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物価とは何か 講談社選書メチエ758
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物価とは何か 講談社選書メチエ758

渡辺努(著者)

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物価とは何か 講談社選書メチエ758

定価 ¥2,145

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2022/01/13
JAN 9784065267141

物価とは何か

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商品レビュー

4.3

73件のお客様レビュー

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2026/02/02

かのオイルショックの際、狂乱物価と称された物価高に国民は悩まされました。 では、その狂乱物価の原因は何か? 実は、原油の高騰であるという説の因果関係は否定されており、真相は、日銀による貨幣の過剰供給であり、市中にお金の量が増えることによって希少性が下がったため物価が上がった、とい...

かのオイルショックの際、狂乱物価と称された物価高に国民は悩まされました。 では、その狂乱物価の原因は何か? 実は、原油の高騰であるという説の因果関係は否定されており、真相は、日銀による貨幣の過剰供給であり、市中にお金の量が増えることによって希少性が下がったため物価が上がった、ということだそうです。 しかしその後、物価はバブル景気の際にもさほど上昇せず、バブル崩壊後の90年代以降、日本は長い長いデフレ状態に突入し、物価は上がらない、ということが常態化してしまいました。 インフレ、デフレを語る際、そして経済を語る際に物価は必須なのですが、物価が決まるメカニズムは非常に複雑です。 各国の政府や中央銀行は物価をコントロールしようと様々な策を打ち出しますが、なかなか思惑どおりにはいきません。 人々の気分や予想にも左右される様はまるで生き物のようでもありますが、物価を知ることは経済を理解することにもつながり、本書はその理論を丁寧に説明してくれる良書です。 さて、慢性デフレの状態にあったわが国ですが、賃金が上がらなくても物価が上がらなければそれでいいじゃないか、という心理状態も長く続いてきたようです。 では、一体デフレの何が悪いのか? デフレ下のわが国にあっては、消費者は値上げを許容せず、商品価格は据え置くが減量化や小型化で対処するというステルス値上げが半ば常態化しています。 すなわち、デフレ下での企業は、商品開発などの前向きかつ攻めの経営を行うのではなく、コストカットによる埋め合わせなどという「後ろ向きかつ守りの」経営に注力せざるを得なくなります。 そうなると投資やイノベーションも縮小し、経済全体の活力が損なわれてしまう、というのがデフレの恐ろしさです。 このことは元FRB議長のグリーンスパン氏が指摘していることであり、そのために氏はデフレ回避に全力を注いだのでした。 本書が世に出たのは2022年ですが、実はその頃からインフレの気配が少しずつ感じられてきたようで、ようやくデフレからの脱却も見えてきました。 賃上げと物価高によるゆるやかなインフレが継続し、日本経済が活力を取り戻すことを期待しています。

Posted by ブクログ

2025/12/31

蚊柱を見る度に本著を思い出すようになった ついでに蚊柱は交尾目的で作られるがオスが大半でメスは1匹いるかいないかっていう世知がない話も思い出す 日銀は発言だけで市場を調整する役割があるってところ面白かった 実際に制度とかに手を出して調整する事は稀なのね

Posted by ブクログ

2025/11/21

​昨今、なにかと「物価」が話題だ。しかし、そもそも物価とは何なのか、どう決まるのか。デフレやインフレは具体的に何が悪いのか。分からないことだらけである。 そんな疑問を解消するため、本書を手に取った。 ​本書は、「物価は『蚊柱』である」という例え話から始まる。 商品一つ一つの値動...

​昨今、なにかと「物価」が話題だ。しかし、そもそも物価とは何なのか、どう決まるのか。デフレやインフレは具体的に何が悪いのか。分からないことだらけである。 そんな疑問を解消するため、本書を手に取った。 ​本書は、「物価は『蚊柱』である」という例え話から始まる。 商品一つ一つの値動きはバラバラだが、遠目に見るとひとつの塊としての動きが見えてくる。個別の動きには理由がつけられても、全体としての「物価」の動きを説明するのは非常に難しい。この「蚊柱」の比喩は、物価の掴みどころのなさを実によく表している。 ​本書を通じて理解できたのは、インフレ以上にデフレへの警戒が必要だという点だ。 デフレはインフレと比較して、中央銀行の介入によるコントロールが難しく、一度陥ると抜け出しにくい。デフレ下では企業が価格を決める力を失い、前向きな投資への活力も削がれてしまうのだ。 ​また、「景気は気から」の言葉通り、物価の動きは人々の「予想」から生まれるという点も重要だ。 人々の予想が定まらず不安定になると、誰もが中央銀行や政府の顔色を伺うようになり、その動揺がさらなる変動を招く悪循環に陥る。 グリーンスパンは「物価安定とは、人々が中央銀行の動向に興味を持たなくなった状態」だと言ったそうだが、まさにその通りだと思う。物価や社会の安定のためには、そこを目指すべきだろう。 ​では、どうすればデフレを回避し、物価を安定させられるのか。 それには国民全体が「緩やかに良くなっていく未来」を信じられることが不可欠だ。経済学者ではなく、政治家の役割は、政策を通じて明るい未来へのメッセージを共有し、人々に前向きな気持ちを持たせることにあるのではないかと強く感じた。 ​最後に、著者のスタンスが非常に印象的だった。 著者は、持論があくまで「仮説」であることを強調し、本書は教科書のようにすべてを網羅したわけではないと断っている。「人の意思決定」という不確実な要素が入る以上、経済学は自然科学のように完全な理論化が難しく、万人に共通する一つの答えを出すのは困難だ。 ​だからこそ、自分も政治や経済について語るときは、自戒を込めたい。社会は不確実であり、自分一人の視野など限られた小さなものに過ぎないという認識を、常に忘れずにいたいと思う。

Posted by ブクログ