商品レビュー
4.4
8件のお客様レビュー
個人としての闘病記と、それ以外の芸人としての回顧録。 後者は、どうも自慢しがちな点や、情緒的な言い回しに自己陶酔感を覚えてあまり興味をもてない。 だが、その自意識故に、すみずみまで記憶されている。それが、前者の良さに生きる。 前者は、つぶさな出来事や観察、苦痛が赤裸々に表現されて...
個人としての闘病記と、それ以外の芸人としての回顧録。 後者は、どうも自慢しがちな点や、情緒的な言い回しに自己陶酔感を覚えてあまり興味をもてない。 だが、その自意識故に、すみずみまで記憶されている。それが、前者の良さに生きる。 前者は、つぶさな出来事や観察、苦痛が赤裸々に表現されていて、身につまされる思い。これはなかなかよく、芸人という特殊(と彼は思いたい)な職業と病が密接に絡み合って、ただの闘病記を超えた奥深さをあらわせている。 傲岸不遜に生きていける男が、家族を持ってしまったがゆえの、哀しみと喜び。 きっと彼は家族がいなければ、いつ死んでも良かっただろう。家族がいるから、死ぬよりも辛い苦しみを甘受している。 この点がもっと浮き立つと、非常によい本になったと思う。 ともあれ、業が深い。
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すごい本だった。お笑いにはすっかり関心を失っており、東京ダイナマイトの漫才はM-1で何度か見ただけだ。90年代から画期的かつ精力的な活動をされており、その活きのいい時期は自分も東京にいたので、見る機会もあっただろうしもったいないことをした。 闘病の記録が壮絶だ。また、娘さんが奥さんと別れるのを嫌がって間をとりもとうとする様子が切ない。健康も夫婦関係も際どい内容でスリリングで分厚いのにすぐ読み終わった。 努力もされて、素晴らしい仲間に恵まれて、恋愛もされて言うなれば人の何倍も充実した愉快な時期を過ごしていらしたことがうかがえる。誰も経験できない立場にも立っている。お酒をたっぷり飲んでおいしいものを食べて煙草を吸って、ダイエットを心がけていたらこうはならないのにと、残念としか言いようがない。僕はせこい人間なので、マラソンとダイエットと食生活をケチることが合致して、血糖値をあげないことを心がけている。おかげで健康だ。しかし人は自分のやりたいようにやるべきなのでこればっかりはどうしようもない。 この本の続きとなるnoteの文章も買って読んだらますます壮絶で、ハラハラした。人工透析だけは嫌だ。
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感想 芸人のバックヤード。笑いだけを求める客は見なくても良い。1人の人間の歩みを、壮絶な人生を追体験する覚悟のある人のみ。重力がのしかかる。
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