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歴史学者という病 講談社現代新書2670
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2022/08/18 |
| JAN | 9784065260975 |
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歴史学者という病
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商品レビュー
4
32件のお客様レビュー
歴史学の意味とその魅力について深く考察した本書は、著者の半生を通じて、歴史学の奥深さや矛盾を描き出しています。著者は、物語としての歴史に魅了されながらも、大学での厳しい実証主義に直面し、学問の現実と向き合う姿をユーモアを交えて語ります。歴史学の教育や研究の問題点、特に受験制度による影響についても触れ、歴史が時代や世論によって変わりうる恐ろしさを伝えています。さらに、歴史学者としての自らの立場を明らかにしながら、同僚や後進への批判を通じて、学問のさらなる発展を促すメッセージが込められています。多様な歴史観や研究者の考え方を知ることで、読者は歴史学の新たな視点を得ることができるでしょう。
※この内容はAIが作成したものであり、ブックオフ公式オンラインストアの見解や意図を示すものではありません。
歴史学者からの『告発』?!
2023年11月読了。
著者は最近、テレビ等の媒体でもよくお見掛けするし、著作や連載等も楽しんできた一読者であった。
だから本書も「何か歴史学のトリビアが…」くらいの気安さで読み始めたのだが、読んでビックリ!
これは、一人の日本史の歴史学者の嘘偽りない懺...
2023年11月読了。
著者は最近、テレビ等の媒体でもよくお見掛けするし、著作や連載等も楽しんできた一読者であった。
だから本書も「何か歴史学のトリビアが…」くらいの気安さで読み始めたのだが、読んでビックリ!
これは、一人の日本史の歴史学者の嘘偽りない懺悔であり告白であり、尚且つ『このままでは歴史学が形骸化してしまう』と云う告発書ではないか!
「歴史」特に「日本史」と云うものは、小説や漫画で読む分には楽しいものの、「学校の教科」として見れば《年号の暗記ばかりでちっとも楽しくない科目》であるのは、誰一人否定しないと思う。
それでも尚「司馬遼太郎らが書いてるのは大衆文学」等と研究者(専門家)は背を向け、世の若者の好奇心を削いでいる現状を鑑みれば、一般市民が「研究者に期待すること」等も全く無いと思っていた。
しかし本書を読んで、本郷先生の《本気度》に触れ、いつの日か「日本の歴史観」がしっかりと地に根を張る日が来るのではないかと、心躍る様な気分で読み終えた。
システマティックに予算配分したり、上の意向に沿って「英語とIT」を日本史研究のテーマに据えようと思っている文科官僚は、本書を読んで《自分達は国の税金を使って、一体何をしようとしているのか》を国民に正々堂々と説明出来るのか、良く考えて欲しい。
本書は『自分の国の歴史』への責任感を、しっかりと感じ取れる良書である。特に、歴史好きの若い人達には是非読んでいただきたい。
左衛門佐
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
p5 、p143 日本では律令政府が作成した『日本書紀』に始まる6つの国史(六国史)が存在しているが、その後1867年まで国史の編纂は行われていない。その間およそ980年分の歴史ををまとめようという壮大なプロジェクトは明治政府の手で始められ、今現在も継続中である。(この『大日本史料』編纂事業は私(本郷)が勤務する東大史料編纂所が担っている。)この組織を運用していくにあたり、そもそも「日本の歴史」をどう捉えるかという点で当時の漢学者お二人が論を交えた。ざっくり言うと実証史学を重んじる重野安繹が勝利し、退けられた川田剛は國學院大學の素となる皇典講究所を創設した。 皇国史観の素地をつくった川田は『太平記』や『平家物語』のような物語に書かれた記述をこそ重要視する。 p59 学問としての歴史というのは、物語ではない。では物語としての「歴史が得意で大好きだ」というのは具体的にはどのような状態を指すものか。それは、歴史を分析するための国語力を素地とした大局的な構想力と構成力、分析力のことである。 p68 戦前・戦中の歴史学の特徴を一言でいうなら、がっつり「皇国史観」、ということになろうか。天皇を頂点として「万世一系」と現在まで繋がる歴史は、さかのぼると古代よりはるか昔、神の時代までたどり着き、天皇に逆らうような武士による暗黒の中世と対比される。 そして戦後すぐの占領期・戦後復興期においては、マルクス主義的な立場をとる石母田正を中心に据えた歴史学研究会の全盛期を迎えた。しかし日本が本格的復興を果たし、高度成長期を迎えるあたりから、石母田先生の論文や学説は数多くの批判が生まれることとなった。歴史学とは、他の学問に比べて、非常に時代の空気や世の中の雰囲気に影響されやすい学問なのである。 皇国史観が敗戦により否定されると「権門体制論」と「東国国家論」という二つの学説が生まれた。 黒田俊雄の「権門体制論」は、中世にあっても天皇を頂点とする勢力のピラミッドが存在したという考えである。行政を担う公家、軍事や警察を担う武家、祭司を担う寺社家、そして最下部に農民が、荘園制を経済基盤としながら配置されていた。 佐藤進一の「東国国家論」は、鎌倉幕府(東国)は天皇のいる中央とまったく別の国家として発展したという考えである。 歴史学はその後、佐藤進一の門下生であった網野善彦、石井進、笠松宏至、勝俣鎮夫の「四人組」の時代となる。 p83 「歴史学は人間の内面には立ち入れないし、軽々と立ち入ってはならない」 これは佐藤進一先生も述べておられた鉄則中の鉄則である。 心の中や感情を忖度し、さもその人物の胸中を代弁するような発言は作家や文学研究者の仕事である。 p95 「美しいから美しい」では学問ではない。それは優れたラーメンを評論する難しさにも似ている。各々の好みの味、ノスタルジー、立地に店主のあしらいに⋯。仏教芸術の美しさを学問的に表すならば、客観視と尺度の設定、言語化の作業が必要になる。自分の好みをグッと押さえつつ、自分を殺して、万人に開かれた評論を行う、そんなハードルの高さを想起させる。
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歴史は過去の出来事を並べた年表ではない。なぜそうなったのかを問い続ける営みである。歴史学者は古文書の一文字にこだわり、通説を疑い、わずかな証拠から真実を探ろうとする。その「病」とも呼ぶべき探究心が歴史の見方を変えてきた。英雄とされた人物の実像を掘り起こし、忘れられた人々の声に光を...
歴史は過去の出来事を並べた年表ではない。なぜそうなったのかを問い続ける営みである。歴史学者は古文書の一文字にこだわり、通説を疑い、わずかな証拠から真実を探ろうとする。その「病」とも呼ぶべき探究心が歴史の見方を変えてきた。英雄とされた人物の実像を掘り起こし、忘れられた人々の声に光を当てる。歴史は絶えず書き換えられるのである。過去は遠く去った世界ではない。歴史学者たちの終わりなき問いかけは、私たち自身を知る旅へとつながっている。
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