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誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2022/03/05 |
JAN | 9784309418797 |
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誰にもわかるハイデガー
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哲学の専門家ではない有名な作家が、1990年池袋でハイデガーについて解説した講演?を文字にしたもの。全体の3分の1は、『ふしぎなキリスト教』とかの大澤真幸先生の解説がついていて、「よくわかる上に、『存在と時間』のエッセンスをまことに的確に抽出している。(略)専門家ではない、『唯...
哲学の専門家ではない有名な作家が、1990年池袋でハイデガーについて解説した講演?を文字にしたもの。全体の3分の1は、『ふしぎなキリスト教』とかの大澤真幸先生の解説がついていて、「よくわかる上に、『存在と時間』のエッセンスをまことに的確に抽出している。(略)専門家ではない、『唯野教授』こと筒井康隆さんが、かくも正確に紹介できるとは。驚きである。」(p.106)と書いているから、専門家お墨付きのハイデガー紹介、ということになる。 『誰にもわかるハイデガー』というタイトルだし、『試験に出る哲学』のブックガイドでも紹介されていたので、読んでみた。何となく分かるけど、正直通勤電車の中でサラッと読んだだけでは、正直なんかよく分からなかった。でも本当に一瞬で読めてしまうくらいの分量なので、もう1回くらい読んだら、少しはもっと分かるのかもしれない、という感じ。要するに死(時間)を意識して生きることが実存(「自分の可能性を見つめて生きる存在のしかた」(p.47)、というまとめで良いのだろうか。 たくさんの用語がよく分からないのだけど、「企投」とか、実生活で出来ることなのかな。死を引き受けて存在することを了解するために、「今の自分を超えるために、絶え間なしに自分の可能性を自分に向かって投げかける。」(p.56)というのは、一見すると分かりやすいのだけど、そんな程度の理解でいいのだろうか。なんかよくない気がする。あとは確か『試験に出る哲学』で知ったことだと思うけど、ハイデガーがナチス党員になったという事実は、高校の倫理の中で実存主義ってかっこいいなと思っていただけに、やっぱり驚きというかガッカリしてしまう。「宿命という言葉は『存在と時間』の最後に近いところでですね、共同体の宿命だとか民族の宿命だとか書いているんです。そして、ここからどんどん展開していってハイデガーはナチスに入党してしまう」(p.96)ということだったらしい。 あとは大澤先生の解説のところから。まずテクストの読み方の話のところで、「笑いによってテクストに対して距離を取ることができれば、自然と、解釈に創造性が宿る」(p.111)、つまり「書かれていることを相対化しつつ、発展させるための想像力が発生する」(同)から、笑いを伴う読解にはより豊かな理解という効能がある、というのは面白いなと思った。あと最近、たまたま英語の授業でやった単語帳の中にsecureという単語があって、その近くにたまたまcureという単語もあったけど、この2つは「安全secureとは、cureがない状態という意味だ。(略)したがって『安全だ』とは、『cureを欠いている』ということになる。」(p.121)ということでこの2つがつながっている、というのを知った。あの単語帳は偶然?もしかして当然つながりを感じるべきだった?あとハイデガーのところで分かりやすいのは、「人が真に倫理的になるのは、つまり良心をもとうと真に決意するのは、このとき、終局的な〈出来事〉がすでに起きてしまったとき」(p.131)というのはすごいことだけど、その後の例が分かりやすかった。要するに締め切り前に慌てる、という、その感じでいいんだろうか。そして、「『過去』のところを、『現在』に置き換えることができたとしたらどうであろうか。未来に起きるはずの〈出来事〉をすでに起きてしまったこととして体験し、そこから、現在を、過去を見る視線でもって遡及的に見つめることができたとしたら、どうであろうか。(略)それはとても難しい。難しいが、不可能ではない。」(pp.136-7)で、その実例が、メシアはもう来てしまったというキリスト教、というのも何となく分かった。こういう未来のさらにその先から未来を見る、みたいな、こういう視点は日常でも活かせそうだけど…。 ということで、何となくは分かるし、よりよく生きるために自分の日常や生き方に活かせそう、とは思うけど、そもそもそういう打算的な視点が含まれていると実存とは言えない気もするし、そういう理解じゃダメなんだろうな、と思ってしまう点、本当に「わかった」ことになるのか、という懐疑的な気持ちを持って終わってしまう本だった。(26/09/28)
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ハイデガーの入門編として、100分de名著や新書と合わせて読みたい本。入門書を読むたびにハイデガー特有の言葉に辟易するが、具体的なストーリーと合わせて説明されると、なるほどそうだったのか、とわかったような気になる。ここでいうわかったということとか、ハイデガーを入門するということと...
ハイデガーの入門編として、100分de名著や新書と合わせて読みたい本。入門書を読むたびにハイデガー特有の言葉に辟易するが、具体的なストーリーと合わせて説明されると、なるほどそうだったのか、とわかったような気になる。ここでいうわかったということとか、ハイデガーを入門するということとか、どうも死を隠す空談のように思えるが(死は入門してはくれない!)、自分勝手に理解するというのもまた違う話なので、死を眼の前にしながら恐る恐る入門するというなんとも不思議な感じだ。まぁ解説にもあるが、時にはユーモアも必要だろう。
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ハイデガーの解説本の中でもいちばんわかりやすいと言う評価の「ハイデガー『存在と時間』を解き明かすNHKブックス」を読んでみたものの、まったく理解出来なかったので、さらにわかりやすそうなこの本を読んでみました。 結果は、理解出来たとまでは言えないけど、「なるほど、こういう風な事が...
ハイデガーの解説本の中でもいちばんわかりやすいと言う評価の「ハイデガー『存在と時間』を解き明かすNHKブックス」を読んでみたものの、まったく理解出来なかったので、さらにわかりやすそうなこの本を読んでみました。 結果は、理解出来たとまでは言えないけど、「なるほど、こういう風な事が言いたかったのね。」程度のことはわかりました。 『存在と時間』には。現存在とか平均的日常性とか、実存とか、本来性、非本来性とか、よく分からない単語が頻出するんだけど、まずはこの本から読んでみると、多少は理解の助けになると思います。
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