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海の仙人・雉始ナク 河出文庫
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海の仙人・雉始ナク 河出文庫

絲山秋子(著者)

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海の仙人・雉始ナク 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2023/02/04
JAN 9784309419466

海の仙人・雉始ナク

¥440

商品レビュー

4.2

8件のお客様レビュー

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2024/02/10

「海の仙人」は、爽やかな、研ぎ澄まされた言葉で語られた、ユーモラスな要素もあって味わい深い小説でした。 「雉始雊」もシンプルな物語で、自然の描写が美しく、最後の展開に驚きました。 良い本でした。

Posted by ブクログ

2024/01/14

「ファンタジーがやってきたのは春の終わりだった」 なにこれ?冒頭の一文からグイっと心にきた。 ファンタジーというのは神様。姿は(借り物らしいが)40歳くらいの日本人っぽくないオッサン。 主人公、河野勝男は敦賀の海辺に一人暮らし、仕事も結婚もせず、釣りをしたり、農園を借りて野菜...

「ファンタジーがやってきたのは春の終わりだった」 なにこれ?冒頭の一文からグイっと心にきた。 ファンタジーというのは神様。姿は(借り物らしいが)40歳くらいの日本人っぽくないオッサン。 主人公、河野勝男は敦賀の海辺に一人暮らし、仕事も結婚もせず、釣りをしたり、農園を借りて野菜を育てたりしている。宝くじで3億円当たったから、性に合わなかった会社も東京暮らしもやめ、大好きな敦賀でのんびり暮らしているのだ。家の中に砂浜の砂を入れて部屋を砂浜状態にもしていた。  河野が砂浜にいる時、突然ファンタジーが目の前に表れた。ファンタジーは神といっても 「俺は大したことないぞ。大体、神というものは何もしないのだ」 「俺様はそんな都合のいい神ではないぞ。奇跡だってあまり上手くない。せいぜいが孤独なものと渡り合うくらいだ」 「俺様のことは野次馬だと思ってくれ」 とファンタジー自身が言うように「役立たずの神」である。 河野の家で一緒にお好み焼きを食べ、風呂にも入り、河野のアロハシャツを借りて着ていた。 全く普通のオッサンみたいなのだが、それが見える人にしか見えないのだ。 ある日、河野の車でファンタジーと出かけているとき、目の前でジープが左折してきた。ファンタジーは「飛び出せ」と言った。河野は飛び出さなかったが、ファンタジーは「今、お前さんの運命の女が走ってきた。ぶつかれば縁になったのに」と言った。河野は「アホか」と言ってその場は終わったが、後日、その女の人と浜で会った。 敦賀が好きで、海が好きで、本が好きで、河野が作る料理が好きで…とても気の合う綺麗なその人の名はカリン。だけど、キャリアウーマンで会社では課長でしょっちゅう転勤している忙しい人だった。河野は大好きな敦賀を離れられないので、月に1・2度しか会えなかった。 もう一人の女の人も登場する。それは河野が会社で一番仲の良かった片桐。片桐はいつも親身になって河野の相談にのってくれるのだけれど、河野は片桐を女として見ることは出来ない。片桐は何人かの男性と付き合っているが、本当は河野のことが好きだった。河野と片桐とファンタジーで、日本海側を敦賀から新潟までドライブに行くシーンがあり、途中で泊まるところがなくてラブホテルに泊まったりするのだが、ファンタジーがいるから全く何も起こらない。けれどファンタジーは他の人には見えないから(河野と片桐には見えている)端からみたらカップルに見えるというのがなんともおかしい。片桐は河野にとって何でも打ち明けられる都合の良い親友だった。 ロマンスでもあり、三角関係のドラマでもあるのだが、ファンタジーがいるから、この小説はファンタジーなのだ。パステルカラーでマシュマロのようにフワフワしたファンタジーが間に入ってくれているから、小説そのものが「大人のファンタジー」になっている。 河野という30代の男が一人で世捨て人のように(仙人のように)敦賀の海辺でのんびり暮らしていること自体が「ファンタジー」であるが、河野にはずっと背負っている自分の過去があり、それが原因でカリンを抱けずにいた。 誰にも言えない自らの汚い過去や今の仕事の重圧などを背負って、人間は本当は孤独でいる。「ファンタジー」はあまり役には立たないけれど、そんな人間(動物のときもある)に寄り添ってくれている。(ということに最後は気づくのだ) 読んだことのない種類の美しい小説だった。

Posted by ブクログ

2023/12/27

自分を尊重し、他者も同等に扱う。 一見冷たく見えるが、その奥には深い愛が横たわっている。 姿は見えない、でもそこに居る。ふとした時に現れる。それがファンタジー。自分の”想像”のことなのかな?いつもふんわり想像する。だけどたまに、本当に目の前の現実と置き換わってしまうような、想像が...

自分を尊重し、他者も同等に扱う。 一見冷たく見えるが、その奥には深い愛が横たわっている。 姿は見えない、でもそこに居る。ふとした時に現れる。それがファンタジー。自分の”想像”のことなのかな?いつもふんわり想像する。だけどたまに、本当に目の前の現実と置き換わってしまうような、想像が見える時がある。それがファンタジーなのかな。 わからなくても良い。曖昧さを残すことで、世界はうまく進んで行くのかもしれない。 激しくも、心地よかった。

Posted by ブクログ

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