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Hマートで泣きながら の商品レビュー

4.8

17件のお客様レビュー

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2024/09/04

親の介護と死に向き合うことがいかに辛いことか、当事者のリアルな視点から語られており思わず感情移入してしまった。迷惑をかけた母親への後ろめたさと母親の力になりたいという思いの間で揺れる主人公の葛藤が伝わってきた。

Posted byブクログ

2024/08/09

めちゃ泣いた。東アジアの文化と個人主義な西洋社会で自己が板挟みになって辛い。エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスが思い浮かんだ。

Posted byブクログ

2024/02/05

これは友達に勧めてもらった本。最初はなかなか流れに乗れなくて読み進められなくて、面白いんかなーなんて疑いを持ってしまったけど。とんでもない。疑うのが愚かな行為だって思わされるほど、親子の関係について、親子の関係にどれ程深く「食」というものが絡み合ってるか、また子への母の愛情の深さ...

これは友達に勧めてもらった本。最初はなかなか流れに乗れなくて読み進められなくて、面白いんかなーなんて疑いを持ってしまったけど。とんでもない。疑うのが愚かな行為だって思わされるほど、親子の関係について、親子の関係にどれ程深く「食」というものが絡み合ってるか、また子への母の愛情の深さ(もちろん、父の愛情もあるだろうけど、この本は母がメイン。)があるのか再確認させてくれた。私の母はまだまだ健在だし、元気いっぱいだけど、いつかの別れについて考えさせてもくれた。命あるもの、いつか朽ち果てる。たまにこういった本を読まないと親は永遠ではないことを忘れてしまう。 親子の関係については、とにかくこの2人はファンキーだった。全体を通してファンキー。特に、お母さんの方が物凄い強烈。だけど、読み進めると、娘もなかなかしっかり強烈で、親子だなって感じがする。 そして、この話の肝、親子関係に絡んで美味しそうな母の手料理の話がたくさん。韓国料をたくさん知らないけど、ぜひ食べてみたいなってご飯がたくさんあった。それと同時に、やっぱりどの国でも母の料理の偉大さ、自分を作った母の味は一生物なんだなって。読み進めながら、自分の母親のご飯が恋しくなった。なんで今私は母のところにいないんだって何度も思った。何度も大好きな母の料理を思い出した、他人の母の料理なのに。それくらい色こく親子関係に「食」が韓国のカルビのタレみたいに絡み合ってた。 ちなみに、彼女のお母さんが彼女にブーツを贈った話の時はもう涙が溢れそうになった、通勤ラッシュの満員電車で。 とにかく、母は偉大なんだな。私は今のところ、母になる予定はないけど、なるならちょっとこのお母さんにみたいにファンキーで自分の母みたいに愛と優しさに溢れた感じになりたいな。

Posted byブクログ

2024/01/01

声をあげて号泣した一冊。父の書斎に置いてあったのを何気なく手に取り読み始めたが、3時間夢中で読み切ってしまった。素晴らしい翻訳による韓国料理の描写にお腹を空かせつつ、もう若くはない自分の両親を大事にしようと思える本だった。 カナダに留学中Hマートにお世話になっていたので、懐かし...

声をあげて号泣した一冊。父の書斎に置いてあったのを何気なく手に取り読み始めたが、3時間夢中で読み切ってしまった。素晴らしい翻訳による韓国料理の描写にお腹を空かせつつ、もう若くはない自分の両親を大事にしようと思える本だった。 カナダに留学中Hマートにお世話になっていたので、懐かしく感じたり、またルーツが韓国にある自分にとってはジョンやわかめスープなどの韓国料理や家族間の韓国文化など、馴染みの深い話が多かった。それもあって余計に感情移入してしまったのかもしれない。 アメリカに住む韓国人ハーフとして、多感な思春期には自分の韓国人の部分を隠そうとしたり、逆に韓国に訪れる際には自身に韓国の血が流れていることを証明する部分を探してアピールする主人公が、自分を客観的に描写されているようで少し心がザワザワした。 そして何より、主人公と母の関係がリアルで、自分と重ねてしまった。何歳になっても、親に褒められたい・認めてほしいという気持ちが自分にもあるのかもしれないなと思った。 キムチ、作ってみたい。

