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シソンから、 チョン・セランの本
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
発売年月日 | 2021/12/22 |
JAN | 9784750517254 |
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シソンから、
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商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
映像化希望!すごく魅力的なシム・シソン女史。その子孫(かけらたち)が10回忌をハワイで行うお話なんだけど、御膳に並べるのは食べ物ではなく…シソンが喜びそうなものを各々集めるという企画。家族とシソン女史のエピソードや関係性があたたかくて且つぶっ飛んでいて面白かった。
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音を「彫り上げる」 ヘリムが鳥を愛してて親族を鳥にたとえていくとこ好き 転んでもスケートやめなかったナンジョンの昔話、サーフィンを諦めずに続けてるウユンの姿思い出して母娘を感じる ウユンが怪物のアイデアに思いを巡らせてる場面、ワクワクする リリカ・ベーカリーのココパフ レナーズ・...
音を「彫り上げる」 ヘリムが鳥を愛してて親族を鳥にたとえていくとこ好き 転んでもスケートやめなかったナンジョンの昔話、サーフィンを諦めずに続けてるウユンの姿思い出して母娘を感じる ウユンが怪物のアイデアに思いを巡らせてる場面、ワクワクする リリカ・ベーカリーのココパフ レナーズ・ベーカリーのマラサダ 28章シソンの飽きないことが才能の話が冒頭にあってウユンが波に乗れた話が続くのいいなぁ ミョンジュンが塔作ったホノルル美術館のスポルディングハウス、2019年に閉館しちゃってるのね 末代になることもまた選択だと肯定してくれてるようでいい
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作者チョン・セランは一九八四年生まれ(私は同い年)、この本が韓国で出版されたのは二〇二〇年、日本語版の出版は二〇二二年一月。私にとっては同時代感バッチリの小説だ。面白かった。 タイトルのシソンは、シム・シソンというおばあちゃんの名前。訳者あとがきから彼女を紹介している部分を引...
作者チョン・セランは一九八四年生まれ(私は同い年)、この本が韓国で出版されたのは二〇二〇年、日本語版の出版は二〇二二年一月。私にとっては同時代感バッチリの小説だ。面白かった。 タイトルのシソンは、シム・シソンというおばあちゃんの名前。訳者あとがきから彼女を紹介している部分を引用すると、「朝鮮戦争の中で家族を皆殺しにされたが、海外に渡って第二の人生を切り拓いた勇気ある女性。男性芸術家の暴力によって惨憺たる目に遭うが生き延びて、ユーモアを忘れずにたくさんの仕事をし、二度結婚して四人の子供を育て、世の評判をものともしなかったおばあちゃん。美術評論をはじめ数々の随筆を書き、各種メディアに登場しつづけ、日記が出版されるほどの有名知識人」という設定の架空の人物だ。特定のモデルはいないようだが、オマージュされている人物はいるようで、そのあたりはあとがき及び訳者あとがきに詳しい。これも興味深い。 その女傑ともいうべきおばあちゃんが亡くなって十年経った今、が物語の舞台。長女のミョンヘが、「今年はお母さんの祭祀(チェサ)をハワイでやります」と妹・弟夫婦やその子どもたちに呼びかける。祭祀とは、日本でいう法事にあたるような韓国の伝統的な行事なのだが、たくさんの料理を作ったり細々としたしきたりに従ってそれを並べたりというシチ面倒くさい準備を、一族の女性たちが行う。そして儀式に参加するのは男性だけ、というものだそうで、シソンは存命中に「長女には、私が死んでも祭祀をするなんて了見は起こすなと言ってある」と発言し、メディアを沸かせた。祭祀をしないことだけでなく、長女に言ってあるという点も型破りなのである。息子もいるのに。 かくしてハワイへの家族旅行及び祭祀が執り行われるのだが、シソンの子孫たち(韓国語ではシソンは「視線」を意味する言葉と同じ読みらしい…からシソンの子孫は駄洒落にはならない?)による弔い方が本当に素敵なのだ。一同がホテルに揃うと、ミョンヘは次のように発表する。 「命日の夜八時に祭祀を行います。十回忌に際して一度だけやるわけですが、古くさいお膳を整えるようなことはやりません。各自そのときまでに、ハワイを旅して嬉しかった瞬間、これを見るために生きてるんだなあという印象深い瞬間を集めてくることとします。その瞬間を象徴するものでもいいし、ものでなく、経験自体を共有するのでもいいんです」 このあと、各々が自由に数日を過ごし、祭祀を行い、帰途に就くまでが小説の中身だが、彼らの独白やシソンの書き残した文章の断片の引用を通して、読者は二十世紀を生き抜いたシソンの半生をも知っていく。それが見せてくれるのは、現代を生きる子や孫(や私たち)が直面している問題の根っこでもあるが、でもそこにシソンがいたということ自体が、与えてくれる希望も見える。シソン個人がすごい人だったんだとか、その人の娘だから強いんだろうとか、そうとも言えるけれどそれだけでもない何かを、勝手にこちらが感じれば感じたもん勝ちだよね、なんて。 文章表現もとても素敵で、読むのを止めたくなくてメモしなかったので覚えてないけれど、ハッとするフレーズがたくさんあった。他の作品も読みたい。
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