1,800円以上の注文で送料無料

みんなが手話で話した島 ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫
  • 中古
  • 書籍
  • 文庫

みんなが手話で話した島 ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫

ノーラ・エレン・グロース(著者), 佐野正信(訳者)

追加する に追加する

みんなが手話で話した島 ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫

定価 ¥1,188

935 定価より253円(21%)おトク

獲得ポイント8P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2022/10/04
JAN 9784150505943

みんなが手話で話した島

¥935

商品レビュー

3.8

23件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/09/22

通行が制限されたヴィンヤード島。遺伝が原因で、ろう者が多く生まれることから始まる。数多くのろう者とのコミュニケーションのため島の健常者も手話を覚え、学校や教会、内緒話や船ですれ違うときなど健常者同士でも手話で会話することもあった。ろう者は日常生活や結婚に何の妨げもないどころか、州...

通行が制限されたヴィンヤード島。遺伝が原因で、ろう者が多く生まれることから始まる。数多くのろう者とのコミュニケーションのため島の健常者も手話を覚え、学校や教会、内緒話や船ですれ違うときなど健常者同士でも手話で会話することもあった。ろう者は日常生活や結婚に何の妨げもないどころか、州から授業料の助成があることから知識層としてコミュニティに受け入れられていた。 面白かった。イデオロギー少なめ。 ハヤカワではなく1991年築地書館で読了

Posted by ブクログ

2024/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初の入植者が族内婚で、次第に自分たちでも気づかないまま近親婚を繰り返すことになっていったという。 島の人々はわざわざ手話を学んだわけではなく、自然に覚えたという話には驚いた。それほど頻繁に手話が使われていたということだ。健聴者と聾者をつなぐ共通言語としての手話があれば、生活する上で何も問題がないことは証明されているのだな。 手話が当たり前に併用されていた驚きと共に、障害とされるものは社会がつくっていると言っても過言ではないことに悲しい気持ちになる。十九世紀以前の本土での差別の箇所は深刻だった。偏見は主に無知からきていると思うので、ひとつこういった島での歴史があったことを知れて良かった。 副次的なものだが、大っぴらにできない話を手話でとか、距離的に声が届かないときも手話でとか、とてもいいなと思った。

Posted by ブクログ

2024/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

遺伝性の聾者がかつて高頻度で存在していたアメリカのマーサズヴィンヤード島に関するノンフィクション。 遺伝性聾の発祥に関する考察も興味深いが、なにより、島のコミュニティでは聾者が特別視されず、社会的役割や地位も健聴者と変わらなかったという点を興味深く読んだ。 また、訳者の方による注やあとがきも素晴らしかった。 伊藤計劃氏『ハーモニー』でこの島のことを言及されていたのが本書を読んだきっかけ。 島における遺伝性聾の人は本書執筆時点では全員亡くなっていたため、聾者の人数や家族関係などが分からなくなってしまっていた。そもそも遺伝性であるかどうかも当初ははっきりとしていなかったが、著者が住人にインタビューしたり各種書類を検証したりすることによって、聾であった住人の名前が明らかになっていった。その過程で、電話の発明者として知られるベルが関わっていたというのは面白かった。こうした検証から、島における聾は潜性の遺伝によるものであることが分かり、またそのルーツについてもある程度たどることができた。 狭い地域の範囲内でコミュニティが完結し、結果的に近親交配が頻繁に行われたことで、潜性遺伝の聾形質が広まったらしい。 聾者が多数いたことにより、島では健聴者も手話を使えるのが当たり前で、聾者であるとないとにかかわらず地域で役割をはたしていた。というか、住民はふつう、ある人が聾者であるかどうかを意識せず、聾であることをとりたてて大きな特徴とは見なしていなかった。 聾者が加わった会話の場では、たとえ健聴者が多数派であっても、手話によって会話がなされた。ちょうど、海外の人がいる場での会議だと、日本人主体でも英語で話されるのと似ているなと思った。 とはいえ、聾者が多かったとはいっても割合として十数%などだったらしく、他地域と比べると圧倒的に高頻度だったとはいえ、決して多数を占めていたというわけではない。そういった中で聾者が「当たり前」としてみなされていたのには、当時としては発達していた手話の存在など、いくつかの要因が重なり合っていたらしい。 本書では、近代になるにつれて本土の聾に対する視点が持ち込まれたり、島外出身者との婚姻が進むことで次第に聾者が減少していったことも述べられている。 訳者あとがきでは、「手話の島」以外の側面としてのマーサズヴィンヤード島について(映画に登場していることなど)や、聾にまつわる事柄(「聾者」と「ろう者」は意味が異なることなど)が紹介されており、興味深く読んだ。訳注も、数は少ないが、ハッとさせられる記述が多かった。 自分が本書を読んだきっかけは伊藤計劃氏の小説だったが、その友人だった円城塔氏が本書を推薦したことがきっかけで文庫版の再発刊になったらしい。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品