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小隊 の商品レビュー

3.1

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    3

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2026/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

演習とは違う本物の戦闘が迫ってくる緊迫感、その隣ではいつもとほとんど変わらずに行われている日常の奇妙さが恐ろしくもある「小隊」、生を感じるために死と隣り合わせの戦場に赴く傭兵から、現代の抱える問題を垣間見る気がする、「戦場のレビヤタン」が印象的だった。小説ではあるが、元自衛隊という著者の醸し出すリアル感が、ストーリーに引き込ませる作品だった。

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2025/11/16

戦争がテーマの文学は難しそうで読みづらいと思い込んでいたがこの作品は違いました。内面がよく描けており面白い。

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2025/07/03

元陸自幹部の著者がリアルな戦闘を描く。 1作目は表題作。 政治が混乱している合間を縫って、侵攻目的が不明なロシア軍旅団が北海道内に侵攻してくる。 長い待機の末に、主人公が所属する中隊も他部隊と共に防衛の戦線を開く。 主人公は自分の受け持つ小隊の小隊長として初めての戦闘指揮を執る...

元陸自幹部の著者がリアルな戦闘を描く。 1作目は表題作。 政治が混乱している合間を縫って、侵攻目的が不明なロシア軍旅団が北海道内に侵攻してくる。 長い待機の末に、主人公が所属する中隊も他部隊と共に防衛の戦線を開く。 主人公は自分の受け持つ小隊の小隊長として初めての戦闘指揮を執ることになるが。。 2作目は人生に倦んだ元自衛官が刺激を求めてPMCに参加し、バグダッドで対テロ警護任務に就く話。 3作目は幹部候補生時代の過酷な行軍中に白昼夢のように過去と現実が混じりあっていくある意味トランス状態のような話。 2作目と3作目は正直、微妙な印象だったが、1作目はよくここまでリアルに戦闘経過を描けたなと感心する出来だった。 まさにプライベートライアンを見ているよな気分になった。 実際の戦闘が始まった時、イデオロギーや感情の入り込む余地は無くなり、ひたすら虐殺の場が出来上がるだけである。 そこではすぐ隣にいた同僚が即死しても感情が動くことは無くなり、ただただ体が動くだけという世界。 一度、戦闘が始まってしまえばそこには命の大切さも輝きもなくなり、他者がモノような価値になってしまうのが心底恐ろしいと思った。

Posted byブクログ

2025/05/14

表題作が素晴らしかった。 日常が戦争に侵食されていく様子が生々しく、読んでいて息が詰まるような描写の連続。 しかも、訓練慣れしている主人公たちの日常と、民間人の本当の日常の間には更に隔絶があり、読了感には虚しさを覚える。 自分たちが何気なく過ごしている日々の地続きにある未来、もし...

表題作が素晴らしかった。 日常が戦争に侵食されていく様子が生々しく、読んでいて息が詰まるような描写の連続。 しかも、訓練慣れしている主人公たちの日常と、民間人の本当の日常の間には更に隔絶があり、読了感には虚しさを覚える。 自分たちが何気なく過ごしている日々の地続きにある未来、もしくは見えていないだけで、今すぐそこで起きている出来事なのかもしれない。心の底にずしんと重たく残る話だった。

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2025/08/10

台湾有事の可能性が高まった今、戦争が起きたら、自衛隊の方々はどういう事をするのか、リアルに想像できる。さすが元自衛隊の方が作家さんなだけある。 普段聞きなれない言葉がとても多いので、スマホで調べながら読んだ。掩体とか、交通壕とか。 小隊とか大隊とか、分隊の定義は書いてほし...

