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子どもの文化人類学 の商品レビュー

3.8

12件のお客様レビュー

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2024/11/06

テーマとしては絶対読みたいものだったが、文庫になった段階でも見逃している。本書を手にしたきっかけは解説を書かれている奥野克己さんの本で紹介されていたからである。「教える」とか「教わる」とかいうことばを持たない狩猟採集民がいるという。カナダ北西部に住むヘヤー・インディアンで、その実...

テーマとしては絶対読みたいものだったが、文庫になった段階でも見逃している。本書を手にしたきっかけは解説を書かれている奥野克己さんの本で紹介されていたからである。「教える」とか「教わる」とかいうことばを持たない狩猟採集民がいるという。カナダ北西部に住むヘヤー・インディアンで、その実地調査を1960年代に行ったのが本書の著者であった。著者が何かを「教えて」と言っても意味が伝わらない。実際に見てやってみればいいのだと言われる。折り鶴を見せてやっても、子どもたちは折り方を教えてとは言わない。もっとゆっくり折ってとさえ言わない。何度も見て、何度も自分で作って試してみる。いわゆる教える側はそれを見てアドバイスするのではなく批評するだけ。この鶴は疲れているみたいとか、遠くまで飛んで行きそうとか。それを聞いて子どもたちはまたつくり直す。著者が最後に書いている。「よく観て、自分でやってみるという時間が必要です。そして大人の側に、それを待ってやるゆとりが必要です。」大人の都合で、待ってやるゆとりが全くない。それが、学校を楽しくないものにしているのかもしれない。気になるのは、ヘヤ―・インディアンの現在である。どれくらい60年前の自給自足の生活が続いているのだろうか。今でも、教えてもらうのではなく、自分の目で観て試してみるという生活をしているのだろうか。下手な学校文化が入り込んでいないことを願うばかりである。

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2024/09/12

メモ→https://x.com/nobushiromasaki/status/1833987570067493277

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2024/03/26

世界にはいろんな生活様式があり、社会での子供の扱いや役割もずいぶんと違うものだと改めて思う。 この本は主にヘヤー・インディアンの子供達について書いてあるが、民族のしきたりとしてどんな事でも自分の守護霊と対話し決定するので、親だからといって子供に何か指図したり命令する事はないそう...

世界にはいろんな生活様式があり、社会での子供の扱いや役割もずいぶんと違うものだと改めて思う。 この本は主にヘヤー・インディアンの子供達について書いてあるが、民族のしきたりとしてどんな事でも自分の守護霊と対話し決定するので、親だからといって子供に何か指図したり命令する事はないそう。そして子供を育てるのは「あそび」というカテゴリに入っているそう。狩猟民族なので狩りやそれにともなう処理などが「しごと」、娯楽も少ないので子供を育てたり子供の過ごす様子を見たりするのが「あそび」であり、自分の子が育ったら養子をもらってきたりもするそうで。子供もある程度大きくなると労働力になるから、生きるための知恵も含まれていると思うが、日本で普通に子育てしている身としては全くなかった発想。この子をなんとか育てなければ、お世話しなければと半ば義務的に一生懸命になっている自分に風穴があいたような。たまにはあそび・娯楽と思って子供と接してみるのもいいかもしれない。 場所が変われば正しいとされる事も全く変わる。世界のいろいろな子育てを知れば、行き詰まった時に救われる事もあるだろう。

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2023/09/22

何か参考になることあるかなと思って手に取ってみたものの、1960年代のカナダの原住民(やその他の民族)の子育ての様子を記録したもので、さすがに時代と環境が違い過ぎた。 ただ、短編集のようで読みやすいし文化人類学の読み物としては面白い。

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2023/08/06

子どもにわかりやすく書いた文化人類学のお話と勘違いして読み始めた.子供への考え方,育て方,関わり方などについて,カナダのヘヤーインディアンやジャカルタのイスラム社会,イスラエルのキブツなどいろんな民族の違いによって異なることを示していて,どれが正しいとか悪いとかではなく,その違い...

子どもにわかりやすく書いた文化人類学のお話と勘違いして読み始めた.子供への考え方,育て方,関わり方などについて,カナダのヘヤーインディアンやジャカルタのイスラム社会,イスラエルのキブツなどいろんな民族の違いによって異なることを示していて,どれが正しいとか悪いとかではなく,その違いがとても面白かった.

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2023/07/24

カナダのヘアーインディアンの子育てをベースに、世界各地の民族の様々な子育てについて紹介している。 読みやすい書き口でスッと入ってくる。 ヘアーインディアンの子は、教わることをせず、見て学ぶ。 子育てに正解はなくて、どのようにしても育つ

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2023/06/15

正解も間違いもないし、なにしろ「結果」というものが一生わからない「子育て」 こういう風になるのが良いハズだ、という希望や理想を外からの影響で持たされそうになるのが、今の日本には少しある気がしてる。 驚いたのは、「教える、教えられる」という考え方が無い文化圏があるということ。何...

