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チェレンコフの眠り
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チェレンコフの眠り

一條次郎(著者)

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チェレンコフの眠り

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2022/02/18
JAN 9784103398738

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商品レビュー

3.5

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2024/07/06

環境破壊や温暖化が進み、更に放射能で汚染され荒廃した街が舞台。マフィアのボスに飼われている箱入り娘(オスだけど)のアザラシのヒョーが主人公。ボスにもファミリーのマフィアたちにも大切に育てられてきたヒョーがボスの死によって一人で生きていかなければいけなくなった世界は、環境破壊でボロ...

環境破壊や温暖化が進み、更に放射能で汚染され荒廃した街が舞台。マフィアのボスに飼われている箱入り娘(オスだけど)のアザラシのヒョーが主人公。ボスにもファミリーのマフィアたちにも大切に育てられてきたヒョーがボスの死によって一人で生きていかなければいけなくなった世界は、環境破壊でボロボロな上に金持ちが労働者と貧乏人を搾取する冷酷な資本主義社会だった。 無邪気でピュアなヒョーの言葉にも何度もハッとしました。例えば… 「働くのがそんなにえらいわけかい。だったら奴隷が世界でいちばんえらいってことになるよな」 「字が読めるのがそんなに重要なわけ?あれって不便じゃないか。だって文字に書けないことはどうなるのさ。世界は文字に書けないことでいっぱいなんじゃないのか?」 「人材だなんて、人を材料と見ているようで、なんだかおそろしい言葉だとヒョーはおもった」 「あんたら人間ってのは共感でしかものを見れないわけ?」 「そりゃそうだろ。なんだとおもってるんだ」 「いや、どこまでも自己中心的なんだなっておもっただけさ」 「他人に共感するのと自己中じゃ、まるっきり正反対だぞ?」 「だれかに共感するってのは、あたかも自分のことのようにかんじるってことだろ。それがかんじられなければ、相手になんの興味ももてないってことだ。そりゃ山火事もなにも消えないはずだ」 喋って歩けるアザラシのヒョーはとにかく可愛いし、ボスのシベリアーリョ・ヘヘヘノヴィチ・チェレンコフを始め、登場人物もどこかとぼけた味わいがあって、この独特の世界観は癖になります。ただ、扱うテーマはとても重いものだと思いました。 人間が自然破壊を繰り返すことで、地球の生物は住処を奪われ絶滅していき、人間にとってもどんどん住みづらい環境になっていく…という、待った無しの環境問題が大きなテーマになっています。可愛らしいアザラシのヒョーの眼を通して、人間の身勝手な環境破壊を描き、それに対する強い怒りと非難が伝わる作品でした。

Posted by ブクログ

2023/02/01

毎日はいらないけど時々無性に欲しくなって他のものでは満足できない。自分の中ではそんな作家の一人である一條ワールドを存分に堪能した。いや、堪能はしたが正直分からないことは多くて、それでもちょっと物悲しい気分で読み終えた。 真面目なのか不真面目なのか真面目に不真面目なのかツッコミど...

毎日はいらないけど時々無性に欲しくなって他のものでは満足できない。自分の中ではそんな作家の一人である一條ワールドを存分に堪能した。いや、堪能はしたが正直分からないことは多くて、それでもちょっと物悲しい気分で読み終えた。 真面目なのか不真面目なのか真面目に不真面目なのかツッコミどころ満載でニヤニヤさせられっぱなしなのに、ハッとさせられる鋭いセリフが随所に出てきて色々な感情が忙しなく押し寄せるようだった。 主人公は文字が読めずプールで溺れたことがあるヒョウアザラシのヒョー。警官に銃殺された後に幽霊となって現れるマフィアのボスであるシベリアーリョ・ヘヘヘノヴィチ・チェレンコフ。働かざるもの食うべからずが口癖のラーゲル店長。マーケティングとブランディングを怠らずビジネスをする座座座テレパスに大金持ちで資産運用をしつつ次の地球を製造しようとする未来ゴザ夫人。 物語の始まりはシベリアーリョ・ヘヘヘノヴィチ・チェレンコフの一味が銃殺されるところから始まり、一緒に暮らしていたヒョーはひとり町へと彷徨いこのキャラ立ちし過ぎな人物(?)たちと出会い進んでいく。地震で倒壊した放射性廃棄物処理場の後処理が放置された“死の町”が舞台となっているが、陸は汚染され海はプラスチックまみれというなんとも部分的に現実的な設定もあり、可笑しなことばかりとも言えない。生い立ちを知り、さらには沢山の喪失感を味わった、純粋で繊細なヒョーにはこの世界は生きづらかったのかもしれないなと感じた。

Posted by ブクログ

2022/10/02

今の状況・環境が変えられない現状の中で 自分はどう生きていくのか。 環境破壊について、もしかしたらこれからあり得るかもしれない世界観の中で、自分はどう生きていくのかを考えさせられる作品でした。

Posted by ブクログ

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