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子どもの文化人類学 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2023/01/12 |
JAN | 9784480511638 |
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商品レビュー
3.8
12件のお客様レビュー
テーマとしては絶対読みたいものだったが、文庫になった段階でも見逃している。本書を手にしたきっかけは解説を書かれている奥野克己さんの本で紹介されていたからである。「教える」とか「教わる」とかいうことばを持たない狩猟採集民がいるという。カナダ北西部に住むヘヤー・インディアンで、その実...
テーマとしては絶対読みたいものだったが、文庫になった段階でも見逃している。本書を手にしたきっかけは解説を書かれている奥野克己さんの本で紹介されていたからである。「教える」とか「教わる」とかいうことばを持たない狩猟採集民がいるという。カナダ北西部に住むヘヤー・インディアンで、その実地調査を1960年代に行ったのが本書の著者であった。著者が何かを「教えて」と言っても意味が伝わらない。実際に見てやってみればいいのだと言われる。折り鶴を見せてやっても、子どもたちは折り方を教えてとは言わない。もっとゆっくり折ってとさえ言わない。何度も見て、何度も自分で作って試してみる。いわゆる教える側はそれを見てアドバイスするのではなく批評するだけ。この鶴は疲れているみたいとか、遠くまで飛んで行きそうとか。それを聞いて子どもたちはまたつくり直す。著者が最後に書いている。「よく観て、自分でやってみるという時間が必要です。そして大人の側に、それを待ってやるゆとりが必要です。」大人の都合で、待ってやるゆとりが全くない。それが、学校を楽しくないものにしているのかもしれない。気になるのは、ヘヤ―・インディアンの現在である。どれくらい60年前の自給自足の生活が続いているのだろうか。今でも、教えてもらうのではなく、自分の目で観て試してみるという生活をしているのだろうか。下手な学校文化が入り込んでいないことを願うばかりである。
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メモ→https://x.com/nobushiromasaki/status/1833987570067493277
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世界にはいろんな生活様式があり、社会での子供の扱いや役割もずいぶんと違うものだと改めて思う。 この本は主にヘヤー・インディアンの子供達について書いてあるが、民族のしきたりとしてどんな事でも自分の守護霊と対話し決定するので、親だからといって子供に何か指図したり命令する事はないそう...
世界にはいろんな生活様式があり、社会での子供の扱いや役割もずいぶんと違うものだと改めて思う。 この本は主にヘヤー・インディアンの子供達について書いてあるが、民族のしきたりとしてどんな事でも自分の守護霊と対話し決定するので、親だからといって子供に何か指図したり命令する事はないそう。そして子供を育てるのは「あそび」というカテゴリに入っているそう。狩猟民族なので狩りやそれにともなう処理などが「しごと」、娯楽も少ないので子供を育てたり子供の過ごす様子を見たりするのが「あそび」であり、自分の子が育ったら養子をもらってきたりもするそうで。子供もある程度大きくなると労働力になるから、生きるための知恵も含まれていると思うが、日本で普通に子育てしている身としては全くなかった発想。この子をなんとか育てなければ、お世話しなければと半ば義務的に一生懸命になっている自分に風穴があいたような。たまにはあそび・娯楽と思って子供と接してみるのもいいかもしれない。 場所が変われば正しいとされる事も全く変わる。世界のいろいろな子育てを知れば、行き詰まった時に救われる事もあるだろう。
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