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今日のミトロジー 講談社選書メチエ le livre
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2023/01/13 |
JAN | 9784065305928 |
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今日のミトロジー
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商品レビュー
3
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※このレビューにはネタバレを含みます
本書は、週刊現代に連載されたエッセイの中で、現代の日常に現れるミトロジー(神話的要素)を紹介しています。例えば、東京オリンピックのスケートボード競技での「ゴン攻め」などの新しいタイプの解説や、『進撃の巨人』における人肉を食する描写が取り上げられており、後者はレヴィ=ストロースの『われらみな食人種(カニバル)』へのオマージュとして示唆されています。 中沢新一さんの卓越した洞察力により、このようなミトロジーとの共鳴を見出すことは容易です。しかし、それが中沢新一さん独自の力技に過ぎないのか、それとも現代において本当に不可欠な作業なのか、という疑問が残ります。つまり、こうしたミトロジー的思考が、今の時代に必要とされているのか、あるいは中沢新一さんのスキルによるひとつの「作品」に過ぎないのか、その判断はまだ私にはつけられていません。
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ウクライナの戦争 大シスマ(東西分裂) 再び ロシアと西洋の対立の根は深い。 一見すると両者は同じヨーロッパ人種のように見えるが、その精神と文化の内部に立ち入ってみると、大きな溝が両者を分け隔ててきた。その溝はベルリン の壁の崩壊以後、グローバリズムによって、いったんは埋めら...
ウクライナの戦争 大シスマ(東西分裂) 再び ロシアと西洋の対立の根は深い。 一見すると両者は同じヨーロッパ人種のように見えるが、その精神と文化の内部に立ち入ってみると、大きな溝が両者を分け隔ててきた。その溝はベルリン の壁の崩壊以後、グローバリズムによって、いったんは埋められたかのように見えた。だがロシ アによるウクライナ侵攻が起こってからは、それは再び巨大クレバスに広がっていこうとしてい ロシアと西洋に、分裂の最初の兆候が見られたのは、中世のキリスト教におこった「フィリオ クェ論争」である。 初期のキリスト教では「父である神」と「子であるイエス」と「聖なる霊」 とが、三位一体をなすという教義がつくられた。そこでは、この三者は異なるものでありながら も同格で一体をなすという神秘的な「三位一体論」こそが、正しい理解であるとされてきた。 東方教会では、神と子と聖霊の個別性が重視された。表面的ななめらかなつながりよりも、深いところで内在的につながっているという、なんとなく凸凹した無骨な考えである。 そこでは聖 なる霊は父である神から流れ出す、と考えられた。 ところが西方教会がその無骨さに異を唱え始 めた。東方教会で「聖霊は父より発する」と唱えているのを、西方教会は「聖霊は父と子から発する」と言い換えてしまった。 そうなるとたしかに三位一体はぐっとスマートになる。 ところがたった一言「(父)と(子)」と付け加えたことで、東西が分裂する大問題に発展した。 この「と」はラテン語で「フィリオクェ (Filioque)」という。 東方教会が問題にしたのは、この「と」を加えてしまうと、父と子が同質な基礎材のようになって、そこから聖霊が流れ出てくるようなイメージになることである。 これは神秘的な三位一体を合理的な理解につくりかえ、 キリスト教を安っぽい宗教にしてしまうと、猛反対した。 西方教会にしてみれば、正しいけれども難しい教義などというものは、布教の妨げになるだけで、現実的にいいことなどちっともないから、合理的に改造すべきだと主張した。 この問題はこじれにこじれて、ついにコンスタンチノープル、のちにはモスクワをも中心とする東の正教会
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