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Hマートで泣きながら の商品レビュー

4.7

26件のお客様レビュー

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2026/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルがいいですね。 なんだか惹かれるタイトルです。 私はアメリカにも、韓国にも何の縁もありませんが、読みながら、Hマートで亡き母親を思い出して呆然としてしまったし、ユージーンの森の中で、母親との関係に息がつまったし、ソウルで祖母や叔母たちとの暮らしにワクワクしました。読みながら私はミシェル・ザウナーになっていました。 著者の中の半分の韓国人としての部分が、残りの半分であるはずのアメリカで、母国を懐かしむような郷愁を感じるとはこういうことなのか。母を亡くすというのはこういうことなのか。 読み始めは、なんというか、とりとめもなく、心の底から溢れ出てくる思い出や母親への想いをたらたらと書き綴っているように感じたのですが、なぜかすごく惹きつけられて、読み進めずにはいられませんでした。 読み進むにつれ、それこそ両親のなれそめから、幼少期のこと、ティーンの頃のこと、大学のために家を出てからのこと、そして、何より、母親の闘病のことを、よくぞここまでというくらいの剥き出し感情と出来事そのままを詳細に言葉にしてあって、著者の観察眼、文才の素晴らしさにとても感動しました。 文章を読むだけでは少し厳しすぎるように感じる母親から著者への愛情は、時にうまく伝わらなくても確実に著者に伝わったと、それだけで救われる思いがしたのは、自分も子どもを持つ母親になったからかもしれません。 それにしても、韓国の食文化のその豊かさを再認識させられた気がします。著者が母親を思い出すたびについて回ったのも、母親を失ったその喪失感を埋めたのも、母に教えてもらった韓国の味だったというそのことに、すっかり心奪われてしまいました。カウンセリングに行くことを断念して、キムチ作りなどに没頭することでだんだんと精神的な健全さを取り戻していく様子には、著者の行動力に感心しましたし、そう行動せざるを得なかった状況に思いをはせ、良い意味でしんみりとしてしまいました。韓国料理にそういった懐の深さがあることがなんとなくわかりました。 そしてそれは、韓国料理だけでなくきっと、日本料理にも、イタリア料理にも、トルコ料理にもある物語で、母親(時には父親かもしれませんが)が子に受け渡す食文化が、「生きること」「暮らすこと」「家族でいること」などの全ての土台になっているように感じ入って、しみじみとしてしまいました。 決して笑いながら読む本ではなかったのですが、思わず噴き出してしまったところがありました。母親の墓碑銘について、母親が好んで使った「ラブリー」を使って「ラブリー(素敵な)母・・・」というふうにしよう「ラヴィング(愛情あふれる)母・・・」はちょっと違う、と熱く語っておきながら、いざお墓に行ってみると「ラヴィング」になっていて、父親が「嘘だろ」とつぶやいた場面。え、こんなところで笑わせてくれるの?!と読んでる方としてはおかしかったのですが、笑うところじゃなかったのかもしれません。そこでプツっと段落が変わったので、そこをどう捉えたらいいか悩みました。(←真面目か)後日、ちゃんと修正されたことも書かれていました。 まだ若い著者ですが、まるで映画のような半生でした。 著者の父親もかなり過酷な人生を送ってきたようだし、亡くなった母親も妹さんを先に亡くしたり、そもそも母国を離れているわけだし、看護に来てくれた母親のケイも不思議な陰を感じる人だったし・・・。そして、旦那さんのピーターが素敵です。 実際、映画になるそうです。基本的には「映画より原作」と思ってしまう質ですが、ちょっとこれは気になります。 本書をどこで知ったのかすっかり忘れてしまいましたが、読んで良かったと思える本でした。

Posted byブクログ

2026/02/04

自宅のカウチで泣きながら、読みました。 アメリカ人の夫を持ち、日米ミックスの子どもたちを持つ自分にとって、とても他人事とは思えない手記。この辛く尊い体験を我々にシェアしてくれてありがとう、と著者に伝えたい。 著者のオンマのように、自分は日本の食文化を子どもたちに継承することが...

自宅のカウチで泣きながら、読みました。 アメリカ人の夫を持ち、日米ミックスの子どもたちを持つ自分にとって、とても他人事とは思えない手記。この辛く尊い体験を我々にシェアしてくれてありがとう、と著者に伝えたい。 著者のオンマのように、自分は日本の食文化を子どもたちに継承することができるだろうか? レシピだけじゃなく、「風邪のときには松の実のおかゆ」「後でお腹がふくれるとわかっていても食べてしまう寒空の下の焼き栗」のような、シチュエーションやエピソードに紐づいた食の文化を? うちの子たちは、アメリカンなごはんばかり食べているので。 19章に、「母はわたしの守護者(チャンピオン)、わたしの記録保管庫(アーカイブ)だった。」という一文が出てくるけど、母は韓国文化の守護者、記録保管庫でもあったんだなと思う。母がいなくなると、子はその文化にアクセスできなくなる。祖国の言葉も忘れ、祖国に残った家族とのつながりも断たれる。だから自分が死ぬ前に、アーカイブを子どもに移さないといけない。それは親子だけのパーソナルな関係でなく、もっと長期的・社会的に考えなければいけない問題でもある。 とはいえ、「今は英語で会話している自分も、病にふせったら日本語が中心になり、日本食だけを求めるようになるのかな?」と不安になり、ちゃんと看病してもらえるように夫と子どもに日本語教育しないとな……などと、個人的思惑も十分にかき立てられる。うちの夫なんて、風邪のときはベーコンエッグとか作ってくるもの。 そんな、社会的にも個人的にも捉えられる壮大な手記でした。 この物語がアメリカで大ベストセラーになったのも、アジア系としては嬉しい。今度アメリカへ行ったときは原著を入手しよう……もちろん翻訳も素晴らしかったけども。英語の本なのに韓国語の固有名詞が多くて訳すの大変だったろうな。訳してくださり、ありがとうございました。