台湾有事の可能性が高まった今、戦争が起きたら、自衛隊の方々はどういう事をするのか、リアルに想像できる。さすが元自衛隊の方が作家さんなだけある。 普段聞きなれない言葉がとても多いので、スマホで調べながら読んだ。掩体とか、交通壕とか。 小隊とか大隊とか、分隊の定義は書いてほしかったな。 中国じゃなくて、ロシアが北海道から攻めてくる、てとこが、またあり得るなー、と思う。ウクライナに侵攻した事を考えると、なおさら。北方領土の問題もあるしね。 戦闘中であってもコーラが飲みたいとか、めんどくさいとか、感情の描写が人間くささを醸し出してる部分と、戦闘で人が死んだり、「肉片が〜」のような緊迫感のあるアンバランスな描写が、うまく書かれて次々とページを捲らせる。  また、相手の兵士がほとんど出てこないことが、結構怖い。敢えてそういう書き方してるんだね。砲弾や砲撃が、次々と連続してくるとこが、何ともしようがなく、絶望的で、主人公が生き残っていることが、たまたまであるとこが恐ろしい。 相手の兵士が出てこれば、「ジョン・ウィックみたいにやっつけければいいじゃん」て思えるけど、そんな事一切お構いなしで、ドーン!てくるんやな、て思うと、ウクライナの戦争もこんな状態だったんだろうと思う。 読み進めていくうちに、ふと疑問に思った。 ここ日本なんだよね。 ホームだよね。 なんでここまで劣勢なの? 装備も弾薬もたんまりあるんじゃないの? 本当に自衛隊は日本を守れるのか。 もし、守れないなら、それは自衛隊の人たちの せいではなく、ここまで侵攻を ゆるしてしまいかねない、 政治的な判断が、最も重要な問題だ、 という主張なんだろうか。

Posted byブクログ

2025/05/02

著者のバックグラウンドを全面に押し出した短編集。経験に基づく「戦場」の雰囲気は十分。日常と非日常の境目がテーマの1つ。中東やウ戦のことを考えつつ自身のGWを過ごす我々に、善悪や是非を問うのではなく、そういうものであることをありのまま伝えているものと理解。

Posted byブクログ

2025/04/24

◼️ 砂川文次「小隊」 ロシア軍が北海道に上陸・交戦。凄惨な戦闘に訓練しか知らない自衛官たちは・・ 著者は元自衛隊員。「ブラックボックス」で3年前に芥川賞を受賞している。 冒頭の表題作ではすでにロシア軍が上陸して攻めてくる前提で、釧路付近で迎え撃つ自衛隊、その大卒中隊長が主...

◼️ 砂川文次「小隊」 ロシア軍が北海道に上陸・交戦。凄惨な戦闘に訓練しか知らない自衛官たちは・・ 著者は元自衛隊員。「ブラックボックス」で3年前に芥川賞を受賞している。 冒頭の表題作ではすでにロシア軍が上陸して攻めてくる前提で、釧路付近で迎え撃つ自衛隊、その大卒中隊長が主人公。敵は地形が変わるほどの圧倒的火力で自衛隊の陣を攻撃し、砲撃や撃ち合いで大勢の兵士が死ぬ。初めての、訓練ではない戦闘、命のやりとりにさらされた隊員たちの姿と、その前夜の、まだ訓練の名残りがあるかのような雰囲気とのギャップが生々しい。 次の作品はイラクでの傭兵たち。こちらは自爆攻撃はあるものの本格的な戦闘はない。 文学界新人賞を受賞したという3作めの「市街戦」。防衛大、一般大学卒の幹部候補生たちの最後の訓練、武装し30キロもの荷物を背負っての100キロの行軍。過去、学生時代の友人、恋人、自宅周辺、東京と夢幻とうつつが交差する作り。訓練。ちょっと昭和の古式ゆかしい構成かも、などと思った。 ふむふむ。専門用語が覚えきれず、この言葉は何やったかいな、などと考えながらそのまま読む。「小隊」はさすがにえぐい迫力があった。ディストピア的に終わり。続きはないの?と。 自衛隊や傭兵の活動を小説に生かしていることはひとつ興味を惹かれるポイントだが、どうにも自己主張が強くかつ他者否定的で、冗長さを巧みな技ではなく手段として使っている印象も受けたかな。

