世界でいちばん透きとおった物語 新潮文庫nex

杉井光(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2023/04/26
• JAN: 9784101802626

商品レビュー

2024/07/17

「紙の本でしか味わえない感動」と言われると、「あぁはいはい、そういうことでしょ？」と思うかもしれません

おそらく、半分ぐらいは当たるかと思いますが、狂気といっても差し支えない程の仕掛けにきっと驚くと思います。

スラスラ読めて、仕掛けに驚かされる。

このお値段でこの感動ならとても良いと思いました。

2024/07/16

確かに紙の本でなければ作者の意図を表現しきるのは難しいだろうと思いました。

京極夏彦さんの本の体裁への拘りの件を読んで、もう一度本を見直してしまいました。
そして、タイトル通り『世界でいちばん透きとおった物語』でした。

2024/07/16

「世界でいちばん透き通った物語」を読みたくて、一気に読了してしまった。想像していた物語ではなかったけれど、確かに紙の本だから味わえる面白さだった。
巻末の「　　　」にはどんな言葉が紡がれるのだろう。

本来の筆者の執筆動機が、愛というより、贖罪の意味合いが強かったのだろうと思う。宮内の私生活の荒れぶりは全くもって不快極まりないものだった。だから、自分がすてた女性に対して、少しはまともな面を垣間見られるのかと、どんなに綺麗な物語なのだろうと期待してたら、遺作の内容は恋愛ものでもなんでもなかったというところにももやもやが残った。私の中で宮内は宮内のままで終わってしまい、美化することもできず、宮内の行いに対しては、この物語の中に救いはなかったと個人的には思う。この物語で救われたのは主人公だけだった。
個人的には、期待感を消化しきれない読後感だった。