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台湾漫遊鉄道のふたり Chizuko & Chizuru's Taiwan Travelogue
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2023/04/20 |
| JAN | 9784120056529 |

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台湾漫遊鉄道のふたり
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商品レビュー
4.2
178件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ラノベ感が林芙美子ぽいなあと思いながら読んでいって(浮雲)、西川満のタイトルが出てきて!ってなって、おいおいなんなんだと思いながら読んでいくと種明かしが!!でした。入子構造は日本語訳の時点で外れちゃっているわけなんだけど。昭和45年の額縁が素敵。 祖父の外地文学愛は祖父の昭和前期の体験とどうつながっていたんだろう。1990年代後半から2000年代初め、最晩年100歳前後の祖父は、復刊される外地文学関連の本を必死になって買い集め、読んでいた。ごくゆっくりと、飴をなめるように。思い出される。
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台湾の食べ物と景色、そして歴史的背景。 台湾好きにはたまらない物語だった。 主人公と秘書の2人の関係、どう発展するのだろうと想像しながら読み進めた。2人のバイタリティが頼もしく、食べ物の描写も細やか、ガイドブックではないが、台湾に行きたくなる物語だった。
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これは1938年の台湾を舞台としている。 日清戦争で台湾が日本の植民地となって50年近くが経ち、前年に盧溝橋事件が起きて日中戦争が始まり、台湾住民に対する皇民化運動が強まりつつあった時代。 日本で作家として活動する青山千鶴子は自作が映画かもされ、大ヒット。その講演会ツアーと取材を...
これは1938年の台湾を舞台としている。 日清戦争で台湾が日本の植民地となって50年近くが経ち、前年に盧溝橋事件が起きて日中戦争が始まり、台湾住民に対する皇民化運動が強まりつつあった時代。 日本で作家として活動する青山千鶴子は自作が映画かもされ、大ヒット。その講演会ツアーと取材を兼ねて台湾を訪れる。青山千鶴子は自他共に認める果てしない大食漢。台湾の役所が用意した休む間もない講演会の連続と、台湾ならではの地の料理が食べたいのに、内地(日本)と変わらない料理が用意される事にうんざりし、たまたま知り合った日本語が堪能な本土人の女性千鶴を専属の通訳兼秘書として、台湾漫遊の生活を始める。 千鶴子はいつも何か美味しいものを、高級な料理ではなく、市井の人たちが食べている地の食べ物を求める。千鶴は台湾に生まれ育った地の利を活かして千鶴子に尽くす。千鶴は妾の家に生まれ、会ったこともない内地人との結婚が決まっている。千鶴子は皇民化運動や男尊女卑に批判的で、千鶴をそんな境遇から救い出したいと願い、千鶴の方も千鶴子を慕うが、そこにはいつも越えられない溝がある。千鶴の笑顔はその本心を隠す能面のように千鶴子には思えてくる。千鶴との間にある溝の理由はなになのか。 読んでいくと少し違和感を感じる。それは、架空の小説であるはずの本書が、実在の人物の紀行文であるかのように思えてくるからだ。 度々挿入される注釈が、この作品が青山千鶴子の書いた「台湾漫遊録」というタイトルである事を示していたりするからだ。 実はこの作品は青柳千鶴子が書き、日本で出版された「台湾漫遊録」を、戦後にその養女である女性が再出版、亡母の遺志に沿って台湾にいる千鶴に渡し、千鶴が中国語に翻訳したものをその娘が母の死後に自費出版したという設定なのだ。 なので、千鶴子の娘、千鶴、その娘がそれぞれあとがきを書いている。 もちろん日本で出すにあたって再度(というか実際には初めて)日本語に訳されている。 台湾で出版されたときには、実際にそういう経緯を経た作品であり、日本統治時代の日本人と台湾人の関係を示す史料だと誤解されてしまったほどに、日本統治時代の台湾の庶民の暮らしがリアルに描かれており、それこそが作者である楊双子の狙うところらしい。 ただその設定を真実と誤解してしまうほどに台湾の人たちにとってはこの作品がリアルに描かれているのであろう。そして、そこには日本統治時代に対する郷愁であったり、怒り、悲しみも生まれてくるからこそ読まれたのだろう。 ただ日本においてはどうか。 この作品が書かれている時代の台湾と日本の関係をどれだけ知っているというのか。 台湾に限らず、かつての日本による植民地政策に対して、必ずしも否定的でない意見が出ることがある。典型的なものは「いい事もした」、「その国の発展には役に立った」というものだ。 それがいかにエゴイスティックな考え方でしかないのかという答えもこの本には書かれている。 日本においては、郷愁ではなく、気づきの本として読まれてほしい。
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