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女人入眼
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永井紗耶子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2022/04/07
JAN 9784120055225

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商品レビュー

3.8

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2024/08/12

頼朝と政子が大姫を入台させようとしていた。 一方、六条も鎌倉と結ぶべく女房の衛門の周子を鎌倉に派遣し、大姫の入台を助けようとしていた。 周子は大姫に会おうとするが、うまくいかず、理由を探るために様々な人と会う。 そこで見えてきたことは北条と比企の争いと政子に苦しめられ、身動...

頼朝と政子が大姫を入台させようとしていた。 一方、六条も鎌倉と結ぶべく女房の衛門の周子を鎌倉に派遣し、大姫の入台を助けようとしていた。 周子は大姫に会おうとするが、うまくいかず、理由を探るために様々な人と会う。 そこで見えてきたことは北条と比企の争いと政子に苦しめられ、身動きが取れなくなってしまっていた大姫の現状であった。 NHKの鎌倉殿とまた違った解釈の政子の北条への想いの強さと強引さを目の当たりにした。 大姫が入水自殺し、周子の役目が終わる。 最後は政子と周子の対話で、東大寺の女人入眼になぞらえて、政子という尼将軍が君臨する世を表す。

Posted by ブクログ

2024/07/08

周子が語り手となり、筋を引っ張って行くにはいささか影が薄すぎる。 NHKの大河ドラマは全く見ていないのであまたのレヴュ―とはニュアンスの異なる印象を受けたことは否めない。 端々に色彩を伴う「日本的、中世浪漫」の情感が溢れていることはいい読後となった。 作品の骨となった「頼朝の長...

周子が語り手となり、筋を引っ張って行くにはいささか影が薄すぎる。 NHKの大河ドラマは全く見ていないのであまたのレヴュ―とはニュアンスの異なる印象を受けたことは否めない。 端々に色彩を伴う「日本的、中世浪漫」の情感が溢れていることはいい読後となった。 作品の骨となった「頼朝の長女 大姫と生母である北条政子」のいかんともしがたいすれ違う心。 それは大姫が5歳の時に出会いがあった木曽義仲の長男 義高との別れ、さらにそこに秘められた頼朝の打算が黒く働いている。 気鬱と称しての奇矯な行動は今でいえば双極性障害?或いは不安神経症?何れにせよ過度に神経を病んだ女性特有の症状。 これまた打算的に京から送られた「大姫入内に際するマネージャー?」的うら若き周子にはかなり心的負担がハードな任務 京と鎌倉の地理的のみならず精神構造、裏面に動く計算の異なり・・裏で対することになる政子VSだ丹後局。 後者は何と言っても「女を武器に政争の碁石」たらんとする女という事もあり、政子の方が遥かにどす黒さしたたかさは軍配が上がる。 広元の娘という由緒正しい周子ですら歪んだ恨みで襲われもしたこの時代。 直木賞ゲットにはいささか温度の低さが散見する。 何かあるな・・と思わせる海野と周子の出会いは最後でハッピーエンドに結び、コミック調にしたのは~ま、いいか。

Posted by ブクログ

2024/05/30

木挽町町のあだうち文庫化待ち、図書館にある永井さん全部読みます、8作目 こちらも直木賞候補になった作品 鎌倉の武士社会として描きながら、その中で生きていた女性たちを 京の六条院から派遣された女房周子の視点から 鎌倉殿の13人を見ながら読んでいたらさぞおもしろかったでしょうと思い...

木挽町町のあだうち文庫化待ち、図書館にある永井さん全部読みます、8作目 こちらも直木賞候補になった作品 鎌倉の武士社会として描きながら、その中で生きていた女性たちを 京の六条院から派遣された女房周子の視点から 鎌倉殿の13人を見ながら読んでいたらさぞおもしろかったでしょうと思います が、残念ながら見ていないんですね 頼朝の妻政子は、娘大姫を帝の后として入内させたいと強く望んでいた そこに娘の最高の幸福を信じるからだ 周子は、大姫の入内準備のため派遣されてきていたのだが、大姫が入内を望んでいないのだ だから教育は捗らない 幼い頃 許嫁だった木曽義高を殺されて以来 大姫は気鬱とされて自分の気持ちも口に出さない 周子は、頑なな大姫の気持ちを解いていく そしてその本心を聞いた時 彼女の願いを叶えたいと思う その気持ちは、政子には届かない パワフルで過保護な母親、政子 鎌倉殿達の政略的な入内画策とは違う 母親としての愛情だったのだと思う そして、母娘の物語で終わらず、その後の承久の乱からの武士社会での政子の役割 娘を亡くし頼朝を喪いながら 女人入眼としたところは 永井さんほんとうに歴史が好きなんだろうなあと思った

Posted by ブクログ

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