Posted byブクログ

2023/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

二年前くらいになんとなく聞いていたNPRで紹介されていて、気になっていた本。日本語版が出ているなんて知らなくて、たまたま見つけて即買い。 著者はいわゆる二世で、アメリカ人とのハーフ。 母親は韓国からの移民。 いわゆる反抗期から親との距離は精神的にも肉体的にも離れるが、ある日突然母が末期がんと知る。 一世が祖国の味を恋しく思うのはあたりまえだけど、特に母親の味というのはこうやって次の代にもつながっていくんだなぁ。 私の夫は四世にあたるけど、やっぱり二世三世と続いてきた味とそれに関連する想い出はいろいろあるみたい。 それにしても、これは涙なしには読めない。 お母さんって何なの? 海外で初めて暮らし始めた時に、バラバラな出身のみんなでそんな話で盛り上がった。どこの国のお母さんも、おなじような、ハハオヤという種類の生物なんだ。 "母は私のアーカイブだった。(中略)その母がいなくなり、こうしたことを聞ける人もいなくなった。記録されなかった事がらは母とともに死んでしまった。" "あなたに本当のことを話すのはお母さんだけ。なぜってあなたを本当に愛するのはお母さんだけだから。自分の十パーセントは自分のために取っておきなさい。(中略)万が一のとき、頼れるものがあるように。お父さんにだって全部はあげない。" お母さんってどうして子供や周りの人の、どうしようもないような細かーいことばかりなぜか覚えてて、そうか、それも愛なんだ。 "今Hマートで食事をしている人たちの、どれくらいが家族を恋しがっているのだろう(中略)わたしみたいに人生から永遠に失われてしまった人を恋しく想いながらご飯を食べているのはどの人?" 筆者のお母さまがご自身のお母さまを亡くされたところが、心がえぐられました。 家族・親と離れて暮らすのは、それが自分の選択でも、つらいですよ。親と国を残して、何年も何十年も・・・。 "あの時の私はまだ喪失の淵のこちら側にいて、向こう側には足を踏み入れたことがなかった" 親元を離れて初めて親のありがたさが分かる。。。多くの人が一人暮らしで経験することだと思う。ない人もいるけど、反抗期があって、うるさいな、ほっておいてよ、友達といるほうがいい・・・そんな態度をとり続けておいて、ころっとそう思えるのは子供だけで、親はしこりがあるんだろうか。 筆者のアイデンティティのゆらぎ?も面白い。 アメリカで生まれ育ち、白人からは白人として扱われず、韓国に行けば韓国人として見られない。(これも夫が前言ってたな・・・) ずっとアメリカに溶け込みたかったのに、アメリカに居場所が欲しかったのに、お母さんの看病をするお母さんの韓国人の友人と一緒にいると自分を韓国人と認めてほしくてたまらない。お母さんの言葉、お母さんの家族の言葉、文化をわかりたい。 母の家族といても、沢山言いたいこと、伝えたいことがあるのに、それを韓国語にできない。 それにしても、彼氏(のち旦那さん)、良い人だなぁ。 そして、お母さんの最後まで苦しみながらもたくさんそばで過ごせたのは、言葉が適切かわからないけど、羨ましい。 お母さんを喜ばせようと必死に頑張った韓国料理 お母さんを亡くし、その料理に支えられる。 どんな高級なレストランの味よりも お母さんが忙しい朝にばっとつくってくれた海苔段のほうが記憶に残り、あたたかく、おいしい。 料理があまり徳ではないおばあちゃんが、食パンを切ってバターでいためただけのおやつが、なつかしい、おいしい。 そんな料理が誰にでもあるはず。 この本を読みながら、どんなひとも自分の家族に思いをはせて、目頭を熱くするんじゃないかと思う。 私はまだ淵のこちら側だけど いつか来るその日のことを考えてしまった。 一番近いのに 一番強く反発することもある 一番愛しているはずなのに 一番わかっていなかった人かもしれない "痛みを散らしてあげたい、お母さんへの愛を証明したいと、これほど切に願ったことはなかった。添い寝をし体をぴったりと押し付けて、苦しみを吸い取ってあげられたらどんなにいいか。人生は子どもに、親を想う気持ちを証明するチャンスを与えるべきじゃないか" 訳(雨海弘美さん)も素晴らしいです。

Posted byブクログ

2023/09/19

韓国人の母とアメリカ人の父を持つ著者。末期癌と診断された母親を看取るまでの記憶を、家族との関係を軸に書いた日記のようなエッセイ。彼女のこれまでの生き様が丁寧に綴られる。母親との確執を解きながらも後悔したり過去を責める彼女の姿が、すごく胸に迫る。大切な人の死に直面したら、後悔する...

