商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2022/01/13 |
| JAN | 9784065267141 |
- 書籍
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物価とは何か
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物価とは何か
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商品レビュー
4.3
72件のお客様レビュー
昨今、なにかと「物価」が話題だ。しかし、そもそも物価とは何なのか、どう決まるのか。デフレやインフレは具体的に何が悪いのか。分からないことだらけである。 そんな疑問を解消するため、本書を手に取った。 本書は、「物価は『蚊柱』である」という例え話から始まる。 商品一つ一つの値動...
昨今、なにかと「物価」が話題だ。しかし、そもそも物価とは何なのか、どう決まるのか。デフレやインフレは具体的に何が悪いのか。分からないことだらけである。 そんな疑問を解消するため、本書を手に取った。 本書は、「物価は『蚊柱』である」という例え話から始まる。 商品一つ一つの値動きはバラバラだが、遠目に見るとひとつの塊としての動きが見えてくる。個別の動きには理由がつけられても、全体としての「物価」の動きを説明するのは非常に難しい。この「蚊柱」の比喩は、物価の掴みどころのなさを実によく表している。 本書を通じて理解できたのは、インフレ以上にデフレへの警戒が必要だという点だ。 デフレはインフレと比較して、中央銀行の介入によるコントロールが難しく、一度陥ると抜け出しにくい。デフレ下では企業が価格を決める力を失い、前向きな投資への活力も削がれてしまうのだ。 また、「景気は気から」の言葉通り、物価の動きは人々の「予想」から生まれるという点も重要だ。 人々の予想が定まらず不安定になると、誰もが中央銀行や政府の顔色を伺うようになり、その動揺がさらなる変動を招く悪循環に陥る。 グリーンスパンは「物価安定とは、人々が中央銀行の動向に興味を持たなくなった状態」だと言ったそうだが、まさにその通りだと思う。物価や社会の安定のためには、そこを目指すべきだろう。 では、どうすればデフレを回避し、物価を安定させられるのか。 それには国民全体が「緩やかに良くなっていく未来」を信じられることが不可欠だ。経済学者ではなく、政治家の役割は、政策を通じて明るい未来へのメッセージを共有し、人々に前向きな気持ちを持たせることにあるのではないかと強く感じた。 最後に、著者のスタンスが非常に印象的だった。 著者は、持論があくまで「仮説」であることを強調し、本書は教科書のようにすべてを網羅したわけではないと断っている。「人の意思決定」という不確実な要素が入る以上、経済学は自然科学のように完全な理論化が難しく、万人に共通する一つの答えを出すのは困難だ。 だからこそ、自分も政治や経済について語るときは、自戒を込めたい。社会は不確実であり、自分一人の視野など限られた小さなものに過ぎないという認識を、常に忘れずにいたいと思う。
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素人にも理解できるように説明してあることはすごいと思うけど、そんなに寄り道せずに説明してほしいというもどかしさも感じた。 周辺知識のある人からすると良書なのだと思うが、自分は素人なので、門を叩くのが少し早かったのかもしれない。 だけど、日本の物価がなぜ動かなかったのかという点や、...
素人にも理解できるように説明してあることはすごいと思うけど、そんなに寄り道せずに説明してほしいというもどかしさも感じた。 周辺知識のある人からすると良書なのだと思うが、自分は素人なので、門を叩くのが少し早かったのかもしれない。 だけど、日本の物価がなぜ動かなかったのかという点や、世界の経済史を俯瞰しても異質な経緯をたどった理由などが詳しく述べられていた点は面白かった。 脳内には留めておけないけど…
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「物価とは蚊柱である」。この概念を元に読み進めることで、物価という身近でありながら具体的にはよくわからないものについて初心者でもわかりやすく理解できる。特に物価が人々の予想に基づくことで、自己実現的に変動するというのは、集団における部分と全体の非結合性を表していると感じた。
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