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美しき愚かものたちのタブロー の商品レビュー

4.4

106件のお客様レビュー

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    52

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

国立西洋美術館には新しい展示会が始まるたびに行っていた。つい先日もピカソ展を観に行ってきたくらいだ。常設展の中でもお気に入りのルノワール。松方コレクションの展示パネルは読んでいたが、まさかこんなエピソードが隠されていたとは。登場人物全員がタブローに魅せられた愚か者だけど、信念を持っていて美しい。また美術館に行きたくなった。松方さんに感謝して。 (読書メーターからの転記)

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2024/05/27

再読。 少々複雑な歴史背景のため、初読では理解しきれなかったが、国立西洋美術館誕生までの歴史を感じることができ、とても良い作品だと感じる。 「戦争ではなく、平和を」という、本作の大きなメッセージは、普遍的なものであると思う。文化で人々をつなぐことの大切さを改めて感じた。

Posted byブクログ

2024/05/24

日本を文化的に成熟させる手段として、近代的な美術館を設立し民衆に本物の美術品を見せる。その思いを胸にフランスから本物の美術品を収集した新鋭の東洋人コレクター松方が、国立西洋美術館へと続く長い道筋を力強く、リアルな人間描写の基に描き上げた一作。戦禍に巻き込まれて翻弄される東洋人と美...

日本を文化的に成熟させる手段として、近代的な美術館を設立し民衆に本物の美術品を見せる。その思いを胸にフランスから本物の美術品を収集した新鋭の東洋人コレクター松方が、国立西洋美術館へと続く長い道筋を力強く、リアルな人間描写の基に描き上げた一作。戦禍に巻き込まれて翻弄される東洋人と美術品の運命を辿る。日本が先進国として、文化大国として世界に誇るように至るまでにあった先人達の奮闘を感じることが出来る作品であり、美術館というものの存在について新しい視点で関わることが出来る。

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2024/04/29

絵画は、考えるより感じるもの、というフレーズが印象的。本にも通じる。 絵画コレクターからの視点が新鮮的だった。強烈なキャラクターで収集する姿と、時代の流れとともに勢いと衰退する様が儚い感じ。

Posted byブクログ

2024/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後のほうで、田代が亡き日置のためにゴッホ「アルルの寝室」をフランスとの寄贈返還の交渉をあえてやめて残留させるところがとても感動しました✨ 人の想いを紡いでいくストーリーで良い読書時間を過ごせました♪

Posted byブクログ

2024/04/26

またしてもよい小説だった。 自分もその時代にいて近くで物語を見ているような、またタブローがする呼吸まで感じるような。 ますます色々なタブローを間近で見たくなる。

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2024/04/14

どうしてゴッホの作品が表紙になっているのか?と考えながらページをめくりました。(もちろん読んでいた中でしっかりと納得) ゴッホやモネそしてその作品の素晴らしさについては、すでにマハさんの作品からかなり吸収できていたつもりでした。しかし、いやいやまだまだ。様々な角度でマハさんは楽...

どうしてゴッホの作品が表紙になっているのか?と考えながらページをめくりました。(もちろん読んでいた中でしっかりと納得) ゴッホやモネそしてその作品の素晴らしさについては、すでにマハさんの作品からかなり吸収できていたつもりでした。しかし、いやいやまだまだ。様々な角度でマハさんは楽しませてくれます。 本作品の主人公たち。松方幸次郎、田代雄一(矢代幸雄)、日置釭三郎という実在した人々を中心にしてストーリーを展開しています。日清戦争、日露戦争、第一次大戦を経てきた、まさしく江戸時代から現代へと向かう日本文化の成長の礎となる歴史の動きを感じることができました。 富国強兵を掲げながらも、絵画を初めとした文化が一般大衆に根付かなければならないということにこだわった当時の上流階級の選ばれし人々。まあ、作品に登場する人々は超上流階級の人々であり、市井の人ではない。少し眩しい憧れのようなものを感じてしまいました。 本作は「松方コレクション」が日本文化に与えている重みを感じさせてくれる作品でした。 国立西洋美術館の完成は第二次大戦後となったのだけれど、その前に絵画を中心とした様々な文化、当時の先進国の一般大衆の文化が日本にも入っていたとしたら、果たして第二次大戦に踏み込んだのだろうか?ふと、そんなことを考えてしまいました。 マハさんのおかげで、いろんなことを考えされられました。政治、経済、文化、戦争、人々の営み、、、さらに今では地政学ですかね?微妙なバランスは今も昔も変わらないですね。

Posted byブクログ

2024/03/25

タブローにかけるそれぞれの熱い想いを知る前と知った後では、見方が変わりそうです。それぞれ全然違う人生で、タブローとの関わり方も違うけど、みんなにとって特別であることには変わりない。 国立西洋美術館もう一度行きたくなりました。

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2024/03/14

一つの美術館のために、こんなに情熱を捧げた人がいて、命懸けで守った人がいて、尽力した人がいたことを知り、心から感動しました。 戦争で失ったものも多く、戦争で狂ってしまったことも多く、それがとても悲しいです。 それでも困難を乗り越えて守り抜いた絵画や彫刻、そして国立西洋美術館の誕生...

一つの美術館のために、こんなに情熱を捧げた人がいて、命懸けで守った人がいて、尽力した人がいたことを知り、心から感動しました。 戦争で失ったものも多く、戦争で狂ってしまったことも多く、それがとても悲しいです。 それでも困難を乗り越えて守り抜いた絵画や彫刻、そして国立西洋美術館の誕生は彼らがいなければなかったことなのですね。 そこにあるのが当たり前と思っていた美術館、美しい絵画をいつでも見られることを心から感謝したいです。

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2024/03/13

タブローにかける情熱。 敗戦国日本に本当の豊かさ、本物の美術を見せれる美術館をと願い行動した人々の情熱。 胸が熱くなった! パリには行ったことないけれど、若き田代の目線で芸術の都、パリにワクワクドキドキした! 直島の地中美術館でモネの絵を見てからモネが大好きになったけど、この...

タブローにかける情熱。 敗戦国日本に本当の豊かさ、本物の美術を見せれる美術館をと願い行動した人々の情熱。 胸が熱くなった! パリには行ったことないけれど、若き田代の目線で芸術の都、パリにワクワクドキドキした! 直島の地中美術館でモネの絵を見てからモネが大好きになったけど、この小説に出てくるモネとモネの庭の描写を読んでますます大好きになった! この衝動のまま今からモネの絵観に向かっているところ!

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