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無垢なる花たちのためのユートピア
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無垢なる花たちのためのユートピア

川野芽生(著者)

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無垢なる花たちのためのユートピア

1,870

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2022/06/21
JAN 9784488028589

無垢なる花たちのためのユートピア

¥1,870

商品レビュー

3.8

17件のお客様レビュー

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2024/10/06

とても素敵で幻想的な世界観だけれど、基本的に、著者の仕事観や人間関係の悩みなどの、ごく私的な問題意識がそのまま反映されたような内容。文体やスタイルなど舞台装置は凝っている一方で、キャラクターの性格や思考、物事の捉え方は、あまりに平凡すぎて面白味がない。居酒屋で友達の愚痴を聞いてい...

とても素敵で幻想的な世界観だけれど、基本的に、著者の仕事観や人間関係の悩みなどの、ごく私的な問題意識がそのまま反映されたような内容。文体やスタイルなど舞台装置は凝っている一方で、キャラクターの性格や思考、物事の捉え方は、あまりに平凡すぎて面白味がない。居酒屋で友達の愚痴を聞いているような、やるせなさを感じた。

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2024/09/15

幻想的で美しい描写に目を奪われていると、不意に現実と繋がる「痛み」を差し向けてくるような。 表題作と『卒業の終わり』が特に好き これは……心の奥に刺さって抜けない「棘」になりそう 中高生の頃に読んでたら救われたか狂ってたかの二択だったと思う

Posted by ブクログ

2024/03/26

真っ白な、それでいて少し仄暗いような世界に小さな銀色のホログラムの花びらが散っているような、 読んでいるとそんな感覚に包まれる、とっても惹き込まれる作品集。 とくに表題作と、対になる「卒業の終わり」が好き。 「最果ての実り」もお気に入りです。 全ての作品を通して、ことばも文章...

真っ白な、それでいて少し仄暗いような世界に小さな銀色のホログラムの花びらが散っているような、 読んでいるとそんな感覚に包まれる、とっても惹き込まれる作品集。 とくに表題作と、対になる「卒業の終わり」が好き。 「最果ての実り」もお気に入りです。 全ての作品を通して、ことばも文章もとにかく美しい。 歌人として活躍されている川野さんの詩的な文章は、最初馴染むまで少し読みづらくも感じたけれど、物語や世界観にぐっと引っ張られて何度も目を通していくうちにすっかり没入していた。 (私はその美しいことばたちの辞書を持っていないので、すっと入ってこない文章もあって少し悔しかった。) 表題作 無垢なる花たちのためのユートピア 歳を取らない少年たちのユートピアは果たして本当に楽園か。 1人の少年の死から徐々に明らかになる真実はあまりにも救いがなく残酷、そしてこの物語、全て語られないところで終わる。 彼は、彼らはどうなってしまったのかと思いを馳せるも、どうにも幸せな結末は思いつけない。 だけれども美しい。宝石の国を読み進めている時の気持ちに近いものを感じるし、宝石の国が好きな人はこの作品も好きだと思う(私がそうなので、という理由でしかないが) 特に冬薔薇には幸せになって欲しいんだけどな…… 「卒業の終わり」では、現実離れしたディストピア的世界のなかで、現実で確かに感じたことのある女の子の友達への嫉妬や羨望や執着のような感情がまざまざと描かれる。 そしてそんな絶望的な世界の中、男性たちの人生を支え彩り散っていくためだけに社会に存在させられる女性たちの姿に、そんな一生を教育によって納得させられている姿に、主人公共々怒りを覚えずにはいられない。 希望のあるラストを迎えたことはせめてもの救いだったが、でもこの物語の「私」はもう助からないのでは…… 6作すべて、幸せ円満ハッピーエンドなどではなく、なんとも救いがない。 「最果ての実り」なんてもう本当に救いがない。でももうため息が出るほど美しい。 美しく残酷な世界と耽美なことばたちにうっとり。私はとても好きです。 著者のエッセイ、「かわいいピンクの竜になる」も読んでみたいと思う。

Posted by ブクログ

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