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掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集 講談社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2022/03/15 |
| JAN | 9784065273074 |

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掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集
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商品レビュー
4
105件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めちゃくちゃ良いじゃん!! 小説を読む喜びが詰まっている。行ったこともない土地の空気、匂いを感じ、経験したことのない痛みや喜びをわが身に感じられる。 アメリカ/南米…
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目の前にゴツゴツした石塊がある。 なんだか殺風景に見えるが、それをハンマーで叩いて割ると、キラキラと輝く断面が現れる。宝石の原石だ。しかも割るたびに様々な色合いの光を放つ不思議な石。 この短編小説集を読み終わって頭に浮かんだのは上記のようなイメージだ。 本書には22の短編が収...
目の前にゴツゴツした石塊がある。 なんだか殺風景に見えるが、それをハンマーで叩いて割ると、キラキラと輝く断面が現れる。宝石の原石だ。しかも割るたびに様々な色合いの光を放つ不思議な石。 この短編小説集を読み終わって頭に浮かんだのは上記のようなイメージだ。 本書には22の短編が収められている。 最初は、突然ざっくりと切り取られた日常の断片が目の前に無造作にボン、と放り投げられたような印象で、面食らった。 次の短編、またその次…と読むうちに気づく。 場所も時代も、語り手の職業も年齢も全然バラバラだが、なんとこれは同一人物の物語だ。 著者のルシア・ベルリンは、アラスカで鉱山技師の家庭の生まれ。鉱山町を転々とし、戦時中はエルパソに転居し母方のアル中親族に囲まれ孤独で過酷な日々を送り、二度の退学を経験。その後チリに移住。打って変わってそこでは上流階級の仲間入りをし、ミッションスクールに通う。メキシコの大学進学後は、3度の結婚を経験し、四人の子供をもうけ、カリフォルニアやバークレー等に移り住みながら、掃除婦、教師、電話交換手、看護助手などをしながら、自らもアル中に苦しむ。その後は… ともう、この時点で一人の人生としてはお腹いっぱいというくらいに千変万化で、落差も大きい。 どの短編も、基本的には著者の体験に基づく、言ってしまえば「ちょっと話を盛った思い出話」なのである。 しかし、それなのにまるでプリズムのように様々な光を放つ作品集ができあがっているのである。 さて、「光」や「輝き」という喩えを用いてきたが、実は内容を見ると、親族からの虐待、学校でのいじめ、生まれついての病気、3度の離婚、重度のアル中、妹の逝去……と明るい話なんて殆ど無い。 本人がそんな境涯だから、彼女の周りに現れる人々や世界もはみ出しものや落伍者ばかりであり、モチーフとしているものはどちらかと言えば暗い。 「どんな悲惨なことでも、笑い話にしてしむえるのなら平気で話す」 と語り手は言う。 本作の語り口は、テーマに関わらずどこか穏やかで、時に軽妙でリズミカル。トントントン、と繰り出される言葉にするっと読まされてしまう。 はっきり言うと、本書を2/3くらいまで読んだ時点ではまだ本書には全然ハマっておらず、実話の羅列ではないか…くらいに思っており、著者と相性良くないな。と思っていたのだが、段々と魅せられてしまったのか慣れたのか、『さあ土曜日だ』から先の3編はとても良かった。 一つ残念に思うのは、巻末のリディア・デイヴィスが寄せた文章によると、ルシアの文章の真髄を味わうには英語の原書を読むのがどうやらベターだと言うことだ。 私が英語が読めたなら、本書の評価はもっと変わるのかもしれない。
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短編集という形になっているが、作家自身がモデルと思われる主人公の人生が断片的に描かれている。 語られるのはなんとも不条理な人生。生まれ持った障害、虐待、アルコール依存症、貧困、差別。それを淡々と語る。ユーモアも淡々と。その淡々と語られる言葉がなぜだかとてもきらきらしていて、目の前...
短編集という形になっているが、作家自身がモデルと思われる主人公の人生が断片的に描かれている。 語られるのはなんとも不条理な人生。生まれ持った障害、虐待、アルコール依存症、貧困、差別。それを淡々と語る。ユーモアも淡々と。その淡々と語られる言葉がなぜだかとてもきらきらしていて、目の前にぱっと情景が現れる。そしていつの間にかどっぷり嵌っているのだ。ただ、どんどん読めるという作品ではない。ストーリーというよりは言葉を味わう作品のように思う。 訳者の岸本佐知子さんの力も当然あるとは思うが、ルシア・ベルリンが生前に見出されなかったのが信じられないくらい。
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