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ルポ 虐待サバイバー 集英社新書ノンフィクション1140N
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2022/11/17 |
JAN | 9784087212402 |
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ルポ 虐待サバイバー
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商品レビュー
4.6
6件のお客様レビュー
自分も虐待サバイバーとして、読むのを躊躇ったが今度の為と思い読み始めました。グサグサと心に刺さる過去の刃はありましたが、今は客観的に見れた自分がいました。今後は気持ちが分かる支援者として、誰かの役に立てればと思います。
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リハビリテーションの臨床に携わっていると障がいのみならず、個々の社会背景にぶつからざるを得ない。社会的弱者となる高齢者や小児を含む障がい児者の関わりは、障がい固有の問題だけでは解決しきれず、専門家の力も借りつつも、社会背景や生育歴、家族との関係など、否応なく考えさせられる。体調...
リハビリテーションの臨床に携わっていると障がいのみならず、個々の社会背景にぶつからざるを得ない。社会的弱者となる高齢者や小児を含む障がい児者の関わりは、障がい固有の問題だけでは解決しきれず、専門家の力も借りつつも、社会背景や生育歴、家族との関係など、否応なく考えさせられる。体調不良を起こす職員の対応についても従来は個人や職場の問題のみで捉えて解決を試みてきたが、近年は、職員とのたわいのない対話の中で、家族との関係や生育歴、経済状況、将来不安など、職場とプライベートの課題が相互に入り組んで、本人が苦しんでいること実感する。 前振りは長くなったが、本書の著者は、精神保健福祉士、公認心理師として、病院での心療内科領域の経験を活かし、教育委員会や福祉事務所での経験や教訓について、事例を元に丁寧に患者に向き合う。特に、若年生活保護者の課題や施設入居者等の18歳の制度上の壁を問題点としている点は、若い女性を性被害からなくそうとする仁藤夢乃さんの取り組みと重複するように思う。個々の症例の生い立ち、家族、とりわけ主たる養育者との関係で虐待サバイバー(暴力から生き抜いた人)となり、当事者の負のスパイラル思考を招き、自己責任に陥る様を丹念に検証する。養育者の虐待を契機に、心に深く刻まれた虐待の後遺症として、解離性障害、パニック障害、燃え尽き症候群などとして表れることを考証する。また適切な時期に適切な養育者との関係が問題となる愛着障害については、養育者からの「共感」で発達し、育まれていく重要性を強調する。そして、自身の生い立ちを振り返る中で、自己思考の変容と社会復帰、自立していく様は、非常に興味深い。行政機関や教員等の職員の対応とは一線を画しつつ、著者の関わりの反省も含めて、個々の事例に向き合う様は、やはり臨床家として真摯な姿勢に感銘を受ける。一方で、重要なことだが、著者が事例を通じて、たえず学ぶ姿勢をとり、相手に自身の意見を押しつけず、本人の気づきを大切にする姿勢は、ロールモデルとしたい。
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衝撃的だった。とにかく衝撃的だった。 この本のすごいところは虐待分野に関心がある記者やルポライターが書いたわけでもなければ、精神科医や児童相談所の職員が書いたわけでもないところ。 一現場のカウンセラーがありのままに描写し、その「リアル」を読者に伝え、同時に考えさせているところに凄...
衝撃的だった。とにかく衝撃的だった。 この本のすごいところは虐待分野に関心がある記者やルポライターが書いたわけでもなければ、精神科医や児童相談所の職員が書いたわけでもないところ。 一現場のカウンセラーがありのままに描写し、その「リアル」を読者に伝え、同時に考えさせているところに凄みを感じた。 おそらく本書が一番訴えたかったであろうところの「色眼鏡越しでは虐待を正しく理解できない」は、強く同感。 この世の中の多くの人は、ある意味で「親から愛されてきた」という問題を抱えていると著者は指摘し、だからこそ「親から愛されてこなかった」人たちの心の傷も、子に虐待する親の心理も、理解しているどころか見えていないことすら気づいていないとの主張には反論の余地がなかった。 だとすると、これまで通りの虐待防止策を講じたところでなんの意味もないのではないか! と思ったら、著者もそれを指摘していた。 特に第6章の、被虐待者たちの回復過程を記している場面は涙が出た。 楽な回復なんてないのだと痛感した。 しかし、当事者も著者もそこから逃げることなく正面から向き合っていた。 カウンセリングの力というか、その神秘に、心打たれた。 文章も上手く、本の中の世界に引き込まれた。 福祉や教育、精神科医療に携わる人には必読であると感じた。もっと本書に書いてある内容が世間に広がれば、児童虐待を取り巻く環境も少しづつ変わっていくのではないかと期待を抱くことができた。それだけ今のままではなんの変化も望めないだろうことが見えてくる書物でもある。 これまでの類書にはない事実の重みが、この本にはあるように思う。
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