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森鴎外 よみがえる天才 8 ちくまプリマー新書399
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森鴎外 よみがえる天才 8 ちくまプリマー新書399

海堂尊(著者)

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森鴎外 よみがえる天才 8 ちくまプリマー新書399

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2022/04/07
JAN 9784480684257

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商品レビュー

3.3

5件のお客様レビュー

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2024/06/09

医師にして作家の海堂尊による森鴎外の伝記 ちくまプリマー新書であるが、序章から第7章まで全285ページにわたり、森鴎外の活動を生誕から死亡まで詳細に追っている。 各章の扉に森鴎外の写真をのせ、年表、図表も掲載している。 森鴎外については、今まで関心を持って、鴎外に関する書籍を2...

医師にして作家の海堂尊による森鴎外の伝記 ちくまプリマー新書であるが、序章から第7章まで全285ページにわたり、森鴎外の活動を生誕から死亡まで詳細に追っている。 各章の扉に森鴎外の写真をのせ、年表、図表も掲載している。 森鴎外については、今まで関心を持って、鴎外に関する書籍を2,3冊読むなど大まかな経歴を把握しているつもりだったが、今回、ほぼ1年ごとに鴎外の活動を仕事、文学、 そして、私事、家族の観点から1冊にまとめて通読してみると、鴎外の人生の活動量に圧倒される。今まで、鴎外の一部分を表面的にしか捉えていなかったことがよくわかった。 本書の記述は面白いエピソードがあるというよりは、淡々とした事実が積み重ねられていく記述であるが、そこは作者の文章力のおかげで、常に興味を持って最後まで引き付けられた。 鴎外の人生は、軍医総監や、文学博士、小説家としては社会的には成功したが、個人的には、大きな挫折、失敗をしていることを生涯、忘れることはなかったのではと思われた。 鴎外のそもそもの留学の目的が脚気問題の調査であったように、脚気は鴎外にとって軍医としての一大テーマであった。 しかし、しかしその最重要テーマについて、ライバルの北里柴三郎 や海軍などが問題を正確に捉えており、鴎外(及び直接の上司である石黒)は、原因、対策を見誤っていた。そのために何十万人という日本の若い国民を殺してしまった。そのことについて、鴎外は苦悩したのであろうか。 また、エリーゼバイゲルトを見捨てたことも、鴎外にとっては大きな挫折だっただろう。 4年以上に及ぶ ドイツ留学は鴎外の精神性、人としての生き方にただ決定的な影響を与えたように思う。また、鴎外はドイツでの体験を肯定的に 捉えているようだが その後一度も ドイツに赴こうとしなかった。自分の息子などがドイツに留学する際など、鴎外がドイツに行くことのできる機会はあったはずだが、決して一度も ドイツに行こうとしなかったのは舞姫事件の影響が大きいのではないか。 鴎外は早熟な、秀才、優等生だと思っていたが、 ドイツでは陸軍からの命令に従わないなど、若いうちから 自己主張が強く、上司を自分の利益のために動かすことも厭わない、かなり利口主義的な、上昇志向の強い人間だと思われた。 また帰国後も自ら医学雑誌を創刊し、上司の軍医総監などの医学界のトップを苛烈に批判し続けるなど、決して、組織に従順な人間ではなく ドイツ人のように攻撃的で自己主張の強い人間であったようである。 本書により、鴎外の人生について、軍医としての活動から包括的に捉えることができた。 以下は主に印象に残った記述。 P 53 青山胤通 「4期3席の俺は吃音があり自由に不向きと言われ候補から外されかけた。そこで三宅医学部学長に直談判した。囲碁と同様に縁台な構想で布石を打っておくことが重要だ。」 P 93 煤煙の街ライプツィヒで文学の鉱脈に遭遇し、宮廷の街ドレスデンで貴族文化の精華に触れ、青春の街ミュンヘンで演劇、演奏会、絵画鑑賞に耽溺する文化的生活を堪能した。林太郎がドイツで文学に遭遇したのは天命だった。宙ぶらりになった林太郎はやむなくまたも独断でベルリンに行くことにした P 97 石黒忠悳 門閥と縁がなかった石黒は自らの手で人脈を築いた。手紙を書き、人脈維持にあらゆる努力を費やし情報通になった結果、山県公の友人として遇される。 石黒は人脈と政治力を使い、失脚寸前の土俵際から大逆転を演じたのだ。 P 218 明治44年1月三田文学のカズイスチカで大学卒後に父の医院を手伝った時の経験を書き、臨床家の父を賞賛し、自分のことを「遠いあるものを望み、目の前のことをいい加減に済ませる」と反省している 明治44年3月4月の三田文学「妄想」 「生まれて今日まで自分は何をしているか。始終何者かに鞭打たれ、駆られているように学問ということにあくせくしている」と内省的に書き「日の要求を義務としてそれを果たしていくことができない。足るを知らず永遠なる不平家」と自省の言葉が多く、半年後に陸軍軍医の最高位に昇り詰めるようには思われない。ドッペルゲンガーを望む姿勢は、鴎外文学では本体を抜けてた魂が影となって現れた。

Posted by ブクログ

2023/07/31

森鴎外は臨床に立たなかった医師、政治家ともよく関わった軍医総監であり帝室博物館総長として人生を終えた人物。まさに複雑怪奇な天才だろう。 内容は軍医時代のところに多く割かれているため「作家・森鴎外」より「軍医総監・森林太郎」に興味のある方向け。

Posted by ブクログ

2022/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

〇『舞姫』『高瀬舟』しか読んでいなかった。これを機に手にとってみたいと思う 〇文学史でぼんやりと知るだけだった森鷗外を詳細におっていけた。 正倉院のことが、一番ありがたく思う 今度訪ねたときは森鷗外のことを思い出したい 〇脚気についての記述はつらい 死者や苦しんだ人々のことを考えると…。政治家ではなく科学者が医学に関わらないといけない 森鷗外の軍医時代をメインに生涯を追う ・森家  長男、神童  母と祖母の妄執  西周 ・ドイツ  文学と絵画への傾倒   詩作への姿勢  読書三昧  医学研究  ナウマンへの反論  赤十字社へ日本としての面目躍如  エリーゼとの恋  友人たちとの交流 ・軍医  脚気との生涯にわたる悪縁  脚気が森林太郎を軍医にし、科学者としての森林太郎を殺した  ※当初は真摯な姿勢での白米推進だったが、後期は軍の政治での白米推進だった  軍の権力闘争  台湾戦役  日露戦争  軍医総監時代 ・家族  嫁姑問題を文にして、嫁に激怒される  長女への愛情  別れ ・北里柴三郎と森林太郎  共に研究をした時代もあったが、袂をわかつ  北里は雑記や日記が少なく、森は日記等は都合の悪いことは改竄・削除した  細菌学の分野で北里は森を凌駕する ・史伝小説 ・夏目漱石 ・翻訳活動 ・正倉院業務の環境を整える  

Posted by ブクログ