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ある大学教員の日常と非日常 障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 晶文社 |
発売年月日 | 2022/10/12 |
JAN | 9784794973320 |
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ある大学教員の日常と非日常
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ずっと読んでみたかった横道誠さん、 まずはコロナ禍に執筆された本作から!一冊目。 発達障害ということにより起こるユニークな事象が毎ページのように出てくるが、 比喩や文章表現が軽妙で秀逸 …………… •収集家としてはすでに冥土に旅立った •判官贔屓への傾きが強く社会から非難を受けがちな人に連帯感を抱きやすい 創作物に関してもそのような人たちを描いた物語を受容 •正岡子規の紀行文一戸のような風景に融けこみたくなる 僕の心も初夏の爽やかさへとふやけていった …共感 •人間関係が細りゆくばかりで、復活した経験がない僕にはとてもありがたい出来事だった •僕にとってもっとも快楽を与えてくれるのは研究活動だ •「信頼できない語り手」が好き 人間の可能性と限界をともにさらけだしている •ストレスが増えて、酒量が多くなってしまい、 暗鬱な思いに沈んだ。そして、その池で溺れて底の泥にまみれて、全身に藻がはえて「水藻人間」と化していく姿を想像した。 •一時期とても夢中になったものの、自分の眼が肥えてしまい、いまはどのような商品を見ても驚かない。僕にとってのフロンティアがひとつ消滅したということを意味しているから、残念なことだ。それでも懐かしい色あいやデザィンには心を慰められてやまない。 •不思議な夢を見たいと念じながら寝入ると本当に見られる、覚えていようと努力する →夢の世界に現実感覚が侵食される •僕の全存在が激震した •今回の出来事は他人事として突き放して見たらかなり笑える案件 •斎藤真理子さんが訳した女性の著者による現代韓国文学 訳文が最高 …共感 読む僕たちの触覚まで、気だるい日常によって捕獲された状態から解放されて生気を取り戻す ★自分の体験世界を文学作品をはじめとした創作物に発見する 自分の物語を描き直す ★ 思えば僕は、幼少時から現在に至るまで、いつでも学ぶことを通じてしか他者と関われない人間だった。誰かと交友関係や恋愛関係を持つにしても、それが一種の学習として興味を掻きたてるのでなければ、自分の内面に関係を継続するための動機が湧いてこなくなるのだ。 ↓ 学ぶことを通じてしか人間関係を結べない僕は、学ぶことを通じてもうまく人間関係を築けない。マッチングアプリで二〇代後半の女性と知りあって二回オンラインデートをしたが、僕の心は晴れないままだった。そこで僕は数日ごとに、ひとりだけの当事者研究をやった。 自分の悩み事のひとつひとつを検品して、それらがほんとうに僕を悩ませるだけの大きさを持っているのかを考察する。美しい蝶を展超板の上で広げていくようにだ。人は不安になる際、その不安の正体がわからず、大きな混沌を敵として迎えていることが多い。当事者研究は不安をきれいにバラしてゆくことができる。バラした問題は、霧のように解決に向けて収斂しはじめたりする。 …………… 当事者の方の手記はあまり読んだことがなかったが、生きづらいだろうな、と思った 日常生活が困難 絶望と希望の間を常に行き来しているような方 でも、それを補ってなお余りあるほどの、豊かな感覚や多様な文献への引き出し、回路が素晴らしく発達されている方なのだろうなと感じた ナラティブ•セラピー(心理療法)調べてみたい あんなに苦労したのにパスポートが無効なもので(なくしたと思って作り直したのにまた出てきた古い方を誤って持ってきてしまった)旅立てなかった… 大ピンチの時に漢詩が頭に浮かぶ、とか ツイートしたらバズって当該の本の出版に繋がったとか 転んでもただでは起きない感が素晴らしい 無事到着し、後半は旅行記。 都市を自分に馴染ませる感覚は、留学中に体験したことがあるような、言語化したことがなかったがたしかに人間の適応現象が働いていたのだろうな、と 日本人の感覚からすると海外は本当に驚きや違和感の連続だから… 美術、建築、文学、博物、音楽、食、環境 満喫されている様子が描かれる •ウィーンの人々は控えめで、悪く言えば気どって いても、温和だ。ベルリンの人々は荒々しく、よく言えば率直だけど、押しが強い。 …関東人と関西人のよう •図書館に通って借り出す本を選ぶのが快楽そのもの …共感 書店でもブクログ周遊でも同じ アウシュビッツの項、一番心にズシンと来た
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面白かった。 普通のエッセイと紀行本の中間みたいな本。 作者は自閉症とADHDを患っていて、当事者研究として障害者への知識を深めている。 そのため、旅行や生活の中で起こる様々なイベントに対して、自分事なのに俯瞰的に見て分析するパートが多くて面白かった。 とくに「注意欠如・多動症的ビールストック」「自閉症スペクトラム症的ビールストック」の部分は笑った。 ADHDの目についたものに興味を持ちやすい傾向と、自閉症のこだわりが強い傾向がビールの銘柄に表れるのも面白いし、ネーミングのパンチが強くて良かった。
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いちいちこういうところが障害者、ADHDで、というのが鼻につくが、内容はとても面白い。確かになるほど!となる。でも時々わたしも同じようなことをしていて、健常者でもあるよなと思うことがあったり…やはりスペクトラムであって、絶対的な境界線はないのですね。 p.80 2日に渡った催...
