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イスタンブールで青に溺れる 発達障害者の世界周航記
定価 ¥1,870
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2022/04/26 |
JAN | 9784163915326 |
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イスタンブールで青に溺れる 発達障害者の世界周航記
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商品レビュー
4.1
12件のお客様レビュー
ヨーロッパを中心に各地を旅してきた著者が、自閉症とADHDの体感と経験を文学と現実のはざまに揺蕩いながら語った紀行エッセイ。 『創作者の体感世界』を読み、横道さんのことをもっと知りたいと思って手に取った。本書ではよりつっこんだパーソナルな経験談が語られている。『創作者の〜』で...
ヨーロッパを中心に各地を旅してきた著者が、自閉症とADHDの体感と経験を文学と現実のはざまに揺蕩いながら語った紀行エッセイ。 『創作者の体感世界』を読み、横道さんのことをもっと知りたいと思って手に取った。本書ではよりつっこんだパーソナルな経験談が語られている。『創作者の〜』で埴谷雄高も好きそうだなと思っていたら本書に『死霊』の話がでてきて地味に嬉しい。 第Ⅰ部から第Ⅲ部へと進むうちにメイントピックが現地での体験からブッキッシュな連想と個人的なエピソードへ移り変わっていくのだが、なかでも第Ⅱ部の「廃墟の文体」は読んでいて共感というか、胸がジンと熱くなった。"文章が上手くなる"のと比例して自分のことばが腐っていくような感覚。横道さんの場合はそこに外国語学習に伴う自己規制も加わり、自分で自分をがんじがらめにしてしまう。苦しみを経て獲得した自分のスタイルに「廃墟の文体」と名付けたのが美しい。 横道さんの旅は常に本への旅でもある。でも、エジプトでトーベ・ヤンソンを連想したり沖縄でコレットを連想したりと一筋縄ではいかない。私にはここに〈読者〉というものの生き方が表現されている気がする。読んだことばを心にしまって、作者や本来の文脈から切り離されたところでそれを取りだして自分の体験に貼り付けてしまう。そんな自分だけのスクラップブックを作りだしていくのが読者の人生だと思う。この本もまさにそんなスクラップブックだ。
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発達障害当事者の横道誠さんによる海外周遊記。思索と文学作品の引用が散りばめられていて、毎晩毎晩、眠る前に一都市ずつ読みました。
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スペクトラムの自分の症状を冷静に捉えて書いてくれているので、分かりやすい。中の人はそうなんだ…と思いながら読んだ。 所々に文学作品が挟まれているのも良かった。 チェーホフの「ワーニャ伯父さん」 ね、ワーニャおじさん、生きていきましょうよ。長い、果てしない、その日、その日を、いつ...
スペクトラムの自分の症状を冷静に捉えて書いてくれているので、分かりやすい。中の人はそうなんだ…と思いながら読んだ。 所々に文学作品が挟まれているのも良かった。 チェーホフの「ワーニャ伯父さん」 ね、ワーニャおじさん、生きていきましょうよ。長い、果てしない、その日、その日を、いつ開けるともしれない。夜また夜を、ずっと生き通していきましょうね。運命が私たちに下す試みを、辛抱強くじっと捉えていきましょうね。今のうちも、やがて歳をとってからも、片時も休まずに、人のために働きましょうね。やがて、その時が来たら、素直に死んでいきましょうね。あの世へ行ったら、どんなに私たちが苦しかったか、どんなに涙を流したか、どんなに辛い一生を送ってきたか、それを残さず申し上げましょうね。すると神様も気の毒にと思ってくださる。その時こそおじさんおじさん、あなたにも私にも明るい素晴らしいなとも言えない生活が開けて、まぁ嬉しいと思わず声をあげるのよ。
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