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かか 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2022/04/27 |
JAN | 9784309418803 |
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かか
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商品レビュー
3.6
98件のお客様レビュー
作者に抜きん出た才能があることはまったく間違いない。好きか嫌いかは別であるが。ろくでもない親への強い思い、愛は、同じだけの強い憎しみも同時に持つ。しかしそれは時としてとめどなく発露する。乗り越えていかねば生きられないぞ。乗り越えよ。私は乗り越えた。エゴイストであるがゆえに乗り越え...
作者に抜きん出た才能があることはまったく間違いない。好きか嫌いかは別であるが。ろくでもない親への強い思い、愛は、同じだけの強い憎しみも同時に持つ。しかしそれは時としてとめどなく発露する。乗り越えていかねば生きられないぞ。乗り越えよ。私は乗り越えた。エゴイストであるがゆえに乗り越えられるものかもしれないが
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言葉がところどころ読みづらいところもあった。 お母さんって、生まれた時から切り離すことが出来ない血縁で、たとえ大切に思われなくても、子供はお母さんが、大好きなんだなぁと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
19歳のうーちゃんとかか、弟、祖父母、従姉、犬の日常。一見するとありふれた家族のように思えるけど、かかは酒を飲んで荒れるし、祖父母とはぎくしゃくしたような関係。家族との複雑な関係や、何で生まれてきたのかのような問いかけが出てきて、読んでて苦しくて仕方なくなってくる。 だけど合間にうーちゃんの、かかが好きな気持ちが見え隠れしてるし、旅の途中で突発的に嘘をSNS に投稿しては自分の気持ちを確かめ整理してて、とても目が離せなかった。 まず冒頭の『女の股から溢れ出る血液』が衝撃を受けた。幼少のうーちゃんが『一疋の金魚』の正体を知らないのは当然のことだけど、知らないからこその好奇心、誰かに見せたいという欲求は誰にも止めることは出来ない。だからこそ、冒頭からこの作品が生々しく感じた。 次に、全体的に方言なのか造語なのか、んっ?ってなる言葉がいくつも出てきて気になった仕方なかった。 調べてみたら『そい』は『それ』を意味した博多弁だったし、大阪弁の『ほったらかす』、茨城弁の『だかん』、広島弁の『のんよ』みたいに、全国各地の方言で語られてて、この家族は一体どこの出身なんだ?ってなった。方言だけかと思ったら『ありがとさんすん』『まわまみーすもーす』とか、かかの造語が出てきてもう訳分からん。 だからいつものようにすらすら読めないし、理解しながら読むのには時間かかったけど、なんか不思議な世界に迷い込んだような、でも戸惑いながら読んだ。 さらに、“おまい”って何度も出てきて、誰の事?って思ってよくよく読んでみたら弟のことで、どうも弟に語りかけている文体で成り立ってた。 “おまい”が誰を指してるのか分かると、この作品の見通しが少し良くなってきて、もう一度最初から読んでみたくなってしまう、そんな中毒性がある作品に感じた。 最後に、この作品の中でうーちゃんは『かかを、産んでやりたい、産んで育ててあげたい』と思うようになる。ととに浮気されて痛みの中で生きるかかを想ってのことだろうけど、母と娘の関係が入れ替わるって、すごく複雑。 でも、それって複雑な家族関係の中で生きるうーちゃんだからこそできる発想であって、うーちゃんの価値観でもある。 この作品は、冒頭から生々しく始まり、性とか家族役割とか複雑に描かれてるし、どこをとっても難しい。 なのにまた読みたくなる、そんな作品でした。 私と同年か年少の方の作品ってことに驚いた。 しかも、10代でこの作品を書かれたことに衝撃を受けた。
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