韓国人の母とアメリカ人の父を持つ著者。末期癌と診断された母親を看取るまでの記憶を、家族との関係を軸に書いた日記のようなエッセイ。彼女のこれまでの生き様が丁寧に綴られる。母親との確執を解きながらも後悔したり過去を責める彼女の姿が、すごく胸に迫る。大切な人の死に直面したら、後悔することはどれだけあるのだろうか。彼女と母親の架け橋になったのは、韓国料理だった。キムチやのり巻きやごま油の味。彼女が韓国料理を作ろうとキッチンに立つとき、毎回母の記憶を手繰り寄せるのだろう。誰かと繋がり作るご飯はどんな味がするのかな。

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2023/09/17

チャプター11からはぽろぽろ泣きながら読んだ。 私にも、自分のためにとってある10%がある。 無意識にしていたことが物語の一部になっていて母娘への親近感がぐんと湧いた。 時に娘として、時に母として、時に姉として、 この作品に出てくる女性たちのそれぞれの立場に想いを馳せながら「終...

チャプター11からはぽろぽろ泣きながら読んだ。 私にも、自分のためにとってある10%がある。 無意識にしていたことが物語の一部になっていて母娘への親近感がぐんと湧いた。 時に娘として、時に母として、時に姉として、 この作品に出てくる女性たちのそれぞれの立場に想いを馳せながら「終わらないでほしい」と願ってしまうほど没入し 無心でページをめくって1日で読了した。 個人的に心から凄いと思うのが、毒親家庭で育った父親を持ちながらも、著者が健やかに育ったこと。 父親がかなり壮絶な育ちをしている今作のような場合、子どもにも何らかの影響が出る家庭が多いけど(思春期に紆余曲折あったとはいえ) 母親が深い愛情で著者を包み、優しく厳しく育てて(しかも異国の白人コミュニティで!)最終的には著者自身が自分の出自に誇りを持てるようになるまでにステキな関係性が出来ていて、本当に凄いことだなぁと読みながら終始感動していた。 The summer I turned prettyのOSTで偶然知ったJapanese breakfastの曲からこんな素敵な物語に出会えた幸運に胸が一杯になる。 映画化されるとのことだけど、あまりにも本が素敵すぎて観たいような観たくないような…。

Posted byブクログ

2023/09/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

"涙はお母さんが死んだ時までとっておきなさい" "自分の10%は自分のために取っておきなさい" 筆者が自身のアイデンティティに悩んだ青春時代、母の存在と死、慣れ親しんだ味を模索する日々、母の祖国に残された家族との絆、そしてアーティストとして成功する過程など、自伝として興味深かった。 昨今アメリカのエンタメ業界は韓国系の方々の勢いが凄まじい。音楽界はもちろん、映画監督や俳優など自身のルーツを題材とした作品作りが多く、この本がベストセラーになったのもタイミングとしてピッタリだっのではなかろうか。

Posted byブクログ

2023/08/16

移民であること、故郷とはなにか、属しているものとは、と色々考えさせられるが、著者の母親の闘病生活が辛すぎてしんどくなる人もいると思う、どうしたって自分と母親との関係が重なってしまう しんどいのだけれどグイグイ読ませられる 食べ物とは記憶であり、思い出であり、会話のツールであり、...

移民であること、故郷とはなにか、属しているものとは、と色々考えさせられるが、著者の母親の闘病生活が辛すぎてしんどくなる人もいると思う、どうしたって自分と母親との関係が重なってしまう しんどいのだけれどグイグイ読ませられる 食べ物とは記憶であり、思い出であり、会話のツールであり、人との繋がりであるものだなと  おそらくまたある時に紐解くであろうなと思わせる本 でもそれが遠く遠く先であることを望む本

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2023/07/13

先にJapanese Breakfastとして知っていたが、文才もすばらしいとは!過度にエモいわけではない、とてもみずみずしい筆致。 「母親」と「食物」という、人がどうしても逃れられない根源にとことん向き合う若さと勇気と、その先に至った悟りや郷愁のようなものが、作品全体に充満し...

先にJapanese Breakfastとして知っていたが、文才もすばらしいとは!過度にエモいわけではない、とてもみずみずしい筆致。 「母親」と「食物」という、人がどうしても逃れられない根源にとことん向き合う若さと勇気と、その先に至った悟りや郷愁のようなものが、作品全体に充満している。さらにそこに彼女自身のブレイクまでの道のりが重なり、まさに「生きざま」を映すような唯一無二の作品になっていると思う。 わたしは母であり娘でもあるので、ずっと涙腺が刺激され、胸がしめつけられるようだった。パートナーであるピーターの人となりも最高。

Posted byブクログ