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美しき愚かものたちのタブロー 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2022/06/07 |
JAN | 9784167918873 |
- 書籍
- 文庫
美しき愚かものたちのタブロー
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商品レビュー
4.4
134件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
原田マハさんの作品はたくさん読んでいるが、自分的にはベスト3に入る気がする。 松方コレクションはなんとなく聞いたことがあったが、その熱い経緯を(フィクションが混ざってはいるが)知ることかできて面白かった。 それぞれの情熱がなければ、国立西洋美術館はできていなかっただろうし、意思を継ぐことでなんとか最後までたどり着いたことを知り、今度行く時はよりしっかり見てみようと思った。 また、どの登場人物も誰かのために動いていた。松方のような周りを巻き込みながら夢を叶えていくような人になりたいなー。 日置が悪役なのかとミスリードさせられたが、むしろその逆であったし、日置の戦時中の描写はずっとハラハラで一気読みだった。
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自身の経験を活かした美術関連の小説を中心に、多くの話題作を発表してきた作家、原田マハ。 自分自身も、最初に読んだ『楽園のカンヴァス』以来、この作家さんの作品を読み続けています。 『リボルバー』 https://booklog.jp/users/makabe38/archives...
自身の経験を活かした美術関連の小説を中心に、多くの話題作を発表してきた作家、原田マハ。 自分自身も、最初に読んだ『楽園のカンヴァス』以来、この作家さんの作品を読み続けています。 『リボルバー』 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4344433068 未読の作品がないか探したところ、美術を題材にしていると思われる、この作品が文庫化されていたので、読むことにしました。 物語は1953年のパリでのシーンから、始まります。 日本を代表する美術史家である田代雄一は、日本政府の特命を受けて、この地にやってきます。 その特命とは、敗戦によりフランス政府に接収されてしまった「松方コレクション」の、返還交渉を担当せよ、というもの。 「松方コレクション」とは、衆議院議員も務めた実業家、松方幸次郎が収集していた美術品のうち、第二次世界大戦時にフランスに残されていたもの。 日仏の外相同士が合意しているとはいえ、戦争の記憶がまだ色濃く残るご時世。 戦争に負けた後、主権を回復したばかりの日本が、戦勝国であるフランスを相手にした交渉は、困難が予想されました。 フランスの交渉担当者が旧知の人物であることに期待した田代ですが、その相手から厳しい条件を突きつけられてしまいます。 敗戦国に対する”申し渡し”のような態度に、憤る田代。 果たして、この状況を好転させることは出来るのか・・・という始まり。 自分自身、国立西洋美術館の常設展を繰り返し鑑賞してきたので、松方コレクションのことについておおよそは、知っていました。 それでも、松方本人や彼のコレクションを支えた人物が登場する「物語」として読むと、彼が集めた西洋美術品の数々を、今の自分たちが鑑賞できているということが、奇跡のように思えてきました。 大きなことを成し遂げるには、中心となる人物の強い思いが必要。 強い思いは時間と空間を超えて、他の人々の力を集める。 実行力を持つ人々が、それぞれの役割を全うしてはじめて、大きなことは実現に至る。 「美術、芸術が持つ力は、社会を変えられる」という、原田マハのメッセージを強く感じた、作品でした。 .
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原田マハさんのアート小説 画家そのものというよりは、どのような経緯で絵画が美術館に飾られ、私たちが鑑賞できるのか本当によくわかった作品である。 戦渦の中、造船業を指揮していた松方であるが、1枚の絵をきっかけに絵画にのめりこむ。「一枚の絵は軍艦一隻に相当する力を秘めているかもしれな...
原田マハさんのアート小説 画家そのものというよりは、どのような経緯で絵画が美術館に飾られ、私たちが鑑賞できるのか本当によくわかった作品である。 戦渦の中、造船業を指揮していた松方であるが、1枚の絵をきっかけに絵画にのめりこむ。「一枚の絵は軍艦一隻に相当する力を秘めているかもしれない」と思った松方は国内に美術館を造ろうとタブローを集める。戦中の混乱の中、松方の意向に共感する人たちによって命がけで守り続けられてきたタブロー。そうして現在西洋美術館で鑑賞させていただけるかと思うと頭が下がる思いだ。 「それがなくても生きていける。それがあれば人生は豊かになる。」本当にそうだと思う。日々疲れた時にソファーに座って絵を見ていると疲れが取れる。絵画の力ってすごい。
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