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小隊 文春文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2022/05/10 |
JAN | 9784167918774 |
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小隊
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商品レビュー
3
43件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『小隊』 文藝春秋の砂川さんと小泉悠さんの対談で兼ねてより読んでみたいと思っていた作品。 2022年にウクライナで戦争が始まったことはひどくショッキングでありセンセーショナルであったので、日々戦況や惨状を割とニュース等で追っていたが、そこで戦っている人の様子はなかなか想像がつかなかった。この作品を読んで、戦場での個人の目線を一つ与えてもらえたように感じた。 死が紙一重に隣接する戦闘の中で、頭中沸騰しながらも訓練で培われた戦闘所作はオートマティックに体を動かし、そして時々私生活のあれこれが思考に去来する。何日も風呂に入れず痒い全身、体を締め付ける重い装備、散らばった肉片のディティールや、集団内における個人の打算への怒りと葛藤。 戦場には多数の確かな個がいながら一度向かい合えばこれもまたオートマティックに味方と敵に別れてしまう。外にいれば分からない、これが戦争が絶えない理由の一つかもしれないと感じた。 『戦場のレビヤタン』 傭兵としてセキュリティー会社からイラクの施設に派遣される元自衛官の話。「イラクの砂漠に伸びる果てしない一本道と、十勝の雪原の風景とがオーバーラップした」 『市街戦』 自衛官の幹部候補生の演習中の話。舞台は九州は佐賀から長崎にかけて、行軍・戦闘演習が行われる。Kはリーマン・ショック時代の就職氷河期世代のようだが、就職難から自衛官になったのではない様に思われる。正直Kにドン引きしてしまうシーン(回想または白昼夢?の内容)もあったが、自分が生きる場所がここではない感という点では理解が出来る気はした。そして、一種エマージェンシーな状況のほうが生を感じられているのではないかという体験はわずかながらにも自分にもあった。(今となってはPTSDに近いものもあるので二度とごめんだが) 現在、高校世界史の勉強を今更ながらしている。(高校地理選択で歴史がさっぱりなのだが、歴史的文脈が分かれば日々目に留まる情報がもうちょっとは面白くなるかもと、今更ながら)安直だが、人間が幾多の戦いの末勝ち残ってきた生き物であるならば、緊急事態に生を見出すことは生物的にはあり得るのかもしれないとも感じた。 3作品を通じて… 専門用語が多いので都度検索しながら読み、大変勉強になった。2025年現在の世界の価値観は少し変化してきているように感じられる。力(軍事や経済)の論理を良しとする傾向を感じるが、戦争が良しとされる世の中にはなってほしくないと思う。
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最近戦争ものの小説を読んだせいか、おススメされたので読んでみた一冊。元自衛官が描く戦場のリアル…という惹句なのだが、こういうエグいのが読みたかったわけじゃないんだよなぁ…。
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「小隊」 北海道に攻め込んできたロシアにボコボコにされる陸自の話。彼らが前線で酷い目に遭いながらも、ラジオからは音楽番組が流れてくる。住民に避難を勧めに行けば、こっちには生活があるんだとつれない返事が返ってくる。 現に戦争が始まったのだから、自衛隊以外の国民も戦争とは地続きに...
「小隊」 北海道に攻め込んできたロシアにボコボコにされる陸自の話。彼らが前線で酷い目に遭いながらも、ラジオからは音楽番組が流れてくる。住民に避難を勧めに行けば、こっちには生活があるんだとつれない返事が返ってくる。 現に戦争が始まったのだから、自衛隊以外の国民も戦争とは地続きになるはずなのだが、そんな実感は沸かないのがリアルな戦争なのだろう。物語の中で人が死んでいくのだが、悲しさとか敵への怒りみたいなものは湧いて来ず、なんというか、なんでこの人たちはこんなことをしなくちゃいけないんだろうという直観的な疑問が浮かんでくる。そりゃもちろん、敵が攻めてきたら戦わなきゃいけないのだから、疑問に思うことなんてないのだが。 著書が自衛隊を辞めたこととリンクしているかは分からないが、国家の戦闘行為を担う自衛官という役割に「馬鹿馬鹿しさ」を感じさせてしまう物語だなと感じた。 「戦場のレビヤタン」 小隊とは打って変わって主張の激しすぎる主人公の傭兵の語りがとにかく読んでいてしんどかった。 主人公の置かれた立場の弱さだったり悲しさの感情みたいなものが、ただ説明されている感じだった。キャラの立つライトノベルならアリなのかもしれないけど、純文だと旨みがないというか…… 「市街戦」 自衛官候補生という「自衛官」であり「社会人」になる過程、言うならば卵の殻を破り世界に出ていく直前期の演習が描かれ、ところどころで夢とも過去ともつかない、追憶のような大学生活の場面場面が挿入される不思議な小説。 社会人へのイニシエーションというよりは、混沌とした世界に飛び込んでゆく不安のような、混沌としつつも守られている公務員の世界に飛び込んでゆく安寧のような感覚が伝わってくる。 吉祥寺で繰り広げられる市街戦は、リアルな戦闘描写に近付きつつ、歩行者達は主人公を醒めた目で迷惑そうに眺めていてリアルでは無い。大学生活の回想もおぼろげ。行軍で頭がぶっ壊れている感覚がリアルで良い。ぶっ壊れることによって現実を無理やり受け入れるというか、自分を歪なかたちの現実に溶かし込むというか、そんなプロセスを描いた小説として読めた。
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