ほどなく、お別れです 思い出の箱

長月天音(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2022/07/22
• JAN: 9784093866484

商品レビュー

2025/11/01

３冊目は、一番良かった。小暮さんが入ったことで、更にいろいろな想いに気づかされた。はじめから、何故か小暮さんに惹かれた。何故だろうかと考えた。不思議なことに最後まで読み進めていくと、自分との小さな共通点に気づいた。奥さんには、生きていてほしかったなあ。葬儀やなどが、疎まれていた時代は本当にあり、そこで働くことが忌み嫌われる切なさ。尊いはずの職なのに、悲しくなる。前途が明るく終了したことに、安心した。

2025/09/09

今回はお葬式に纏わるエピソード中心というより、小暮という新入社員にスポットがあたっています。
その分、葬儀会社の運営や生き残り、業界の傾向などがなるほどと頷く事が多かったです。
そして、死がそれほど遠くない私としては、直葬や一日葬という葬式の仕方に興味を惹かれました。どうしても送る側の気持ちに主眼が置かれがちですが、ご遺体になる側としてやはりこう送られたい。という意志は宣言しておかないといけないな。と思いました。
里見と美空は、ご遺体の意志を汲み取る事ができ、そして漆原がそれを葬式として形式に昇華できる
事で送る側と送られる側の想いが結実するのでしょう。

そして、小暮は送る側の思いに後悔を残して生きている…。小暮の「いつか」への想いはその違いではないかと思いました。

2025/09/04

３作目にして小暮さんという強敵が現れたな〜なんて思っていたけど、、。エピローグを読んでちょっぴり人柄がわかった気がする。寂しい思いを抱えながら生きてきたんだなぁと思った。
あと小暮さんが親や兄弟は自分の意思で選んだものではないけど、伴侶はお互いの意思で結ばれた相手で唯一無二のものっていうのが頭から離れない。たしかにそうだし、自分の意思で選んだ人をもっと大切にしなきゃと思った瞬間だった。
漆原さんが言った"いつか"って言葉はこの先の未来を想像してそれを目標に生きることに繋がるんだって思った。いつかって後回しにしてる言葉と思いがちだけど、長く長く人生かけて叶えていけばいいんだなぁって。
最後の漆原さんと美空の雰囲気がすごく好きで、映画化されてめめと浜辺美波ちゃんが演じるってなった時、２人のイメージがぴったりだな〜と思った。どの場面が映像化されるのか分からないけど楽しみ！