恋とそれとあと全部

住野よる(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2023/02/24
• JAN: 9784163916606

商品レビュー

2025/12/09

【感想】
●サブレとめえめえの距離感が読んでいて心地良かった。夜行バスでお互いのプレイリストを交換して聴いて、後日その感想を伝え合うシーンがあるが、そこが特に良いな、青春だなと思った。
●告白されてからのサブレの反応がとても可愛い。
●めえめえが、死を面白がっている自分はひどいやつだと嘆くシーンがあるが、私は死を面白がること自体を悪いことだと思わなかった。人間にとって、死の回避は最重要課題の一つだ。他人の死は、そんな「死」に関する情報を得られる貴重な機会であり、興味を抱くというのは生物として当然のことではないかと思う。もちろん、それを表に出してしまうのは社会的に良くないと思うが、めえめえはじいちゃんを親身になって助けていたし、ひどいやつではないと思う。
●エビナとめえめえ、それぞれが抱いた罪悪感についてなんとなく理解できるが、この２つの罪悪感の関連性がつかめなかった。そこに作者の伝えたいメッセージが潜んでいる気がするのに、到達できない。お宝がすぐそこにあるとわかっているのに、発掘できないようなもどかしさを覚えた。本作に関する様々なブログや感想を読み、同じ言葉でも文脈によって意味が大きく変わる、すなわち言葉の多義性を伝えたかったという説明で一応納得はした。しかし、まだ宝が埋まっている気がして少しモヤモヤしている。

【印象に残ったセリフ】
「お互いの悪さもひどさもめんどくささも全部連れて。めえめえと一緒にいたいと今、思っている。それが私の真剣に決めた自由で放したくない不自由だ」
　Byサブレ

【キャラクター好感度】
◎めえめえ… 52点
　→最後の告白はかっこよかった

◎サブレ…60点　
　→良いキャラだと思うし、シンパシーを感じる場面も結構あったが、現実にいたら彼女や友達にしようと思わないと思う。ああ、だから私に友達ができないのか涙

◎サブレのじいちゃん…56点
　→ワイルドでかっこいいし、孫娘の性質をちゃんと理解した上で接していて、良いじいちゃんだなと思った

2025/11/02

読んでいくうちに夏の香りだったり暑さだったりを思い出させてくれる、そんな内容だった。
会話のテンポ感が好き

2025/10/30

気持ち悪さが漂う文章だった。
が、最後の最後で少し救われた。
思考過程を如実に記すとこんなにも気持ち悪いんだなぁと。
プラトニックラブ