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Hマートで泣きながら
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Hマートで泣きながら

ミシェル・ザウナー(著者), 雨海弘美(訳者)

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Hマートで泣きながら

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社クリエイティブ/集英社
発売年月日 2022/10/25
JAN 9784420310970

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商品レビュー

4.7

26件のお客様レビュー

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2026/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルがいいですね。 なんだか惹かれるタイトルです。 私はアメリカにも、韓国にも何の縁もありませんが、読みながら、Hマートで亡き母親を思い出して呆然としてしまったし、ユージーンの森の中で、母親との関係に息がつまったし、ソウルで祖母や叔母たちとの暮らしにワクワクしました。読みながら私はミシェル・ザウナーになっていました。 著者の中の半分の韓国人としての部分が、残りの半分であるはずのアメリカで、母国を懐かしむような郷愁を感じるとはこういうことなのか。母を亡くすというのはこういうことなのか。 読み始めは、なんというか、とりとめもなく、心の底から溢れ出てくる思い出や母親への想いをたらたらと書き綴っているように感じたのですが、なぜかすごく惹きつけられて、読み進めずにはいられませんでした。 読み進むにつれ、それこそ両親のなれそめから、幼少期のこと、ティーンの頃のこと、大学のために家を出てからのこと、そして、何より、母親の闘病のことを、よくぞここまでというくらいの剥き出し感情と出来事そのままを詳細に言葉にしてあって、著者の観察眼、文才の素晴らしさにとても感動しました。 文章を読むだけでは少し厳しすぎるように感じる母親から著者への愛情は、時にうまく伝わらなくても確実に著者に伝わったと、それだけで救われる思いがしたのは、自分も子どもを持つ母親になったからかもしれません。 それにしても、韓国の食文化のその豊かさを再認識させられた気がします。著者が母親を思い出すたびについて回ったのも、母親を失ったその喪失感を埋めたのも、母に教えてもらった韓国の味だったというそのことに、すっかり心奪われてしまいました。カウンセリングに行くことを断念して、キムチ作りなどに没頭することでだんだんと精神的な健全さを取り戻していく様子には、著者の行動力に感心しましたし、そう行動せざるを得なかった状況に思いをはせ、良い意味でしんみりとしてしまいました。韓国料理にそういった懐の深さがあることがなんとなくわかりました。 そしてそれは、韓国料理だけでなくきっと、日本料理にも、イタリア料理にも、トルコ料理にもある物語で、母親(時には父親かもしれませんが)が子に受け渡す食文化が、「生きること」「暮らすこと」「家族でいること」などの全ての土台になっているように感じ入って、しみじみとしてしまいました。 決して笑いながら読む本ではなかったのですが、思わず噴き出してしまったところがありました。母親の墓碑銘について、母親が好んで使った「ラブリー」を使って「ラブリー(素敵な)母・・・」というふうにしよう「ラヴィング(愛情あふれる)母・・・」はちょっと違う、と熱く語っておきながら、いざお墓に行ってみると「ラヴィング」になっていて、父親が「嘘だろ」とつぶやいた場面。え、こんなところで笑わせてくれるの?!と読んでる方としてはおかしかったのですが、笑うところじゃなかったのかもしれません。そこでプツっと段落が変わったので、そこをどう捉えたらいいか悩みました。(←真面目か)後日、ちゃんと修正されたことも書かれていました。 まだ若い著者ですが、まるで映画のような半生でした。 著者の父親もかなり過酷な人生を送ってきたようだし、亡くなった母親も妹さんを先に亡くしたり、そもそも母国を離れているわけだし、看護に来てくれた母親のケイも不思議な陰を感じる人だったし・・・。そして、旦那さんのピーターが素敵です。 実際、映画になるそうです。基本的には「映画より原作」と思ってしまう質ですが、ちょっとこれは気になります。 本書をどこで知ったのかすっかり忘れてしまいましたが、読んで良かったと思える本でした。

Posted by ブクログ

2026/02/02

自宅のカウチで泣きながら、読みました。 アメリカ人の夫を持ち、日米ミックスの子どもたちを持つ自分にとって、とても他人事とは思えない手記。この辛く尊い体験を我々にシェアしてくれてありがとう、と著者に伝えたい。 著者のオンマのように、自分は日本の食文化を子どもたちに継承することが...

自宅のカウチで泣きながら、読みました。 アメリカ人の夫を持ち、日米ミックスの子どもたちを持つ自分にとって、とても他人事とは思えない手記。この辛く尊い体験を我々にシェアしてくれてありがとう、と著者に伝えたい。 著者のオンマのように、自分は日本の食文化を子どもたちに継承することができるだろうか? レシピだけじゃなく、「風邪のときには松の実のおかゆ」「後でお腹がふくれるとわかっていても食べてしまう寒空の下の焼き栗」のような、シチュエーションやエピソードに紐づいた食の文化を? うちの子たちは、アメリカンなごはんばかり食べているので。 19章に、「母はわたしの守護者(チャンピオン)、わたしの記録保管庫(アーカイブ)だった。」という一文が出てくるけど、母は韓国文化の守護者、記録保管庫でもあったんだなと思う。母がいなくなると、子はその文化にアクセスできなくなる。祖国の言葉も忘れ、祖国に残った家族とのつながりも断たれる。だから自分が死ぬ前に、アーカイブを子どもに移さないといけない。それは親子だけのパーソナルな関係でなく、もっと長期的・社会的に考えなければいけない問題でもある。 とはいえ、「今は英語で会話している自分も、病にふせったら日本語が中心になり、日本食だけを求めるようになるのかな?」と不安になり、ちゃんと看病してもらえるように夫と子どもに日本語教育しないとな……などと、個人的思惑も十分にかき立てられる。うちの夫なんて、風邪のときはベーコンエッグとか作ってくるもの。 そんな、社会的にも個人的にも捉えられる壮大な手記でした。 この物語がアメリカで大ベストセラーになったのも、アジア系としては嬉しい。今度アメリカへ行ったときは原著を入手しよう……もちろん翻訳も素晴らしかったけども。英語の本なのに韓国語の固有名詞が多くて訳すの大変だったろうな。訳してくださり、ありがとうございました。

Posted by ブクログ

2025/11/22

母への愛と喪失が、料理の記憶を通して静かに積み重なっていく本だと感じました。 キムチやスープ、Hマートでの買い物の場面など、丁寧に描かれた料理の描写一つ一つに、作者の母への愛を感じました。食べ物の記憶をたどることで、母の存在が鮮やかによみがえるように感じました。

Posted by ブクログ