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かか 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2022/04/27 |
| JAN | 9784309418803 |

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商品レビュー
3.5
151件のお客様レビュー
テーマは、親子の複雑な関係と自己のアイデンティティの探求です。主人公のうーちゃんは、母であるかかとの関係に悩みながら、愛情と憎しみの狭間で苦しむ姿が描かれています。かかは脆弱で、過去の痛みに囚われた存在ですが、うーちゃんは次第にその苦しみの根源が自分にあることに気づきます。この気づきが、彼女を熊野へと旅立たせ、かかを新たに産み育てたいという無謀な思いを抱かせるのです。宇佐見りんの透明感のある瑞々しい文体と独特の口語体は、読者をこの複雑な感情の渦に引き込みます。最終的には、うーちゃんがかかの呪縛から解放され、自己を確立する過程が描かれ、心に残る深い余韻を与えます。
※この内容はAIが作成したものであり、ブックオフ公式オンラインストアの見解や意図を示すものではありません。
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一読目にはうまく言語化ができず、感想を書くまでに至らなかった。ただ文才と熱量と痛みと神々しさに、ただ呆然とするしかなかった。そして今回二度目となったが、やっぱり熱量に押されてしまう。それでもなんとか考えてみた。 この小説の中で重要なものは、「信仰」だろう。主人公のうーちゃんは、かかへの失った信仰を取り戻しに熊野へ旅に出る。熊野は身分や性別を問わない場所らしく、蘇りの地とも呼ばれるそうだ。かかが死に生みなおすのならばこの地がよかったのだろう。なので「信仰」や「かみさま」について考える。 「かか」の作中における信仰は、「あかぼうの瞳」にある。そしてその瞳はかみさまに守られている。つまりあかぼうは母親をかみさまとして信仰して生きている。ほかにも「かみさま」はかかだけでなく「不特定のだれか」でもある。それはインターネットのコミュニティーにあふれていた。終盤にうーちゃんはかかが死んでしまうとネットで嘘をつく。それによって不特定のだれかからの慰め(お気に入り)を求めたが、実際帰ってきたのは電話番号と慰めのメッセージだった。それはネットの人物の不特定さを否定するものであり「かみさま」の存在を否定することにもなった。 「子どもたちのかみさまは、成長するにしたがって小言を言い、殴って、くるって、そのうち老いて、淋しさ残していく。うーちゃんのかみさまは、かみさまだったはずのかかは、うーちゃんを産んでかみさまじゃなくなった。もともとかみさまじゃなかったんです。」 「まだかかが優しく厳しいかかであった頃に、かみさまのまましんでほしかった。そう願いながら介護の末に親と心中はかった人間がこの国に何人いるでしょう。」 母親という存在は幼い子にとっては、他と比べられないような「かみさま」だ。しかし母親は老い、更年期をむかえ認知症になることもある。そして子供は成長し、母親を他と比べ「信仰」を失う。つまり「かみさま」は否定される。 明子はどうなのだろうか。明子の母である夕子ちゃんはおそらく明子が小さいうちに死んでいる。明子にとってのかみさまである夕子は、かみさまのまま死んだ。だからこそうーちゃんと明子の間には溝があるのではないだろうか。 他にも「かか」では女性であることが大きな要素となっている。冒頭シーンの金魚は生理の血であり、締めのセリフも子宮についてだった。また対極となる男性については、父親である「とと」が挙げられ、描写は少ないがDVの傾向にあり女性を消費する男性像の象徴のような人物だった。 「修学旅行の班分けのとき、くじで一緒になったうーちゃんたちに聞こえるように大声でハズレと言ったり、女性の教師たちをヤれるヤれないと仕分けたりしてた男子生徒たちに感じるんと一緒です。……たった一言であほらしい猥談のなかに取り込まれてしまうんがどれほどまでに悔しいことか、おまいにはわかりますか。」 他にも女性であることの辛さを描いた描写は多くある。そしてうーちゃんはかかを産むことを決意する。産むということは女性にしかできない行為であり、そこがなんとも皮肉なところだ。そして本名がうさぎという子宮が2つある生き物であること。その決められた因果に対する嫌悪感が伝わってくる。 まとめると、幼い子どもと信仰との繋がりは強く、成長するにつれてそれは失われていく(雷様の伝承についても母と子との繋がりであったヘソを取るというこの文章にシナジーの強い、信仰が年齢とともに失われていくことに関しての言及があった)。かみさまとは不特定な存在であって、子どもにとってのかみさまである「かか」とは概念としての母親のことであって、子どもの成長によって母親という概念から実際の母親は個人になって離れて行ってしまう。それを信仰を失うと捉えそれを取り戻そうとする。しかし私は最後にうーちゃんは信仰を取り戻せてはいないのだと思う。信仰を完全に失うことは大人になることであり、人間としての成長を信仰を交えて描いたとてつもない作品だった。
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弟に向けて書いた手紙にそってストーリーが進みます。重く苦しい内容ですが、それだけでは無い何かが根底にあります。読み終わりは、何故かうーちゃんと一緒に私も救われていく気がしました。 これが宇佐美りんさんの1作目とは!読書家さんのオススメで読みましたが、圧巻でした。 三十一日も良き...
弟に向けて書いた手紙にそってストーリーが進みます。重く苦しい内容ですが、それだけでは無い何かが根底にあります。読み終わりは、何故かうーちゃんと一緒に私も救われていく気がしました。 これが宇佐美りんさんの1作目とは!読書家さんのオススメで読みましたが、圧巻でした。 三十一日も良き。ペットロスの話。
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純文学を読むと、「やっぱり私にははやい」と思うのだけれど、宇佐美さんの作品は不思議とすらすらと読める。推しとかSNSとか馴染みやすい話が挟まれるからだろうか。 うーちゃんの内面は複雑で理解し難いのだけれど、SNS上のラビとしてのうーちゃんとか、フォロワーのやり取りは妙にリアル。そ...
純文学を読むと、「やっぱり私にははやい」と思うのだけれど、宇佐美さんの作品は不思議とすらすらと読める。推しとかSNSとか馴染みやすい話が挟まれるからだろうか。 うーちゃんの内面は複雑で理解し難いのだけれど、SNS上のラビとしてのうーちゃんとか、フォロワーのやり取りは妙にリアル。そのギャップが時に読みづらくもあり、時に読みやすくもあり。なんとも感想を文におこすのが難しい。 かか弁、これまた独特な文体。でもかか弁に言葉の柔らかさがあって、状況は地獄に近いのに、情景の綺麗な描写が際立って読んでいてそこまで辛くならなかった。
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