正解も間違いもないし、なにしろ「結果」というものが一生わからない「子育て」 こういう風になるのが良いハズだ、という希望や理想を外からの影響で持たされそうになるのが、今の日本には少しある気がしてる。 驚いたのは、「教える、教えられる」という考え方が無い文化圏があるということ。何かをできるようになるには、ほぼ「教える、教えられる」という行為が発生すると思っていたけど、その文化圏では「なにいってるの、自分でできるようになったんだよ」という答えが返ってくるそう。 著者もあとがきで書いているけど、日本での子育てに取り入れられる何かが書いてあるわけではない。 でも、全く知る由もない文化圏の子供への関わり方を知ることで、「子どもにこうしてあげなきゃいけないのではないか」とときどき押し寄せる不安を、ちょっとなだめてもらえる一冊になった。

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2023/05/26

当たり前だと思ってたことがそうではないこと。人の幸せと自分の幸せは違うこと。しんどくなった時に目の前を広げてくれる気がする。

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2023/04/24

年明けの新刊をおもしろそうだと買って積んであったが、ツイッター(筑摩書房かちくま文庫公式)でこの本の解説が流れてきたのを読んで興味がかきたてられたのですぐに発掘してきて読み始めた。著者の見聞にもとづいて、カナダの原住民族ヘヤー・インディアンやインドネシアの民族、イスラエルの共同体...

年明けの新刊をおもしろそうだと買って積んであったが、ツイッター(筑摩書房かちくま文庫公式)でこの本の解説が流れてきたのを読んで興味がかきたてられたのですぐに発掘してきて読み始めた。著者の見聞にもとづいて、カナダの原住民族ヘヤー・インディアンやインドネシアの民族、イスラエルの共同体キブツなど、世界各地の文化・社会の中で子どもがどう育っていくかを軸に暮らし方や行動様式・考え方を紹介して、読むものの視野を広げてくれるエッセイ。 ヘヤー・インディアンやインドネシアの母系社会ミナンカバウ族の生き方についての知見は非常に示唆的だと思うが(とくに、折り紙をどのようにして身につけるかのアメリカ中流家庭の子とヘヤー・インディアンの子、学校でのエスキモーの子とヘヤーの子の態度の対比のところは、文化・環境による学び方の差だけでなく、もしかしたらニューロダイバーシティというべき個人差・個体差もあるのではないかと思ったり…)、こうしたフィールドワークが行われて半世紀がすぎ、急速に情報社会になった今、それぞれの民族はどうなっているのだろう。 「学芸文庫」だけど、身近な話が読みやすい文章で書かれていてすきま時間にちょこちょこ読める(初出は朝日新聞社から出ていた子育て関係の月刊誌「のびのび」1975−76年連載+日本幼稚園協会「幼児の教育」1973年3,5,6月号掲載「文化の中の教育」)。子どもを育てている人のみならず、だれが読んでもいろいろ発見があっておもしろいと思う。 あとがきに「よそさまの生活を見て感心することがあっても、日本人として育ち日本で生活している一個人としてのわたし自身に実行不能なことも多いのです。私自身の子育ては、私にとって一番無理なく楽しいやり方でいくしかありません」とあって、これもまた誠実で地に足のついた姿勢だなと思った。 次女(今春から幼児教育の勉強へ)も読んでくれるといいなあ…

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2023/03/05

本屋で偶然目にして購入 優しい語り口の文章で、電車の移動中や寝る前、ほんの束の間の時間の読んでもつかれない良書。 理解しやすいのに、読んでいてとても考えさせられます。 子どもを育てる身として参考になるし、今現代社会は、特に本邦では戦後最も出生率が低下している時代に直面している中...

本屋で偶然目にして購入 優しい語り口の文章で、電車の移動中や寝る前、ほんの束の間の時間の読んでもつかれない良書。 理解しやすいのに、読んでいてとても考えさせられます。 子どもを育てる身として参考になるし、今現代社会は、特に本邦では戦後最も出生率が低下している時代に直面している中で、多くの人に目にしてもらえたらなと思う。 また、社会人として、20年以上まえに新卒生だったころと比べると、今は教わる、教えるが当たり前になった。違和感はそこに「自分自身で学ぶ」という姿勢があるかどうかだと思う。私が社会人の中堅以上の存在になってから、ずっと感じていた違和感はここにあった。教わる教えるが当たり前ではやはりないと思う。自分で学ぶという姿勢がそこになければ。 私自身は、教えるのであれば、学ぶ姿勢は伸ばしたいが、学ぼうとする意欲の無い人に教えたいとは思わない。子供の学びたいを伸ばすにはどうしたらいいかを考えようと思う。 エアーインディアンの記述から教えられることは自立とはなんぞやである。そこは是非本文を読んでいただきたい。また読み返したい一冊であった。

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