Posted byブクログ

2025/11/22

母への愛と喪失が、料理の記憶を通して静かに積み重なっていく本だと感じました。 キムチやスープ、Hマートでの買い物の場面など、丁寧に描かれた料理の描写一つ一つに、作者の母への愛を感じました。食べ物の記憶をたどることで、母の存在が鮮やかによみがえるように感じました。

Posted byブクログ

2025/09/29

読みやすいエッセイだけど、内容がとても重くて後半は特に辛かった。けれども同じくらい韓国料理の魅力も詰まってて読み終わった後はずっと家で韓国料理を作ってました。国は違えど色んな魅力に気付ける素敵な作品でした。

Posted byブクログ

2025/08/15

韓国人の母親と米国人の父親の間に生まれた著者は、米国で育ち歌手としてデビューしグラミー賞にもノミネートされた。そんな著者が、癌で亡くなった母親との関わりや、その苦しい闘病を支えた記憶や、自身の半分は韓国ルーツであるというアイデンティティなどを綴っている。 亡くなった人との繋がりが...

韓国人の母親と米国人の父親の間に生まれた著者は、米国で育ち歌手としてデビューしグラミー賞にもノミネートされた。そんな著者が、癌で亡くなった母親との関わりや、その苦しい闘病を支えた記憶や、自身の半分は韓国ルーツであるというアイデンティティなどを綴っている。 亡くなった人との繋がりが、食べ物を介して深く描かれる。

Posted byブクログ

2025/06/10

読みやすさ★★★★★ セラピーとしての料理。キムチ作りがこんなにカタルシスのある作業に感じるとは。

Posted byブクログ

2025/06/09

悲しくて、読んでるうちに涙が出てくる本だった。 全てを犠牲にして育ててくれた母親に対して、 自分の全てを犠牲にして母の面倒を見る娘の関係を見て、自分はこれができるのか 同じようなことがもし自分にあったらどうするか考えた。

Posted byブクログ

2024/12/05

人気急上昇中のバンドJapanese Breakfastのボーカリストでもあるミシェル・スナウザーさんののエッセイ。友人に勧められて読んでみました。 米韓ミックスで米国生まれ育ちの著者と、韓国人のお母様との関係をが軸になっている一冊。韓国系スーパーやyoutuberの韓国料理レ...

人気急上昇中のバンドJapanese Breakfastのボーカリストでもあるミシェル・スナウザーさんののエッセイ。友人に勧められて読んでみました。 米韓ミックスで米国生まれ育ちの著者と、韓国人のお母様との関係をが軸になっている一冊。韓国系スーパーやyoutuberの韓国料理レシピを通して著者は母の人生をトレースし、自分の中の母、自分の中の韓国人としての要素を見出そうとする。 他地域がそうではないとは言わないけど、やっぱり特に日本や韓国、中華圏、アジアでは家族や親子、愛情の象徴となるのは食べ物だよね。翻訳の妙もあって美味しそうなご飯の描写がとても印象に残った。 中盤ではお母様が癌に倒れて亡くなるまでの過程を結構生々しく描写していて、癌の罹患率が高い日本の人にとっては読むのがしんどかったり、自分の家族や自分自身もこうなるのかも…と思わず想像してしまう(私はそうなった)。 でも私にとって涙が出そうになったのはその場面ではなく、Japanese Breakfastが成功してアジアツアーを回ることになり、韓国でライブや打ち上げを楽しむ様子や、おばのナミとのやりとりだった。親は子どもの記憶の中で生きているし、言い換えれば亡くなった人は生きている人の記憶の中で生きている。 私の母はケーキやおせち料理、クリスマスディナー、誕生日などはいつも自分で作って家族に振る舞ってくれている。幸いまだ元気だけど、老いや病で動けなくなる前に作り方を教えてもらおうと思った。 ー ★時間とお金のムダ ★★普通〜微妙 ★★★よかった ★★★★心が動いた(感動した、意表をつかれた、ショックだった) ★★★★★人生の本棚に入れたい

Posted byブクログ

2024/11/24

逝ってしまった人を想いながら読んでしまうと途中辛すぎてページが進まなかった。 途中で読むのを辞めて巻末から読み、辛い部分は読まないでおこうとしたけど、全部読めました。 生きるって乗り越えることが沢山ありますね。

Posted byブクログ

2024/09/04

親の介護と死に向き合うことがいかに辛いことか、当事者のリアルな視点から語られており思わず感情移入してしまった。迷惑をかけた母親への後ろめたさと母親の力になりたいという思いの間で揺れる主人公の葛藤が伝わってきた。

Posted byブクログ