。あかいものといえば？など。
④号車対抗指名なし音読
１号車から順に１人が教科書の文章を１行ずつ読みます。他の人と重なったり、５秒間誰も言わなかったりしたらアウトです。
⑤号車対抗指名なし発表
１号車から順番に１人ずつ指名なし発表をします。他の人と重なったり、５秒間誰も発表する人がいなかったりしたらアウトです。大きいものといえば？など。
⑥半分対抗指名なし音読
教室を半分に分けて、廊下側チームと窓側チームで交互に指名なし音読をします。他の人と重なったり、５秒間誰も音読しなかったりするとアウトです。
⑦半分対抗指名なし発表
⑥の発表バージョン。丸いものといえば？
⑧指名なし発表タイムアタック
全員で指名なし発表をします。全員発表できるまで、どれくらい早い時間でできるでしょうか。他の人と重なっていってしまった時には、もう一度言い直しましょう。テーマは「好きな食べ物です」時間を測ります。
⭐︎めちゃめちゃ細分化されている。リズムが悪いことを覚えると、授業がドヨンとした感じになる。テンポのいい発表の仕方を体感させたい。

３指名なし討論が浅い、を改善するには
①自分の意見を書かせた後、ペアやグループで発表させる。
これも発表して終わりではなく、自分の論の弱いところを補強させる。
②人が発表している時、メモを取らせる。
誰が何を言っているのかをメモさせる。プラス、疑問や反論がメモできると尚いい。
③知的な言い方をしている子を褒める。
これもとても具体的。２の後にやってみたい。

2023/12/28

討論だからこそ学べるものがある。

例えば、反論を受け入れる態度や、筋道を立てて説明する力、言葉を精選する力等。

本書では、指名なし討論をどう始めていくと良いかが、漫画と大変読みやすい文章で書かれている。
実践したことのない人にとって、成る程そういうものか、こんな手順で始めていけば良いのか、と学べる一冊。

私が気になるのは2点。
・反論を受け入れられない子（ここ数年増えている感覚がある）への対応
・お客さんとなる子へのフォロー（本書でいくつか示されているが、不足していると思う）

上記の2点は、実践する中で必ずといって良いほどぶつかる壁ではないだろうか。
しかしながら、本書はあくまで「入門」である。
また、実践しながら自分で対処法を考えるのも必要な過程だと思う。

自分なりにさらに噛み砕き、実践を重ねていきたい。

2023/03/27

わかりやすく、あっという間に読めた。

最後の「指名なし討論はあくまで発表方法であり、目的ではない。」
この一文を忘れてはならないと思った。

まさに入門として始め方やコツが書かれているので、取り入れられそうな時、子どもの学びの効果をあげるために取り入れてみたい。

見た目の凄さのためにやるのではないという自戒を込めて