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あの胸が岬のように遠かった 河野裕子との青春
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2022/03/24 |
JAN | 9784103326427 |
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あの胸が岬のように遠かった
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商品レビュー
4.2
14件のお客様レビュー
友人から勧められた本ですが、短歌という素材になかなか気持ちが乗らず放っておきました。まあ、高齢の母親の唯一の楽しみが短歌なので次の帰省の話材にでもしようかと思い、やっと開いた次第です。でもその瞬間から引き込まれるように読破です。雨宿りで入ったカフェで一気読み。雨が上がって夜になっ...
友人から勧められた本ですが、短歌という素材になかなか気持ちが乗らず放っておきました。まあ、高齢の母親の唯一の楽しみが短歌なので次の帰省の話材にでもしようかと思い、やっと開いた次第です。でもその瞬間から引き込まれるように読破です。雨宿りで入ったカフェで一気読み。雨が上がって夜になっていました。歌人夫婦の青春の日々を妻の日記と著者の日記いうプライベート、さらにはお互いの作品として発表した短歌の数々、そして著者の思い出から構成される生々しい心の動きが剥き出しで露出されます。人の日記を読むことは禁断の行為のように感じてしまいますが著者自身が妻の死後に初めて読む動揺もこちら側にシンクロしてきて、かなり艶かしい気持ちになります。日記の記述対象がお互いであり、それが三者関係からの二者関係への移行というプロセスも含め、見ちゃいけないものを見ている気分になりました。ただ、お互いの心の振幅が、短歌というパブリックな表現に昇華されていることと、童貞と処女のピュアな絡み合いということ、あるいは現時点でもイノセントな著者の子供っぽさが、エロチックとは違う気持ちを喚起します。自分には、こういう恋愛に憧れていた時代があったことをなんとなく思い出し、それは団塊の世代が獲得した男女関係なのだとも思いました。この二人の恋には短歌という表現は絶対必要であり、そもそもの短歌の成り立ちに近いものではないのでしょうか?極プライベートを超シンボリックに定型化する短歌、その芸術への感応力は心の問題にどれだけデリケートか、という測定なのかも。自分、これから短歌、どれだけ楽しめるのかな…
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ラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」のゲストで、著者をはじめて知る。 ノンフィクションゆえに、なかなかに生々しくもあるが、歌が挿入されていることで、平安絵巻のような装いを纏う。 全てを赤裸々に書く著者に圧倒されながらも、この2人の愛の深さにおののくのである。 手紙が無くなりつつあ...
ラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」のゲストで、著者をはじめて知る。 ノンフィクションゆえに、なかなかに生々しくもあるが、歌が挿入されていることで、平安絵巻のような装いを纏う。 全てを赤裸々に書く著者に圧倒されながらも、この2人の愛の深さにおののくのである。 手紙が無くなりつつあるこの時代、愛はどんな形になっていくのであろう
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ここまで、書けるんだ、あるいは、ここまで書くんだ、まあ、そういう驚きの連続でした。ボクたちが、テレながら、笑ってしまう「愛」ということを信じている人がここにいます。 「わたしは、ウソは書きません。あったことは全部書きます。そこに今の私がいます。」 と、自らの人生を、母の死、後...
ここまで、書けるんだ、あるいは、ここまで書くんだ、まあ、そういう驚きの連続でした。ボクたちが、テレながら、笑ってしまう「愛」ということを信じている人がここにいます。 「わたしは、ウソは書きません。あったことは全部書きます。そこに今の私がいます。」 と、自らの人生を、母の死、後に妻となった女性との出会いからたどり直そうとなさっている様子には、青春回想記と云ってしまえばそれまでですが、やはり胸打たれるものがありますね。 そういうふうに生きている歌人がココに立っています。 ブログにもあれこれ書きました。よろしく! https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202403070000/
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