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無垢なる花たちのためのユートピア
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無垢なる花たちのためのユートピア

川野芽生(著者)

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無垢なる花たちのためのユートピア

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2022/06/21
JAN 9784488028589

無垢なる花たちのためのユートピア

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商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2024/09/15

幻想的で美しい描写に目を奪われていると、不意に現実と繋がる「痛み」を差し向けてくるような。 表題作と『卒業の終わり』が特に好き これは……心の奥に刺さって抜けない「棘」になりそう 中高生の頃に読んでたら救われたか狂ってたかの二択だったと思う

Posted by ブクログ

2024/03/26

真っ白な、それでいて少し仄暗いような世界に小さな銀色のホログラムの花びらが散っているような、 読んでいるとそんな感覚に包まれる、とっても惹き込まれる作品集。 とくに表題作と、対になる「卒業の終わり」が好き。 「最果ての実り」もお気に入りです。 全ての作品を通して、ことばも文章...

真っ白な、それでいて少し仄暗いような世界に小さな銀色のホログラムの花びらが散っているような、 読んでいるとそんな感覚に包まれる、とっても惹き込まれる作品集。 とくに表題作と、対になる「卒業の終わり」が好き。 「最果ての実り」もお気に入りです。 全ての作品を通して、ことばも文章もとにかく美しい。 歌人として活躍されている川野さんの詩的な文章は、最初馴染むまで少し読みづらくも感じたけれど、物語や世界観にぐっと引っ張られて何度も目を通していくうちにすっかり没入していた。 (私はその美しいことばたちの辞書を持っていないので、すっと入ってこない文章もあって少し悔しかった。) 表題作 無垢なる花たちのためのユートピア 歳を取らない少年たちのユートピアは果たして本当に楽園か。 1人の少年の死から徐々に明らかになる真実はあまりにも救いがなく残酷、そしてこの物語、全て語られないところで終わる。 彼は、彼らはどうなってしまったのかと思いを馳せるも、どうにも幸せな結末は思いつけない。 だけれども美しい。宝石の国を読み進めている時の気持ちに近いものを感じるし、宝石の国が好きな人はこの作品も好きだと思う(私がそうなので、という理由でしかないが) 特に冬薔薇には幸せになって欲しいんだけどな…… 「卒業の終わり」では、現実離れしたディストピア的世界のなかで、現実で確かに感じたことのある女の子の友達への嫉妬や羨望や執着のような感情がまざまざと描かれる。 そしてそんな絶望的な世界の中、男性たちの人生を支え彩り散っていくためだけに社会に存在させられる女性たちの姿に、そんな一生を教育によって納得させられている姿に、主人公共々怒りを覚えずにはいられない。 希望のあるラストを迎えたことはせめてもの救いだったが、でもこの物語の「私」はもう助からないのでは…… 6作すべて、幸せ円満ハッピーエンドなどではなく、なんとも救いがない。 「最果ての実り」なんてもう本当に救いがない。でももうため息が出るほど美しい。 美しく残酷な世界と耽美なことばたちにうっとり。私はとても好きです。 著者のエッセイ、「かわいいピンクの竜になる」も読んでみたいと思う。

Posted by ブクログ

2024/01/27

多くの装丁画を手掛ける山田緑氏の表紙があまりにも素敵。 やっぱり綺麗な青色は、目を引く。 表題作、その青にふさわしい無垢な少年たちのユートピアのような世界、と見せかけて…という物語。 先生的立ち位置の老人たちのおぞましさ、残酷な世界、不確かさでコーティングされた真実に翻弄される...

多くの装丁画を手掛ける山田緑氏の表紙があまりにも素敵。 やっぱり綺麗な青色は、目を引く。 表題作、その青にふさわしい無垢な少年たちのユートピアのような世界、と見せかけて…という物語。 先生的立ち位置の老人たちのおぞましさ、残酷な世界、不確かさでコーティングされた真実に翻弄される主人公…。 結局誰が好きで、誰を守りたくて、誰に心を奪われていたのかなんて、自分にだって分からない。 「白昼夢通信」人形、竜の血、幻想的なヴェールに包まれたまだ見ぬうつくしいひと。それだけでは終わらないのが、川野芽生文学のようだ。 「人形街」うつくしい彼女を、人形にしてしまいたくないがために、傷つけ続ける男の欲望は許されるのか。 ”生”を投げ出して物言わぬ人形になりたがる彼女は、幸せなのだろうか。 誰にも分からないし、きっとどれも正解には足りえない。 「最果ての実り」機械の男と、植物の少女の邂逅と、永遠の別離。 世界の終わりに描かれた、誰も覚えていない神話、って感じですごいな…。 「いつか明ける夜を」一番断片的だし、際立って幻想小説してる気がする。 馬と少女なんてオタクはみんな好きでしょ。 「卒業の終わり」表題作が一種BLの様相を呈しているのに対して、こちらはちょいと百合風味。 女子高設定だし。 しかしてその女子高の真実とは…うーんディストピア。 搾取されるために生き長らえさせられるのは、知性を持ってしまったゆえに幸福とは限らなくなってしまった。 思考停止した瞬間に、生きることもできず、死に方を選ぶこともできなくなってしまう。 ただの幻想小説だけではない、若い”現代”を生きる女性の描く物語群だなあと思った。

Posted by ブクログ

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