いちいちこういうところが障害者、ADHDで、というのが鼻につくが、内容はとても面白い。確かになるほど!となる。でも時々わたしも同じようなことをしていて、健常者でもあるよなと思うことがあったり…やはりスペクトラムであって、絶対的な境界線はないのですね。 p.80 2日に渡った催しによる疲労とスーツケースの重さが理由で、心はくたくたになる。 p.100 インターネットで全編が無料公開された藤本タツキの漫画「ルックバック」にはしびれた。京都アニメで起こった放火、殺人事件を連想する内容で、この事件にまだ胸が痛む。僕は、こんな形で消化方法があるのかと感動したのだった。 p.101 出国に失敗した後、僕は、斉藤真理子さんが訳した、特に女性の書き手よる現代韓国文学をいろいろ読んでいった。作品の好き嫌いはいろいろだけれど、斉藤さんの日本語は、現代最高級の日本語に属すると思う。例えば「編み狂う」と言うエッセイだ。 p.109 頭木さんの文体の秘密は、落語にある。「落語を聞いてみたけど、黙示録なかった人へ」で、頭木さんは、古典落語は「耳の物語」だから「目の物語」になれた。僕たちには、斬新に感じられる箇所が多いこと、耳の物語を忠実に収録しても、それを口に出さないと面白さを再現できないことに注意を促している。これらの小説を読むことで、僕は落語に対する印象を一新できたのだが、同時に頭草の文体の機密にも迫ることができた。「耳の物語」である落語を「目の物語」として楽しめるように調整した文章。頭木さんは、そのような文体を実現しているのだ。 p.184 僕は、かつてソ連が戦車によってチェコ人たちを蹂躙(じゅうりん)した「プラハの春」事件を思い出した。プラハで何度か訪れた。共産主義ミュージアムで、その映像を何十分も見た。あの時もロシア人は正義のためにと言う名目で、チェコ人たちを蹂躙したのであった。そして今は、ウクライナをナチ化から救うためと言う名目で、ウクライナ人たちに地獄を体験させている。僕は、「わが祖国」の民族主義的情緒に溢れた演奏を聞き、チェコの街や自然を思いながら、まだ訪れたことのないウクライナを持って胸を痛めつつ、音の洪水に浸った。 p.193 デニスは、僕が大学の各種図書館に手配できるように手続きしてくれて、東アジア研究所の図書館の中を1人で探索した日もあった。日本の大学の図書館には置いていないような大衆小説なども積極的に集められていて、異文化間の人々にとっては「単に俗っぽい本」では終わらず、謎の文字で書かれた謎の民族、文化、社会に関する重要資料になり得るものな、と考えを巡らせた。 p.197 イラン人の女性たちから合コンについて聞く。未婚の男女が一緒にいるのは、社会的に供養されていないため、「そーゆーのは非合法の千夏パーティーなの」と教えてもらう。カンボジア人の女性から、現地の交通機関の話を聞く。70年代から90年代の内戦で荒廃し、首都の辺でもいまだに鉄道が動いていないと教えてもらい、驚く。 p.226 歴史的災厄の現場への観光は、ダークツーリズムと呼ばれる。哲学者の東浩紀たちは、1986年に原発事故が発生したウクライナのチェルノブイリにダークツーリズムを催行していて、福島も同様の目的地にするのが良いと議論を喚起した。それを倫理的に非難する人がいるのは不思議ではない。そのような場所は「観光」、つまり、景観の消費行動にそぐわないのではないかと言う疑問を持たれるからだ。僕もかつて、同じような懸念から、なかなかこの町に行く決心がつかなかった。 p.233 1999年、茨城県で起こった東海村JCO、臨界事故には戦慄した。日本で初めて原発の事故被曝によって死者が出た事件だ。高線量を被爆したことで、染色体の方が完全に破壊され、細胞が再生されなくなる。生き物の体は、常に膨大な数の細胞が死滅しつつも、新しく膨大な数の細胞が再生していくと言う新陳代謝によって維持されているから、細胞が再生されないと、人体はあちこちから血が吹きながらぐしゃぐしゃに崩れていく。僕は、NHK取材半の「朽ちていった命ー被曝治療83日間の記録」を読みながら、掲載された生々しく残酷な写真に恐怖した。2011年、東日本大震災に付随付随して起きた福島第一原発事故もトラウマを残していた。
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