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ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義 「永遠の命」への本能的欲求が、人類をどう進化させたのか?
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日経BP |
発売年月日 | 2021/12/10 |
JAN | 9784296000524 |
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ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義
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商品レビュー
4.1
13件のお客様レビュー
死は避けられない。 しかし、恐れる必要もない。 毎日生に感謝して、今を懸命に生きる。 そうありたいと思う、、、
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ヒトは死を恐れるあまり、4つのシナリオを作ることで”死”から目を背け、一方で文明を興してきた」とする。 確かに今でもそのシナリオは形を変えて我々の日常にも存在し続けていて、なるほど、と思わせる。 とても面白い切り口だし、多くの知見が取り込まれていて筆者の博学ぶりもよくわかり、最後までじっくりと読み込めた。 ただ(邦訳の影響?)文章がやや冗長で読み取りにくいところがあるのは残念。
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「総理からのお祝い状だ!」 居間の鴨居に飾られてあるのは、昨年9月の老人の日に贈られたであろう100歳高齢者へのお祝い状。興奮気味の僕に対し、「おかげさまでー私なんかがねー」と嫗(おうな)は控えめに笑う。 10年以上前から彼女は在宅医療を受けおり、僕は研修医と共に時々訪問して...
「総理からのお祝い状だ!」 居間の鴨居に飾られてあるのは、昨年9月の老人の日に贈られたであろう100歳高齢者へのお祝い状。興奮気味の僕に対し、「おかげさまでー私なんかがねー」と嫗(おうな)は控えめに笑う。 10年以上前から彼女は在宅医療を受けおり、僕は研修医と共に時々訪問している。最近は横になっていることが多い媼だが、まだ自分で食べて自分でトイレまで歩ける大正生まれ。 「長生きの秘訣は何ですか」と問うと、「さあぁ、そんな大それたものはー。ただ毎日毎日ー」とはにかみ、「ありがとう。ご苦労さま」と僕らの労をねぎらってくれる。その神々しい姿に白衣姿の僕らは手を合わせたくなるが、それは控えている。 この媼のように元気で長生きをしたい。誰もがそう思う。さらに、コロナ禍で私たちは生と死を頻繁に考えるようになった。だから、生と死の意味を真正面から問いかけたこの本が昨年から話題となっている。 英ケンブリッジ大の人気哲学者である著者によると、人間は「不死願望」があり、それにより文明が生まれ、政治や宗教が発展した歴史があるという。そして、死を克服しようとした方法(シナリオ)が四つある。 例えば、秦の始皇帝は敵に攻められ殺されることを恐れ万里の長城を建設し、不老不死の霊薬を探させた。この行為を“生き残り”シナリオと定義する。これにより土木や医学等が発展した。 次に、世界の人口の約半数が信仰しているキリスト教では、キリストの死からの復活を教義としている。“蘇(よみがえ)り”のシナリオだ。死と宗教は今も切り離すことはできない。 さらに、多くの人間は死後の世界の霊魂を信じ、これにより死から逃れようとする。“霊魂”のシナリオ。輪廻(りんね)転生がそれである。 最後に、自分の名声を残し、永遠に生きるという方法。千年以上前に30代前半で死んだマケドニアのアレキサンダー大王は、吟遊詩人ホメロスが書いた「イリアス」の中で、永遠に生き続けている。これを“遺産”のシナリオという。 しかし、この『「不死」の講義』の著者は四つのシナリオはどれも欠点があり、死を克服できていないと指摘する。やっぱり人間は死の前になすすべはないのか? 賢い著者は、第五の道を示してくれている。“知恵”のシナリオ。その知恵とは「死の必然性と共に生きる道。絶望する必要はなく、生の有限性に向き合いつつも、真っ当で満足する人生を送れるはず」とある。そして、そのための戦略を三つ挙げている。 ①自己への執着を減らす/共感を育む ②現在に焦点を合わせる ③感謝の念を持つ なるほど。僕は思う。難しく考える必要はない。あの百歳の媼の「おかげさまでー」「毎日毎日(一生懸命生きる)」「ありがとう」を実践すれば、死の恐怖を越えていけるのだ。 今春、還暦となる僕に、日々周りに感謝しながら全力を尽くし生きてゆくことを決意させた良書でした。今年も皆さまがたくさんのすてきな本に巡り会いますように! (長崎新聞第3日曜連載 <この本読んでみた> 2023年1月22日掲載分を改編して転載)
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