瞬間

ヴィスワヴァ・シンボルスカ(著者), 沼野充義(訳者)

• 販売会社／発売会社: 未知谷
• 発売年月日: 2022/04/08
• JAN: 9784896426595

商品レビュー

2023/11/12

ふとしたことで出会ったシンボルスカの詩集。名前は知っていても読む機会はなかったのだが、これまでもったいことをしていた。

とてもポーランドらしい灰色がかった環境下で小さな単色の花が咲くような感覚に包まれ、かつ彼女の円熟さを感じるよいひとときでした。

出だしの「瞬間」の終わりでじーんとくる。

見渡す限りここを支配しているのはこの瞬間。
それはいつまでも続くように招かれた
地上の瞬間のひとつ。

ひしめき合う世界でp11
雲p16
とても不思議な三つのことばp26
水たまりp45
もよかった

2022/10/25

ひしめき合う世界で
p14
運命はこれまでのところ
私にやさしかった。

とてもふしぎな三つのことば
p26
「未来」と言うと
それはもう過去になっている。

「静けさ」と言うと
静けさを壊してしまう。

「無」と言うと
無に収まらない何かをわたしは作り出す。

表紙の裏に印刷された「とてもふしぎな三つのことば」に一目惚れして購読。『終わりと始まり』も未読だったので、詩の後にある解説を参考にしながらちびちび読みました。それでも感じるのは、深い老いと諦観と死者やもう失われた者への言葉。

2022/06/15

『すべて』がよかった。「いっさい」ということばも加えたい。
『思い出すこと』がかわいくて、新宿の紀伊國屋書店でこの詩を立ち読みして、その場で買った。