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2025/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『小隊』 文藝春秋の砂川さんと小泉悠さんの対談で兼ねてより読んでみたいと思っていた作品。 2022年にウクライナで戦争が始まったことはひどくショッキングでありセンセーショナルであったので、日々戦況や惨状を割とニュース等で追っていたが、そこで戦っている人の様子はなかなか想像がつかなかった。この作品を読んで、戦場での個人の目線を一つ与えてもらえたように感じた。 死が紙一重に隣接する戦闘の中で、頭中沸騰しながらも訓練で培われた戦闘所作はオートマティックに体を動かし、そして時々私生活のあれこれが思考に去来する。何日も風呂に入れず痒い全身、体を締め付ける重い装備、散らばった肉片のディティールや、集団内における個人の打算への怒りと葛藤。 戦場には多数の確かな個がいながら一度向かい合えばこれもまたオートマティックに味方と敵に別れてしまう。外にいれば分からない、これが戦争が絶えない理由の一つかもしれないと感じた。 『戦場のレビヤタン』 傭兵としてセキュリティー会社からイラクの施設に派遣される元自衛官の話。「イラクの砂漠に伸びる果てしない一本道と、十勝の雪原の風景とがオーバーラップした」 『市街戦』 自衛官の幹部候補生の演習中の話。舞台は九州は佐賀から長崎にかけて、行軍・戦闘演習が行われる。Kはリーマン・ショック時代の就職氷河期世代のようだが、就職難から自衛官になったのではない様に思われる。正直Kにドン引きしてしまうシーン(回想または白昼夢?の内容)もあったが、自分が生きる場所がここではない感という点では理解が出来る気はした。そして、一種エマージェンシーな状況のほうが生を感じられているのではないかという体験はわずかながらにも自分にもあった。(今となってはPTSDに近いものもあるので二度とごめんだが) 現在、高校世界史の勉強を今更ながらしている。(高校地理選択で歴史がさっぱりなのだが、歴史的文脈が分かれば日々目に留まる情報がもうちょっとは面白くなるかもと、今更ながら)安直だが、人間が幾多の戦いの末勝ち残ってきた生き物であるならば、緊急事態に生を見出すことは生物的にはあり得るのかもしれないとも感じた。 3作品を通じて… 専門用語が多いので都度検索しながら読み、大変勉強になった。2025年現在の世界の価値観は少し変化してきているように感じられる。力(軍事や経済)の論理を良しとする傾向を感じるが、戦争が良しとされる世の中にはなってほしくないと思う。

Posted byブクログ

2025/02/11

最近戦争ものの小説を読んだせいか、おススメされたので読んでみた一冊。元自衛官が描く戦場のリアル…という惹句なのだが、こういうエグいのが読みたかったわけじゃないんだよなぁ…。

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2025/01/13

「小隊」  北海道に攻め込んできたロシアにボコボコにされる陸自の話。彼らが前線で酷い目に遭いながらも、ラジオからは音楽番組が流れてくる。住民に避難を勧めに行けば、こっちには生活があるんだとつれない返事が返ってくる。  現に戦争が始まったのだから、自衛隊以外の国民も戦争とは地続きに...

「小隊」  北海道に攻め込んできたロシアにボコボコにされる陸自の話。彼らが前線で酷い目に遭いながらも、ラジオからは音楽番組が流れてくる。住民に避難を勧めに行けば、こっちには生活があるんだとつれない返事が返ってくる。  現に戦争が始まったのだから、自衛隊以外の国民も戦争とは地続きになるはずなのだが、そんな実感は沸かないのがリアルな戦争なのだろう。物語の中で人が死んでいくのだが、悲しさとか敵への怒りみたいなものは湧いて来ず、なんというか、なんでこの人たちはこんなことをしなくちゃいけないんだろうという直観的な疑問が浮かんでくる。そりゃもちろん、敵が攻めてきたら戦わなきゃいけないのだから、疑問に思うことなんてないのだが。  著書が自衛隊を辞めたこととリンクしているかは分からないが、国家の戦闘行為を担う自衛官という役割に「馬鹿馬鹿しさ」を感じさせてしまう物語だなと感じた。 「戦場のレビヤタン」  小隊とは打って変わって主張の激しすぎる主人公の傭兵の語りがとにかく読んでいてしんどかった。  主人公の置かれた立場の弱さだったり悲しさの感情みたいなものが、ただ説明されている感じだった。キャラの立つライトノベルならアリなのかもしれないけど、純文だと旨みがないというか…… 「市街戦」  自衛官候補生という「自衛官」であり「社会人」になる過程、言うならば卵の殻を破り世界に出ていく直前期の演習が描かれ、ところどころで夢とも過去ともつかない、追憶のような大学生活の場面場面が挿入される不思議な小説。  社会人へのイニシエーションというよりは、混沌とした世界に飛び込んでゆく不安のような、混沌としつつも守られている公務員の世界に飛び込んでゆく安寧のような感覚が伝わってくる。  吉祥寺で繰り広げられる市街戦は、リアルな戦闘描写に近付きつつ、歩行者達は主人公を醒めた目で迷惑そうに眺めていてリアルでは無い。大学生活の回想もおぼろげ。行軍で頭がぶっ壊れている感覚がリアルで良い。ぶっ壊れることによって現実を無理やり受け入れるというか、自分を歪なかたちの現実に溶かし込むというか、そんなプロセスを描いた小説として読めた。

Posted byブクログ